よしながふみ原作の“男女逆転”大奥の世界をリアルに実写化したドラマ10「大奥」。2023年10月からスタートしたSeason2の放送が佳境を迎える中、11月30日に、東京・NHKホールで「ドラマ10『大奥』Season2 ファンミーティング」が開催された。今回、そのイベントの模様をご紹介。

登壇したのは、古川雄大さん(瀧山役)、愛希れいかさん(徳川家定役)、瀧内公美さん(阿部正弘役)、岸井ゆきのさん(和宮役)、志田彩良さん(徳川家茂役)、福士蒼汰さん(胤篤/天璋院役)の6名。司会は、杉浦友紀アナウンサーが務めた。6,341通の応募から当選した2,226人の「大奥ファン」が集まった。

左から、岸井ゆきの、志田彩良、古川雄大、福士蒼汰、愛希れいか、瀧内公美

古川雄大「点滴を涙で放出してしまうくらい、泣きました(笑)」

6人はそれぞれ、役どころや印象の残っているシーンについてトークを展開。

阿部正弘(瀧内公美)と家定(愛希れいか)の別れのシーンが会場に流れると、瀧内は「言葉にはしにくいですね…。自分の気持ちを最後に伝えられることができて幸せなシーンだと思いました」、愛希は「あ~泣いちゃう」と目を潤ませながら「大切な人を失うのが、家定は初めてのこと。この日1日ずっと泣いていました」と、それぞれ思いをはせた。

シーンを振り返り、思わず感極まる瀧内公美(写真左)と愛希れいか(写真右)

瀧山を演じる古川雄大は、「完成映像を見て号泣しました。そのとき点滴を打ちながら見ていたので、点滴のエネルギーを涙で放出してしまうくらい、泣きました(笑)」と語り、会場の笑いを誘った。

「完成映像を見て号泣した」という古川雄大(写真右)の突然の告白に、福士蒼汰(写真中央)も笑顔に


続いて流れたのが、家定が「私はそなたが好きなのだ」と胤篤(福士蒼汰)に思いを伝えるシーン。

胤篤と家定は互いの思いを確かめ合う(第18回)。

福士は「原作を読んだときもすごく心に残っていたシーン。愛希さんのすばらしいお芝居も間近で見られてとてもよかったです」と振り返ると、
愛希は「胤篤は、人の心を開くのがうまいですよね。家定はわりと早い段階で胤篤に惹かれていたのではないかなと思います」と役への思いを明かした。


そして、徳川家茂を演じる志田彩良が印象に残ったシーンは、家茂が和宮の過去を知った場面。

和宮の過去が明らかになった第19回のシーン(左から天璋院、家茂、和宮、瀧山)

「台本を何度読んでも、涙してしまう場面でした。現場ではド緊張してしまったのですが、岸井さん演じる和宮様にたくさん救われました。とても思い出深いシーンです」と志田が撮影を思い返す。

岸井も「この場面で和宮は泣いてはいけなかったので、きつかったですね(笑)。ようやく信じられる人に出会った和宮の思いを考えると…、今でも思い出すと泣きそうになります」と語り、「『大奥』は泣かなきゃいけないシーンはなくて、もう泣いてしまうんですよね」と作品全体の魅力を熱弁した。

今後出番も多くある志田彩良(写真左)と岸井ゆきの。「話すとなんでもネタバレになりそう」と配慮しながらトークする姿が印象的だった

印象に残った・演じたいキャラクターは?

続いてのテーマは、「大奥」の登場人物で他に演じたい(印象に残った)キャラクター。

古川が演じたいキャラクターは、味方良介演じる勝海舟だという。その理由を、古川は「豪快に道を切り開いていくかっこいい人物をこれまで演じることはあまりなかったので、ぜひやってみたいなと思います」と明かした。


愛希と瀧内が印象に残った人物として挙げたのが、村雨辰剛演じる青沼

「青沼のまっすぐさが本当に胸に響きましたね。テレビの前で私も『ありがとうございました』と伝えました」(愛希)
「不条理なことがあっても、自分を貫き通す姿が本当に好きです」(瀧内)


続けて岸井は鈴木杏演じる平賀源内、志田は仲間由紀恵演じる一橋治済を演じてみたいと回答。

岸井が「発明家でもあり、人にさまざまな影響を与えた源内を鈴木杏さんがすてきに演じられていました。そんなハツラツとした明るい源内を私も演じたいです」と話すと、他の共演者からは「源内役、似合いそう」という声が。会場も拍手で応えると岸井は「またドラマ化されるときは立候補します!」と照れながら決意表明した。

また志田は、治済を演じたい理由について、「いろんなトラウマを視聴者に植え付ける、こんなに印象的なキャラクターは他にいないですよね。いつか役者として成長できたときに挑戦してみたいです。とにかく楽しそうに、ニコニコで演じたいですね」と告白。すると瀧内が「ニコニコで子供を踏んづけたらと思うと…怖すぎる(笑)」と穏やかにツッコむ。


そして福士が演じたいキャラクターとして挙げたのが、玉置玲央演じる黒木と、古川雄大演じる瀧山

その理由について、福士は「黒木は、実直な生き方がすごくかっこいいですよね。最期の雨に打たれるシーンなんてとてもフォトジェニックで。瀧山もめちゃくちゃかっこよくて。黒い流水門、着たかったですね(笑)。2人とも裏でしっかり支える姿がすてきです」と答えると、古川は「ありがとうございます。言われてみると、黒木と似ている部分は確かにあるように思います」と笑顔で返した。


最後に、6人それぞれが感じる「大奥」という作品の魅力を語り、イベントは締めくくられた。

古川「人を思う、人を愛する、様々な形が描かれている。総じて言えるのはどれも美しいということです」
愛希「ジェンダーを超えた愛と絆が、魅力だと思います」
瀧内「男女逆転したことによって、当時の社会問題に新たな視点で斬り込んでいるところが好きですね」
岸井「歴史は箇条書きで語られることが多いですが、このドラマには歴史の“人情”が感じられる。時代は違うけれど感情移入しやすい、すばらしい作品だと思います」
志田「スタッフの皆さんの愛がすごいのが、作品の魅力。1シーン1シーン大切に作っているからこそ、たくさんの人に愛される作品になっていると感じました」
福士「愛や憎しみなど、現代に通ずることがとても美しく描かれています。そんな普遍的な人間性を描いていることが魅力だと思います」


このファンミーティングの模様は、12月9日(土)午後5時30分からNHK総合で放送される予定(再放送は12日(火)午前1時20分※月曜深夜)こちらもお楽しみに!