「深夜便のうた」は、大人が口ずさめる歌を「ラジオ深夜便」から発信しようと、2006年に始まりました。2か月に1曲、新曲をリスナーにお届けしています。2023年6月、7月放送のうたは、鈴木マツヲさんが歌う「恋人と別れる日の過ごしかた」です。
「恋人と別れる日の過ごしかた」
作詞・作曲:鈴木慶一 編曲:鈴木マツヲ
鈴木マツヲさん メッセージ
60代の後半になったとき、死ぬまでにやっておきたいと思ったことの一つが松尾清憲くんとユニットを組むことでした。2人で往年の、ヒットを1曲出して消えていった人たちをイメージして詞曲を作ろうとスタートしたので、曲にも詞にもそういった意味が込められています。本作はイントロは短く、いきなりいいメロディーが登場するように、そして歌詞は今の2人はかつてと違ってしまっただろうか、同じところもあるだろうかと、かつてと今の行ったり来たりをエレベーターの中で互いに感じている状況を描いてみました。なんかいい曲できちゃったぞという印象です。「深夜便のうた」になれて、うれしいったらありゃしないです。
(鈴木慶一・写真左)
学生のころは音楽にしても、流行にしても、深夜のラジオが僕にとっていちばんの情報源でした。ワクワクした気持ちでラジオの前で夜を過ごしていました。今は音楽も視覚的なものが先行しがちですが、音楽はやはり耳で聴いてすばらしいものが最高だと思います。なので、毎晩、深夜ラジオから僕らの歌が流れ、リスナーの皆さんにお届けできるのはとてもうれしく、光栄です。
(松尾清憲・写真右)
鈴木慶一、松尾清憲の2人からなるユニット。ともに1951(昭和26)年生まれで、同時代を生きてきた2人が昨年満を持してレコーディングを開始。2人の名前からつけたユニット名は、敬愛する劇作家・演出家・俳優の松尾スズキ氏へのオマージュでもある。
まつお・きよのり
1980年、バンド「CINEMA」のメンバーとして「グッバイ・ハートブレイク」でデビュー。’84年に「愛しのロージー」でソロデビュー。活動と並行して、鈴木雅之への「恋人」をはじめ、多くのアーティストに楽曲を提供している。
すずき・けいいち
1970年ごろから音楽活動を始め、バンド「はちみつぱい」を結成。’75年には「ムーンライダーズ」を結成し、翌年アルバム『火の玉ボーイ』でデビュー。以来、現在に至るまでバンド活動を続けるかたわら、数多くのCM、映画音楽などにも関わる。
取材・文/河上いつ子
(月刊誌『ラジオ深夜便 』2023年6月号より。本誌では「恋人と別れる日の過ごしかた」の歌詞もお読みいただけます)
「恋人と別れる日の過ごしかた」は、ラジオ深夜便の放送と、らじる★らじるの聴き逃しで聴くことができます。らじる★らじるの聴き逃しは、こちらから。
(6月から7月までの毎日、1時台の終盤で流れます)
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