「アニソン・アカデミー」生徒会長(番組MC)の“しょこたん”こと中川翔子による連載コラム。今回は、新型コロナウイルス感染拡大防止のためにスタジオでの生放送がお休みになった期間の、「家庭学習スペシャル」を中心に語ります!

2020年6月6日放送の「アニソン・アカデミー」は、久しぶりにNHK505スタジオからの生放送になりました。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、およそ2か月の間、生放送ができなかったのですが、元気そうなあべし*やスタッフさんに会えて感激。

そして放送開始と同時に、リスナーのみなさんが「生だー! うれしい!!」とSNSで反応してくれて、この番組がみなさんに支えられていることを改めて実感する放送になりました。アニソンは心の免疫力を高める魔法だから、コロナに負けないように、この場所を守っていきたい!

生放送じゃない間の「アニソン・アカデミー」は“おうち収録”で、スマートフォンで声をっていました。そばにあべしもいないし、いつものスタジオじゃないから、最初はすごく不安で。

「アニアカ」はリスナーのみなさんと毎週毎週積み重ねてきた、「アニソンって、最高だよね!」って言い合える大切な場所だったから、生放送でやれないとしたら、どうなるんだろうって心配だったんですよ。

でも、全っ然、大丈夫でした。リスナーのみなさんも盛り上がって、毎週トレンドに入ったりとか。そして「家庭学習スペシャル」と題して、水木一郎アニキ、堀江美都子さん、串田アキラさんの曲を流しまくったのですが、その楽曲は、私が子どものころに聴いていた&今もずっと聴いている、つまりは一生聴くであろう曲たち。意外と語り切れていなかったのかもしれない、と思えるくらいにしゃべることがありました。

例えば、私が串田さんの曲でいちばん好きなのは、「機動刑事ジバン」のエンディング曲の『未来あした予報はいつも晴れ』なのですが、この曲は私の子守歌だったので、聴くとまるで故郷に帰ったような、もう取り壊してしまった実家にいるような気持ちに、いつでもなれるんですよ。

聴くたびにタイムスリップしながら、大事な場所に帰れるような感じ。一枚の写真を見る以上に、当時の空気感まで思い出せるのは、なんて尊いことなんだろうと思います。

そんな話を、ときには歌いながら(←ヲタクの面倒くさいところで、我慢できなくて、つい歌っちゃうんですよね)、させていただきました。後ろに流れているベースの音がかっこいいとか、ここはトランペットに集中して耳を傾けたいとか、いろんな楽しみ方ができることも時間のかぎりしゃべることができたので、相当“濃い”放送になっていたと思います(笑)。

でもね。「アニアカ」には、やっぱり、あべしがいてくれないと。私は、好きな曲になると手放しで褒めたくなって、「ここがこうで」って、手短に話そうとするとまた早口になって、暴走気味になってしまう。

それをあべしが、手際よく「では次の曲」みたいな感じで進めてくれていたんだなぁと改めて感じました。あべしは私の癒やしであり、ストッパーですね。

*あべし…「アニソン・アカデミー」生徒会書記を務める、放送作家、シンガーソングライターのあべあきら。

5月5日生まれ、東京出身。2004年に開設した公式ブログ「しょこたん☆ぶろぐ」が大評判となり、アニメ・漫画・特撮・カンフーなどの豊富な知識で大きな話題を集める。2006年に歌手デビューして、翌年「空色デイズ」で「第58回NHK紅白歌合戦」に出場。俳優としてのNHKドラマ出演は、連続テレビ小説「まれ」、ドラマ10「デイジー・ラック」ほか。2011年公開のディズニー映画「塔の上のラプンツェル」(日本語吹替版)では、主人公・ラプンツェルの声を担当。4月には中国・上海での音楽ライブ出演、5月には毎年恒例のバースデーライブ開催も決定している。

(NHKウイークリーステラ 2020年7月3日号より)