現在、連続テレビ小説「おむすび」に出演中の、ピーターこと池畑慎之介さん(72歳)。1969(昭和44)年、映画『薔薇の葬列』で妖艶な美少年を演じ、センセーショナルなデビューを飾ります。歌手としても「夜と朝のあいだに」で日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞。映画『乱』では役者としての地位を確立しました。デビュー55周年を迎えた池畑さんに、これまでの歩みと元気の秘けつを伺います。
聞き手/池田ちひろこの記事は、月刊誌『ラジオ深夜便』2024年12月号(11/18発売)より抜粋して紹介しています。
「死ぬまでにやりたいノート」
──72歳になられた池畑さん。どうしてそんなにお元気で美しいんでしょう。
池畑 72ってまだまだ元気ですよ! もう老人みたいに言わないで(笑)。72番の背番号を付けた一人の役者として歌手として、バリバリ仕事しています。気持ちは「前しか向かないようにしたい」っていうのかな。
何歳だからどうこうっていう生き方を、これまでしてこなかったのでね。私、酒飲んだら昔の自慢話しかしないような人生になるのがいちばん嫌なんです。新しいこと、先のことをどんどんやりたいと思って、「死ぬまでにやりたい100のノート」を書いてるんですよ。
──やりたいことって、どんなことですか。
池畑 ささいなことです。壁紙の色を替えよう、ダイニングテーブルを新調しよう、そんな希望を全部書いておいて、やり終えたら消す。消したらまた新しいことを書きます。絶対ゼロにはならないの。
こうしていると前しか向かなくなるんですね。やりたいことがこんなにあるのに、過ぎたことに構っていられない。このノートのおかげで、ずっと前向きに生きていけるっていうのかな。いくつになったから終わりってことはないですよね。
おじさんでもおばさんでもない「オジバ」
──ご自身のことを「OZIBA」と表現されていらっしゃいますね。
池畑 20年ぐらい前だったかな、芸能界の遊び仲間に「ピーターっておじさんかおばさんか分からない。オジバだね」って言われて、そこから自分でも「オジバ」と言うようになりました。ピーターというのは、もとは16歳のころにつけられたあだ名。
芸歴が長くなるにつれて「ピーターさん」になってきたんですが、「さん」を付けられるのは嫌なのね。「池畑にして」とか、「“ピーちゃん”“ピーさん”と呼んで」とかお願いしても無理みたいで。それで「オジバ」なら呼んでもらえるかなって。でもやっぱり「オジバさん」って言われてしまうんですけど(笑)。
※この記事は2024年8月11日放送「元気なオジバが伝えることは?」を再構成したものです。
家出から映画デビュー、そして役者の道に進むきっかけとは。池畑さんのお話の続きは……月刊誌『ラジオ深夜便』12月号をご覧ください。
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