かなりいまさらの話なのですが、昨年の秋アニメ『TIGER & BUNNY 2』の地上波放送が無事最終回を迎えました。最後まで応援してくださった皆さんありがとうございました。
本当は最終回直後に書きたかったことなんですけど、前回書いたようにバタバタな日々が続いておりまして途中まで書いたまま機会を逸しておりました。タイミングを逃してしまったし、もうこのまま表に出すのはやめておこうかななんて思っていたのですが、やっぱり改めて伝えておきたいなと思い、最後まで書き上げた次第です。
さて、以前この連載でも書かせてもらいましたが、私の脚本家人生の大半はタイバニと共にありました。
なので仕事のことを振り返る時に、タイバニがどういう時期であったかを基準で考えたりします。そんな作品が一旦、ひと区切りがついたこともあり、なんとなくそわそわと落ち着かない日々です。毎年買っていたタイバニの手帳も2024年は販売されず(ですよね?私が見落としていたらすみません)、事あるごとに寂しさを感じたりしております。
昨年は公私ともに本当にバタバタで、特に下半期はアニメ放送をリアタイできなかったり、二期に合わせてヒーローたちの誕生日がせっかく発表になったのにお祝いし忘れたりしてしまいました。地上波放送を楽しみ切れなかった、ファンの皆さんともっと盛り上がりたかったと、正直、心残りも多い、不完全燃焼! という気持ちもあったりしています。
もちろん私が知らないだけで作品が何か動いているかもしれませんし(その場合は、どうかお願いですから脚本で呼んでください)、ありがたいことに私はまだ漫画連載という形でタイバニに関わらせていただいています(連載が滞っているのは100%私のせいです。ごめんなさい)。
そんな状態の私が、こんな時間を空けて今更何を書き残したいかというと
「色々あったけど本当に楽しかったね、ありがとう!!」
「作品と一緒に私たちと歩いてくれた皆さんの幸せを、この先ずっと祈っています」
この二つです。同じようなことをSNSでも散々言ってきているだろうって思われるかもしれないけど、やっぱりきちんと言いたいんです。
こんなに長い間、ひとつの作品に関われることなんて滅多にない経験で、それは応援してくれた皆さんあってのことです。どの作品でも応援してくださる皆さんのことは大切なんですけど、タイバニをずっと応援してくれる皆さんには、やっぱり特別な気持ちがあります。みなさんのお陰で、私は沢山の幸せと作家としての自信を貰えた実感があります。本当に本当にありがとうございました。
グッときた言葉にあげたのは
広がり続ける星空に僕らは今を誇れるか?
OP主題歌「kaleido proud fiesta」の一番好きなフレーズです。
UNISON SQUARE GARDENさんが作る楽曲は作品にいつも寄り添ってくれて、全てが最高でグッとくるんですが、私はこのフレーズが大好きです。
この先も人生は続いて広がり続けていく中で、今を誇れるようにありたいなと私は思っています。タイバニでもタイバニじゃなくても、自分が関わった作品を通して応援してくださった皆さんを楽しませられるよう頑張り続けます。人間なので失敗や間違いも絶対起こすだろうけれど、作品に恥じない作品を汚さない作家人生を歩んでいきたいです。
そして応援してくれた皆さん、今も応援してくれている皆さんにとってタイバニがこの先も心を躍らせたり明るくしたりできる作品であったらいいな。作品の存在が心から徐々に薄くなっていっても皆さんの今がハッピーなこと、ハッピーじゃなくても「まぁ悪くないな」って感じであったらいいな。そんな風に思っております。たかが脚本家の一人が何を言ってんだと思うかもしれませんが、まぁそんな風に幸せを祈らせてください。
あと、なんだか最後の挨拶感が出ていますけど「ココデオワルハズガナイノニ」って思っていますからね! 集合がかかった時は、またみんなでワイワイしましょう~。
1987年生まれ、神奈川県出身。脚本家・小説家として活躍。主な執筆作品は、「DASADA」「声春っ!」(日本テレビ系)、「花のち晴れ~花男 Next Season」「Heaven?~ご苦楽レストラン」「君の花になる」(TBS系)、映画『ヒロイン失格』、『センセイ君主』など。NHK「恋せぬふたり」で第40回向田邦子賞を受賞。