特集ドラマ「コトコト~おいしい心と出会う旅~」は、百貨店のバイヤー・ゆうひろが、日本全国の魅力的な食材を探して旅をするうち、その土地で生きる人々や、土地に根差した食材や料理に触れることで、少しずつ生きるエネルギーに満たされていく「人情グルメ物語」です。

このたび、BSでの放送日時と、音楽を光田康典さんが担当することが発表されました。さらに番組キービジュアルも完成。主演の古川雄大さんを迎え、ゆったり、ほっこりできて、明日ちょっと頑張ろうと思える、オリジナル全国各地を舞台にした心にしみわたる「人情グルメの物語」を表現しました。

発表にあたり、光田さんと、脚本の坪田文さんからコメントが届きました。


音楽/光田康典

【光田康典さんのコメント】
「食」は我々の生活にとって欠かせない重要なものです。世界を見渡しても日本は独特な食文化を育んできたまれな国だと言えるかもしれません。各地には土地柄特有の食材があり、食べ方があります。主人公の結稀宏人はそんな我々が今まで知り得なかった美味おいしい食べ物を探し求め旅を続けます。彼は言葉少なく優しい人ですが、食への探求心はとてもアグレッシブです。

今作の音楽を手がけるにあたり、そんな主人公のたたずまいから「クラリネット」という楽器が思い浮かびました。「クラリネット」という楽器は暖かい音色を奏でたかと思いきや、時に荒々しく、そしてどこか滑稽さも持ち合わせています。まさに宏人をほう彿ふつとさせる楽器だと思いました。宏人の多面性とクラリネットの音色に是非ぜひ耳を傾けていただけたらうれしいです。

また、現代社会において、美味しいものを囲み人と語り合うという人間にとって大切な時間が減りつつあります。このドラマを通して「食」や「人」の温もりや良さを存分に感じていただきたく、音楽も心温まる曲を目指して制作してまいりました。ふわっと心の奥底が温かい気持ちになっていただけたら幸いです。

【プロフィール】
みつだ・やすのり
コンポーザー / アレンジャー / プロデューサー
1972年1月21日生まれ。'92年スクウェア(現スクウェア・エニックス)入社、'95年にゲーム「クロノ・トリガー」で作曲家デビュー。「ゼノギアス」等の作曲を担当した後、'98年に独立。フリーランスで活動後、2001年にプロキオン・スタジオを設立し、同社の代表を務める。現在はテレビや映画、アニメ、ゲームなどジャンルにとらわれない多様な作曲をこなし多岐にわたり活動中。主な代表作に、ゲーム「クロノ・クロス」、「ゼノブレイド」シリーズ、「FINALFANTASY XV エピソード イグニス」、アニメ「ダンジョン飯」ほか多数。

脚本/坪田文

【坪田文さんのコメント】
正直に言いますと、最初このドラマのお話を伺った時は「日本各地の旅が出来て、名産品も食べられるだろうし。なんていい仕事だ」と、ほのぼのしておりました。が、そんなただ甘いだけの話は無いんですね。

取材と言う名の旅をして、その土地で暮らしていらっしゃる方のお話を伺って。私が何気なく触れていた各地の食材や製品の一つ一つに笑顔や涙や時には悔しい思いだってあることを知りました。そんなの当たり前のことなのに、もしかしたら当たり前だから見えなかったのかもしれません。

出会うこと、別れること、愛すること、生きること。甘さも、苦さも、しょっぱさも。時にはピリッとつらい想いも鍋に入れ、コトコトと煮込んで出来上がった物語です。完璧に描き切れてはいないと思います。どの土地も一言で言い切ることなんて出来ない、複雑な美味しさにあふれているから。

それでも、旅をしたから出会えた物語を紡ぎ合わせて描きました。

皆さまがドラマを観終わった時に「ここ、行ってみたいな」とぼんやりとでも感じて頂けたら私は本当にうれしいです。

【プロフィール】
つぼた・ふみ
恋愛、友情などの人と人との関係、心理を繊細かつ鮮やかに描写するヒューマンドラマを得意とする。ドラマ、映画、アニメなどジャンルを超えた様々な映像作品を執筆。2022年、初のオリジナルテレビドラマ「探偵ロマンス」(NHK)を手掛け、サスペンス、時代劇など更に活動範囲を広げている。

特集ドラマ「コトコト~おいしい心と出会う旅~」

【富山編】:12月 7日(土)BSP4K 午後9:00~9:59
      12月8日(日)NHK BS 午後4:30~5:29
【新潟編】:12月14日(土)BSP4K 午後9:00~9:59
      12月15日(日)NHK BS 午後4:30~5:29
富山編・新潟編:総合 2024年度 冬 ※放送日時の詳細は未定

【『富山編』のあらすじ】
その土地の「おいしい」を探して、東京の百貨店バイヤー・結稀宏人がやってきたのは、富山県・射水市。日本海にのぞむ新湊漁港を訪れると、仲買人のはる(23)と漁師のそう(23)の幼なじみの二人が、地元の魚の売り出し方をめぐってもめていた。宏人は、富山の魅力を伝えたいという遥来に案内されて食材探しへ。ところが海や山の食材を試すも「これが富山だ」というものはなかなか見つからず…。そんな中、遥来と壮太をめぐる二人の過去の出来事が明らかに!

【『新潟編』のあらすじ】
次の舞台は、新潟県十日町市。食材を探しに新潟を訪れた宏人は、縄文土器で有名な新潟にひかれて移り住んできた美羽みう(33)と出会う。美羽は雪深いこの町で孤独を抱えていた。そんな美羽は、宏人を介して十日町で長年暮らすチヅ子(80)と出会い、不思議な関係に。一方、チヅ子は大切な存在・恵菜えな(18)との別れを前にしていた。宏人は悩みを抱く3人の女性たちに特別なスープをふるまい、それぞれの凍った心を溶かす。

脚本:坪田文
音楽:光田康典
出演:古川雄大ほか
制作統括:堀内裕介
プロデューサー:田島彰洋、郷原陽介
演出:木村隆文、田島彰洋、門脇弘樹、髙橋実香