
朝田家の三女で歌うことが大好きな天真爛漫なメイコ。常に朝田家のみんなを笑顔にさせる末っ子のメイコは、これまで恋とは無縁だった。しかし、嵩(北村匠海)が辛島健太郎(高橋文哉)を連れて御免与町に帰ってきた時、健太郎と出会ったことでメイコの胸はドキドキし始める。メイコ演じる原菜乃華が、メイコの初恋について、のぶ姉ちゃん(今田美桜)と蘭子姉ちゃん(河合優実)の存在、朝ドラの愛されキャラについて語った。
家族以外の人に自分の歌を褒めてもらったのが決め手

──今日(第32回)の放送で、メイコが健太郎に褒められて動揺していましたが、あれは……?
初恋です! 恋する乙女の顔をご覧いただいて、朝から皆さんにキュンキュンしてもらえるように頑張ったのですが、いかがでしたか?(笑)

──メイコは、健太郎のどんなところを好きになったのでしょう?
メイコからしたら、初めて出会うタイプの人だったんじゃないかなと思います。最初会った時は、変な人だなと思ったかもしれませんが、嵩とのぶを仲直りさせるために、一緒に頑張る場面もあって。そんな健太郎さんの、人のためにまっすぐ突き進めるところや、常に人を笑わせようとする姿勢に胸を打たれたんじゃないかなとも思います。そして何より、家族以外の人に自分の歌を褒めてもらったこと。これが決め手だと感じています。
のぶ姉ちゃんは強い人、蘭子姉ちゃんはしっかり者

──メイコの姉、のぶと蘭子。2人は、メイコから見てどんな存在ですか?
のぶ姉ちゃんは、本当の意味で強い人。飾らなくて、まっすぐで、やると決めたことをやり通す事ができる人です。迷う事があっても、1つこれだっていう目標を定めたら、そこに向かって最速で走り抜けるところが、頼もしいなと思います。勇気をもらえるというか、このお姉ちゃんについていきたい! と思わせてくれますね。
蘭子姉ちゃんは、常に周りを俯瞰して見ている人です。台本の中でも、メイコのボケ(?)にツッコんでくれる事が多いしっかり者。登場のシーンでもメイコのお世話をしてくれていたりするので、甘えたくなるようなお姉ちゃんだなと思います。
──それぞれを演じる今田美桜さん、河合優実さんとは、どのようなやり取りをしていらっしゃいますか?
今田さんも河合さんも本当に優しくて、いつもたくさん話してくださいます。おふたりとも、私が出演した別の作品を見てくれていて、その都度感想を伝えてくださるんです。お芝居でも頼りがいがあって親しみやすくて、2人がお姉ちゃんでよかったなと思う毎日です。
印象的だったのが、撮影の前にしたパン作りの練習。パン作りにおいてはメイコが不器用で蘭子姉ちゃんが器用、という対比が作中にあるのですが、実際、河合さんが本当に器用で上手だったんです。逆に私はすごく不器用で、たくさん教えていただきました。その時は、河合さんが蘭子姉ちゃんで私がメイコでよかったなと思いました。逆だったら、お芝居をするのが大変だったと思います(笑)。

──母・羽多子を演じる江口のりこさん、祖父・釜次を演じる吉田鋼太郎さん、祖母・くらを演じる浅田美代子さんとは、撮影の合間など、どのように過ごされているのでしょうか?
スタジオでの撮影の日は、食事をする際にNHKの食堂のメニューを頼むことができるんですが、食べるのが大好きな私に、「メイコは今日何にするの?」と、皆さんが声をかけてくださいます。おいしかった料理や食べたものを情報交換したりして、日々楽しく過ごしています。
──撮影中の雰囲気はいかがですか?
朝田家の皆さんが本当にあたたかくて。一緒にお芝居をするだけでメイコにさせていただいているな、と感じています。
印象に残っているのは、第24回。ベルリンオリンピックのラジオ放送を、家族みんなで聴くシーン。リハでやっていなかったのに、急に鋼太郎さんが、アドリブで隣にいた豪ちゃん(細田佳央太)を引っ叩いたんです。鋼太郎さんのアドリブは本当に面白くて、みんな笑いを堪えるのに必死でした(笑)。
“朝ドラの愛されキャラ”なんて、責任重大だなと(笑)

──朝ドラには初出演です。出演が決まった時の率直なご感想を教えてください。
いつか出演できたらいいなと思っていたので、まさか自分が夢だった場所に立てるなんて! と驚きました。
私が演じるメイコは、ちょっと抜けているところがあって、クスッとしてしまうセリフが多く、末っ子の、いわゆる愛されキャラです。私自身、どちらかというと周りの皆さんに助けてもらうことが多いので、ぴったり……ではあるのですが、“朝ドラの愛されキャラ”なんて、責任重大だなと(笑)。なので、誰からも愛されるような妹を目指そうと思っています。
──「アンパンマン」はお好きでしたか?
もちろん! 物心ついた時からアンパンマンは大好きでしたし、実は、私の初恋の相手は、しょくぱんまん様なんです。王子様みたいでかっこいいんですよね……!
私には11歳年下の妹がいて、今でもアンパンマンが大好き。家にはたくさんグッズがありますし、妹と一緒にアンパンマンミュージアムにも行ったことがあります。
今回、出演にあたって作品に込められたさまざまな思いを知って、あのアンパンマンが、多くの人たちから愛されている理由がよくわかりました。人の弱さを知っているからこその強さがあるということも。弱さや孤独に寄り添ってくれるヒーローなんだなと。
初の朝ドラ出演が、そんなアンパンマンを生み出したやなせたかし先生と奥様がモデルの作品で、とても嬉しいです。

──中園ミホさんの台本はいかがですか?
読んで、まず「心がぽかぽかするな」と思いました。毎朝15分見て、よし、今日一日頑張ろうと思って玄関のドアを開けられるような、すてきな作品です。
戦争の時代を描くということで、劇中ではすごく辛い出来事が起きてしまうのですが、そんな中でものぶ姉ちゃんがいつでも前向きに、まっすぐ進んでくれるので、見ていて安心感があります。何が起こってものぶ姉ちゃんは大丈夫。そこには、私たちの日常も絶対大丈夫、ハッピーエンドになる、そうあってほしいという願いが込められているんじゃないかなと感じました。