ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、だい文字屋もじやいち兵衛べえ役の伊藤淳史さん、わか木屋ぎやはち役の本宮泰風さんから、第11回の振り返りと第12回の見どころをご紹介!


伊藤淳史さんの第11回の振り返りと第12回の見どころ!

——第11回では、若木屋が大文字屋たちに対抗心をき出しにしましたね。

元々大文字屋の一派とは距離があった人ですけど、若木屋さんも大文字屋も、忘八ぼうはち(女郎屋の主人)の中では若手なので、仲間内では唯一喧嘩けんかをできる相手になります。だから、「にわか祭り」でお互い譲らず、ぶつかり合うことになったんでしょう。

——次回、大文字屋と若木屋がぶつかるんですか?

「俄祭り」では舞踊や茶番狂言など、さまざまな出し物をやるんですけど、大文字屋は“すずめ踊り”を披露します。10人ほどのチームで踊るなか、途中で若木屋さんのチームと鉢合わせして、だんだん踊りで喧嘩をするような感じになっていきます。

——踊りの練習はどのくらいされましたか?

三味線などお稽古が必要なシーンでは、指導の先生が実演する見本の動画を、ひと月くらい前に送っていただいてますが、“雀踊り”の動画を見たときは、すぐにモニターを消しました(笑)。これは無理だと。そもそも踊りは苦手ですし、これまでの人生でやったことのない動きばかり。笠の動きも色々ありまして、これはよう見真似みまねでできるレベルじゃないなと……。

先生が何度も練習につきあってくださって、家に帰ってからもリビングで練習をして……。子どもたちがふざけて真似をするのを横目に、僕はひたすら踊りと向き合う、そんな戦いの日々でした(笑)。最初のお稽古から本番まで一カ月ほどでしたが、この間は本当に大変で、忘れられない時間になりました。

——実際の対決はどんな感じでしたか。

本宮さんは、しゃべるとめちゃくちゃいい方なんですけど、黙っていると怖いんですよ(笑)。身体が大きくて、格闘技をやられているから、殺気があると言うか……。踊りでも、「絶対負けないぞ」という気迫を前面に出してくるので、こっちも気持ちで負けないよう必死でした。

——対決の結果は?

「勝ったな」と思いました……(笑)。ま、それはちょっと言い過ぎですけど、僕も若木屋さんも先頭で踊っているので誤魔化ごまかしがききません。ぜひ楽しんで見ていただきたいです。


本宮泰風さんの第11回の振り返りと第12回の見どころ!

——第11回では、若木屋が吉原から役者を追い出すシーンがありました。

当時の役者が差別されていたことは知識としては知っていましたが、いざ自分が役者をたたき出すとなると、叩き出される役者側の立場にもなって、いい気持ちがしませんでした。吉原自体が特別な世界だったから、なんでしょうけど。

——本宮さんは時代劇にたくさん出演されていますが、今回の役の印象は?

女郎屋の親父おやじは初めてです。吉原には「クセの強い人たちが集まる場所」とのイメージを持っています。その中でも若木屋は、吉原の主流派の壁となる役目を負っているのかな、と最初に台本を読んだ時には思いました。

——主流派と対立するのは何故なぜでしょう。

理由は必要なくて、あの時代の吉原を生きた人たちの気質を考えると、つまらないことでこじれて、すぐに「勝負!」となるんじゃないでしょうか。若木屋が大文字屋と張り合うようになるのは自然な流れだと思います。

——その張り合いが、第12回では「俄祭り」での対決に発展します。

僕たちは“ダンスバトル”と呼んでいたんですけど、“雀踊り”で対決することになります。出演オファーを受けたときには、そんなシーンがあることを聞かされていなかったので、伊藤くんと「僕たちはハメられたんじゃないか」と言い合っていました(笑)。

本番まで踊りの稽古にひと月がかり。僕があまりにも低レベルだったので、周りを固めてくれる舞踊家の方たちが「何とかしなきゃ」と強い一体感を持ってくれて……(笑)、災い転じて全体的にまとまりのある踊りになったと思います。僕の踊りをカバーしようとするフォーメーションと、チームの一体感にご期待ください。