2025年1月より放送の大河ドラマ「べらぼう~つたじゅうえいゆめばなし~」。江戸時代、歌麿や北斎といった浮世絵師や作家など個性豊かな才能を見いだして次々に世に送り出した出版人、“蔦重”ことつたじゅうざぶろう(横浜流星)の生涯を描きます。

このたび、新たな出演者が発表されました。


瀬川を身請けする“盲目の大富豪”

鳥山とりやま検校けんぎょう/市原隼人

当時吉原一の花魁おいらんといわれたがわ(小芝風花)を1400両で身請けをした男。“検校”というのは盲人に与えられた最高位の官位であり、鳥山は幕府の許しを得て高利貸しを行い、多額の資産を築いていた。
金の力ですべてを手に入れた鳥山であったが、唯一、妻・瀬川の心だけは、まだ自分のものにできておらず、そこに蔦重の姿を感じ取っていた……。

【市原隼人さんのコメント】
未だ謎に包まれた人物でありながら、盲人組織当道座における最高位である鳥山検校を演じさせていただきます。

生まれ持った運命により与えられた人生の良し悪しをどう感じるかは己次第であり、理屈では説明できない鳥山検校の人恋しさを埋めるものは何なのか? 検校と同じ境遇に在る全ての人や物事に敬意を払い務めさせていただきます。

(共演者とは)現場で芝居を通してやりとりをすることを楽しみにしています。自分でも現場に入らないとどうなるかわからないほど、今までの大河ドラマにない人物像であると感じています。撮影本番に向けてしっかりと準備を行い、出演のときをお楽しみいただけるよう努めてまいります。


平賀源内と行動を共にする“浪人”

しんすけ/井之脇海

御家人の三男坊として生まれたが、とある理由で出奔。平賀源内とともに「炭売り」をしながら長屋で暮らしている。蔦重に連れられて案内された吉原の女郎屋・松葉屋で、うつせみ(小野花梨)と運命の出会いを果たすことに……。

【井之脇海​さんのコメント】
4回目の大河ドラマですが、いつも大河の現場は豪華なキャストに囲まれて、埋もれないようにらいつくのに必死なので、今回も芝居モンスターたちに負けないよう頑張ります。

横浜(流星)さんは芝居にとてもしんで、いつも空き時間に、どちらからともなく台詞せりふ合わせが始まって、何度も何度も練習をしています。その甲斐かいあって、いつも良い状態で本番で演じられています。誰よりも作品に真摯に向き合う座長をみて、間違いなく良い作品になると確信しています。そんな座長をクランクアップまで、みんなで支えながら走り抜けたいです。

注目してほしいのは、序盤はうつせみとの不器用な2人の恋模様です。新之助の優しさとまっすぐさ、そして遊女と浪人の禁断の恋を、見守っていただけたらうれしいです。


蔦重の義理の母で、“駿河屋の女将”

ふじ/飯島直子 ※大河ドラマ初出演

蔦重の義理の母。駿河屋(高橋克実)の妻で、引手茶屋の女将。蔦重はじめ身寄りのない子供たちを育て見守る慈愛の人で、実の子である次郎兵衛(中村蒼)を溺愛できあいしている。

【飯島直子さんのコメント】
「大河ドラマ」、私には縁がないと思っていたので驚きと光栄でいっぱいです。長丁場でありますがキャスト、スタッフの皆様と心に残る素晴すばらしい作品にしたいとやる気しかありません!

錚々そうそうたるキャスト全員とお会いする事はできないと思いますが……ご縁あり初めてお会いできる方とお芝居できる事を楽しみにしています。

いつもまんじゅうや煎餅せんべいを食べ、多くを語らず少しとぼけたところのある女将おかみですが、ポツリと話すその一言が胸にみるよう演じていきたいです、その一言が現代に生きる皆さんのココロにも響きますよう頑張りますので、よろしくお願いします!


松葉屋の「番頭新造」

とよしま/珠城りょう ※大河ドラマ初出演

女郎屋・松葉屋(正名僕蔵)、いね(水野美紀)のもとで、禿かむろや振袖新造の教育係である「番頭新造」を務める姉貴分。今は花の井(後の瀬川/小芝風花)について、身の回りの世話も務めている。

珠城りょうさんのコメント】
いつかその時が来たらいいなと夢を抱き、目標にしていた大河ドラマへの出演。お話しをいただいた時は胸が高鳴り、鼓動が速くなったのを覚えています。とても嬉しかったです!

共演が楽しみだった方は小芝風花さん。俳優としてさまざまな役柄を幅広く演じられている一方で、普段はカラッと明るくてわいらしい印象がある方なので実際にお会いするのが楽しみでした。横浜(流星)さん、小芝さん、力のあるお二人が現場でどのように役に入っていかれるのか、それを側で見られることをとても楽しみにしています。

今回このお話をいただいて、私自身、新造が三つの階級に分けられていることや「番頭新造」と呼ばれる遊女がいたということを初めて知りました。身請けされないまま年季を過ぎてもくるわ内で働けるというのは一目置かれる理由があるので、この時代に力強く生きた女性が確かにそこにいたということを少しでも表現できればと思っています。


鱗形屋の番頭

藤八とうはち/徳井優

江戸の地本問屋・うろこがた孫兵衛(片岡愛之助)を助ける番頭。先代のころから鱗形屋を支えてきた。明和の大火事で多くの板木を失い、経営的に厳しくなった店を立て直すために、とある策を思いつく……。

【徳井優さんのコメント】
(大河ドラマに2年)「続けて出ていいのかな?」
横浜流星さんは、過去に2度、ご一緒したことがあります。ひたむきに演じられる方だなーと思っています。

片岡愛之助さんとはご縁がありまして、私の初めてのテレビ出演作品「欲しがりません勝つまでは」(1979年/NHK)に愛之助さんも出演されていました(共演シーンはありませんでしたが)。そして2017年に舞台『コメディ・トゥナイト!』でしっかりと共演でき、とても楽しかったので、今回の共演が嬉しいです。

地味で目立たない役どころなので(笑)、みなさまには目を凝らして探しながらご覧いただきたいです。


「鱗形屋」の跡取り息子

うろこがた長兵衛ちょうべえ/三浦獠太 ※大河ドラマ初出演

江戸の地本問屋・鱗形屋孫兵衛の長男で跡取り息子。曽祖父の代から赤本・青本を手掛けた江戸の本屋の跡取り息子としての自負を持つ。

【三浦獠太​さんのコメント】
大河ドラマ含め日本の時代劇は大きな目標の一つでもあったので、決まった時はとにかく嬉しかったです。初めての大河ドラマなので、とても緊張しているのですが、自分にしかできない長兵衛を表現できたらなと思います! 今回は直接的な資料が少なかったりもするので、時代の背景などを勉強し、自分の中でも想像力を膨らませながら役と向き合えたらいいなと思います!

今回は片岡愛之助さんの息子役ということもあり、愛之助さんとのシーンはとても楽しみですし、いろんな時代を生きてきた方だと思うので、現場でたくさん学び自分の中に取り入れていきたいです。

いろいろなことが変わりゆくこの時代の中で、鱗形屋もたくさんの問題に巻き込まれていきます。そういったこの時代での葛藤を家族で抱えていく様を見ている方々に伝えられたらいいなと思っています!


葛飾北斎の師匠で、当代一の役者絵師

勝川かつかわしゅんしょう/前野朋哉

蔦重が手掛けた「青楼美人合姿鏡」を北尾重政(橋本淳)とともに描いた当代一の役者絵師。のちに葛飾北斎など多くの弟子を抱え、役者似顔絵を得意とする勝川派の代表となり、喜多川歌麿(染谷将太)の「美人画」や写楽の「大首絵」に大きな影響を与えることになる。

【​前野朋哉さんのコメント】
今作はビジネスの面も丁寧に描かれた時代劇だと思っています。蔦屋重三郎が沢山の人を巻き込んで面白いプロジェクトを仕掛けていくので、春章もそのうねりに絵師としてノっていきたいです。

横浜流星さん、勝川春章の「しゅんしょう」が言いづらいらしく、本番前も復唱していました。なんかちょっと申し訳なくなりましたが、「しゅんしょう」って確かに言いにくいんです。そんなかわいい横浜さんに現場では笑いも起こり、とてもいい雰囲気です。共演が楽しみなのは北尾重政役の橋本淳さんです。実は北尾重政と勝川春章は斜め向かいに住んでいたご近所さん! 橋本さんとは歳も近いですし、同じシーンも多いと思うので、2人で楽しく絵師を演じたいと思います。

江戸時代中期、文化が豊かで活発だった時代でもあります、浮世絵もその一つ。当時の「絵師」というお仕事を現代のお仕事に置き換えて観てみるのも楽しいかもしれません。例えば、絵師が今の漫画家なら蔦屋さんは編集長? 編集? いや営業も宣伝もやってるか……? オンエア後は身近な人と話して、より作品の魅力を深掘りしてみてください。


蔦重初期の錦絵、『雛形若菜初模様』を手掛けた絵師

いそりゅうさい/鉄拳 ※大河ドラマ初出演

蔦重が企画して、西村屋与八(西村まさ彦)とともに出版した『雛形若菜初模様』の絵師。吉原の遊女たちに新しいデザインの着物を着せて描いた雛形本の浮世絵版の先駆けとして、当時の女性たちの関心を集めることになる。

【鉄拳​さんのコメント】
大河ドラマは特に戦国ものが好きで良く観ていました。あり得ない事ですが、自分が出演出来たらどうなるのか?と、よく想像をしていました。その大河から出演依頼をいただきとてもビックリしたと共に、こんな名誉な事はもうないだろうと思い、出演を決めました。あと僕の役、礒田湖龍斎が絵師である事も、何か縁があるのかなと思いました。演技は自信がないですが、絵を描くのは得意なので、絵を描く姿の僕を見てもらいたいです。

横浜流星さんとは一度ご挨拶をさせて頂いたのですが、礼儀正しく、そして何よりカッコよかったです。僕が帰る時も休憩中なのにわざわざご挨拶をしてくれました。ほとんどの方が初対面なので緊張します。他の方に迷惑をかけない様に、出来れば撮影は1人が良いです。でも皆さんとお話しはしたいー。

僕は滑舌も悪いですし、演技も自信がないので、出来れば絵を描く所をよく見ていただきたいと思っています。そのために僕は今、湖龍斎の浮世絵を練習中です。


御三卿・清水徳川家当主

みず重好しげよし/落合モトキ ※大河ドラマ初出演

10代将軍・家治(眞島秀和)の弟でさんきょう・清水家の初代当主。賢丸まさまる(寺田心)の田安、一橋治済はるさだ(生田斗真)の一橋と並ぶ御三卿の一人。家治の子・家基(奥智哉)が健やかに育ち、安泰と思われていた11代将軍の座であったが、家基が若くして突然亡くなったことで、御三卿の周辺も慌ただしくなる……。

【​落合モトキさんのコメント】
祖母が大好きな大河ドラマ。毎週欠かさずに観ています。祖母に出演する事を報告したらすごく喜んでくれました。この歴史ある“大河ドラマ”という作品に参加できること、役者をやらせて頂いている中で非常に光栄に思います。全力で頑張りたいと思います。

やはり撮影初日はかなり緊張していました。偉大な諸先輩方の役者に囲まれて。でも後輩の私に気さくに話しかけていただきました! スタッフさん達の空気感もすごく良く、ご一緒できるのが嬉しいです。

監督からは役柄について色々なアドバイスをいただきました。お話する前までは役柄について色々考え込んでましたが、「肩の力を抜いて重好を演じていいから」とおっしゃっていただいたのがすごく支えになっています。ただ自分が作り出す清水重好という役を精一杯演じられるよう頑張ります。


一橋家の家老となった意次のおい

ぬま意致おきむね/宮尾俊太郎 ※大河ドラマ初出演

田沼意次おきつぐ(渡辺謙)の甥で、10代将軍・家治の嫡男・家基について西の丸目付となり、その後一橋家の家老となる。田沼と一橋をつなぐ役目を果たし、治済の子・豊千代の11代将軍就任に尽力することとなる……。

【​宮尾俊太郎さんのコメント】
幼少の頃より家族でテレビの前に集まり拝見しておりましたので大変嬉しく、また視聴者の方々から長く愛され続けている大河ドラマに出演させていただける事、大変光栄に感じております。

横浜流星さんはその甘いマスクの中におとこのようなものを感じます。田沼意次役の渡辺謙さん、田沼意知おきとも役の宮沢氷魚さんとは同じ田沼家として共演させていただくこと楽しみにしております。

田沼意致は、どのような想いで動いていたのか、また田沼派が失脚した後、時を経て再登用されておりますが、その内側はいかに……史実とスタッフさん、共演者の方々と共にその人物像を描き出していけたらと思っております。


松平定信を育てた“母”

宝蓮院ほうれんいん/花總まり

御三卿・田安徳川家初代当主・宗武の正室。のちに松平定信となる賢丸を、白河松平家の名君、「寛政の改革」を行った老中となるまでに育てた「母」。宗武の七女・種姫を次期将軍となる家基の正室にするため、10代将軍・家治の養女として送り込むのだが……。

【​花總まりさんのコメント】
(「べらぼう」出演について)歴史ある大河ドラマに再び出演することができるという嬉しい気持ちでいっぱいになりました。与えていただいた役割をしっかり努めたいです。

初めてお会いする方がたくさんいらっしゃるので楽しみです。すっかり大きくなられた寺田心さんと親子ということで特に楽しみにしています。

(宝蓮院は)名門の家の妻として徳川に対してとても誇りを持っている人物ですので、男子が少ない田安家を続けていくという意識が強いかなり気位の高い人物として演じてみたいです。


2025年大河ドラマ「べらぼう~つたじゅうえいゆめばなし~」

2025年1月5日(日)スタート
毎週日曜 総合 午後8:00~8:45ほか

作:森下佳子
主演:横浜流星(蔦屋重三郎役)

制作統括:藤並英樹、石村将太
プロデューサー:松田恭典、藤原敬久、積田有希
演出:大原拓、深川貴志、小谷高義、新田真三
公式 Xアカウント:@berabou_nhk