「アニソン・アカデミー」
NHK-FM 毎週土曜 午後2:00~4:00

【番組ホームページ】
https://www4.nhk.or.jp/anison-ac/
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https://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/

NHKウイークリーステラで3月まで連載していた、「アニソン・アカデミー」生徒会長(番組MC)である“しょこたん”こと中川翔子さんのコラムの特別編。長年の相棒・生徒会書記“あべし”ことあべあきらさんとの対談のステラ誌面未掲載部分を、一挙紹介します!

これからも、新しい「授業」を増やしていきたいと思います

中川 4月から「アニアカ」は放送10年目だけど、毎週やっていることで、いい曲を“養分”にして生きられている気がするんですよ。もともと好きで何回も聴いている曲でも、ラジオから聴こえてくる喜びって、格別だし。

あべ そうだね。

中川 知らない曲でも、生放送中に流れて「これ、ほしい!」と思ったら、すぐポチッと購入しちゃうし。そういうのがすごく役に立っていて、この間も民放のアニソン・クイズに出演させてもらったときに、ぶっちぎりで勝利しました(笑)。イントロ・クイズも、アニソンを図形にしてみましたみたいな問題も、余裕で答えられちゃうっていうのは、「アニアカ」が私にとっての必須栄養素になっている証し。そう思うと、ただ感謝ですね。

あべ 僕はそれほど詳しくはならなかったですね。

中川 えええ、そんなことないでしょ。新しく始まるアニメ番組を全部網羅しているの、むしろあべしなのに!

あべ ただ、アニメ視聴の積み重ねはないけれども、音楽は好きだから、ひとつひとつの曲、いい曲がアニソンの中にこんなにあるんだということを、この9年間でものすごく発見しましたね。例えば、リスナーさんから「悪ソン」、悪役が曲の主人公になったアニメソングを特集してくださいという提案があって。そういった違う視点で曲を集めて聴くと、今までとは別のアニソンの楽しみ方ができて、おもしろい世界だなと気づきました。

中川 名曲だらけでしたね、改めて聴くと。それに、曲を必ずフルサイズでかけているから。テレビのオープニングで流れていたのは、実は2番のサビの部分だったんだ、みたいな。そういう発見もあるよね。

あべ そうそう。フルで聴くと、「間奏はこんなふうに展開していたんだ」とか「こんなアレンジだったのか」とか。曲を作っている側は1コーラスから3コーラスまで全部計算して作っているのに、残念ながらアニメ番組ではだいたい1コーラスしか聴けない。それを全部聴ける、この番組の良さっていうのは大きいですよね。

中川 「アニアカ」が最高にすごいなと思ったのは、あんなにバズった「鬼滅の刃」の「紅蓮華」が最近やっとかかった、とか。世の中に対して忖度そんたくしてないというか、純粋に“推しアニソン”が集まってくる感じがありますね。去年11月放送の、すぎやまこういち先生追悼回の『ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁』もそうだけど。

あべ このゲームの、スーパーファミコン版の音源と交響曲版をかけたんだよね。それぞれ、長さが43分と52分あって。2時間の放送が、この2つでほぼ埋まりましたからね。「アニアカ」じゃなきゃ絶対できなかっただろうな。

中川 あれは、すごかった。NHKって、決まりが厳しいのかと思いきや、意外と自由だったりするなっていうのは、「アニアカ」をやっていて思いますね。

あべ 民放のようにスポンサーが時間を買っているわけではないから、おもしろくて、リスナーさんが求めるものだったら、心ゆくまでできるのがいいところだよね。ほかの番組をディスるわけじゃないけれど、「〇年のヒット曲はこれです」とか「ヒット番組の主題歌を人気シンガーが歌って」とか、それはそっちに任せておいて、「アニアカ」では埋もれていた知られざる名曲を発掘したり。でもね、本当はそういうことは、どんな音楽のジャンルでもできるのにな、と思ったりもするんですよ。例えば「演歌アカデミー」でもいいし。

中川 確かに。

あべ これからも番組発のオリジナルな聴き方だったり、単純にいい曲を見つけるという発見を、リスナーさんと一緒にしていきたいですよね。アニソンの良さを感じられるように、これからも新しい科目を、新しい授業を……。

中川 きっと、無限に増やしていけると思います!

5月5日生まれ、東京出身。2004年に開設した公式ブログ「しょこたん☆ぶろぐ」が大評判となり、アニメ・漫画・特撮・カンフーなどの豊富な知識で大きな話題を集める。2006年に歌手デビューして、翌年「空色デイズ」で「第58回NHK紅白歌合戦」に出場。俳優としてのNHKドラマ出演は、連続テレビ小説「まれ」、ドラマ10「デイジー・ラック」ほか。2011年公開のディズニー映画「塔の上のラプンツェル」(日本語吹替版)では、主人公・ラプンツェルの声を担当。4月には中国・上海での音楽ライブ出演、5月には毎年恒例のバースデーライブ開催も決定している。