ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、若松のぶ役の今田美桜さんから、第60回の振り返りをご紹介!
──戦争中はあまり登場しなかったのぶですが、戦争中のシーン、ストーリーについてどう思いましたか?
ここまで描くんだということに驚きました。 簡単に言葉にすることができないくらい壮絶で……。でも、その部分は、あえて、台本をあまり読みこまないようにしていたんです。のぶとは別の場所で起きていることなので、少し距離を置いておきたいと思って。
これがやなせたかしさんという人を描くにあたって大切な部分だということは、私もよく理解しています。現場では、演者もスタッフも、この戦争を描くことに真剣に向き合っていて、言葉どおり身を削って挑んでいるのを目にしていました。北村(匠海)さんをはじめとして、出演者みんなで食事を抜いていたり、現場では乾パンをあちこちで見かけ、いろいろな面で、覚悟が伝わってきました。視聴者の皆さんにも、その思いが届いてほしいと心から思っています。

私は……のぶは愛国主義者だったわけですが、当時ののぶの考えも含めて、今ではあってはならないことだとわかっていても、じゃあ、実感がわくほど理解ができているか? と問われれば自信はないし、具体的な話を聞ける人がいるかといえば、そんな機会はなかなかない。これまでにも学校などで習うことはありましたけど、今回、自分で演じてみるまでは全く、考えが及んでいなかったんだと気付かされました。
だから、このドラマをご覧になっている方には、ぜひ、戦争について考える機会にしていただきたいんです。自分自身の反省も込めて、一人でも多くの人に考えてほしいと思っています。