街の未来について、住民どうしが積極的に意見交換するイベント「ようがみらいかいぎ」が3月26日に東京・世田谷区の用賀で開催されました。地域に新しいつながりをつくることを目指した住民主体のオープンな集いです。第1回のテーマは「防災」。イベントの様子はこちらから!
このイベントの発案者である、用賀商店街振興組合・小林弘忠理事長に、用賀のまちづくりについてお聞きしました。
「用賀の未来をよくしたい」
その思いはみんな持っている
「住民どうしで自由に意見交流できる場をつくりたい――」
以前より、私はそう考えていました。その背景には、いま用賀の街には明確な「ビジョン」がないこと。そして、「10年後、用賀をこんな街にしよう」という展望がないこと。特に、次世代を担う若者への危惧がありました。
また、最近、各地で地震が相次いでいます。「防災」は誰もが“自分ごと”として考えるべき課題と受け止め、改めて「私たちの街は、私たち自身で守らないといけない」と実感しています。
このような中で、我々がやるべきことは「若いリーダー」をつくり、そのリーダーを支えていくことだと考えています。「今後は、若い世代に積極的に街を引っ張ってもらいたい」。そんな思いを胸に、今回の「ようがみらいかいぎ」を開催しました。
ワークショップでは、自由かったつに意見を出し合う住民の様子を見て、とてもうれしく思いました。意見や考え方は千差万別ですが、「用賀の未来をよいものにしたい」という住民の熱い思いに胸をうたれました。
世代間の価値観は埋まらない
だからこそもっと交流するべき
「世代間をもっと連携させよう」と考えても、それを実行するのはなかなか至難の業です。たとえば、若い世代はSNSを使いこなしていますが、高齢世代は慣れていないため活用しにくい。そこには、どうしても「差」が生じてしまうのです。個人的な意見ですが、若い世代は合理的で能率重視。あまり無駄なことはしない印象があります。
でも私は、無駄のなかにこそ成功のヒントがあると見ています。これまでに、実際そういった体験もありました。だからといって、その違いを否定してはいけないとも思っています。「最近の若いものは~」という言葉を聞くことがありますが、そんなことは絶対に言ってはいけないと思うのです。
また、自分自身の価値観を変える必要はありませんが、他者の価値観を否定してはいけないと思います。個人個人、さらに世代間の価値観の相違を認めたうえで、よりよいまちづくりのため、意見交換していくことが、共生社会への一歩になるのではないでしょうか。
コミュニティーの発展には、住民どうしがコミュニケーションを深めることが必要不可欠。
街の将来を担う若い世代がやることを、高齢世代はしっかり応援することが大切だと思います。その「つながり」こそが、街を活気あふれるものにすると信じています。