NHK-FMの人気番組「アニソン・アカデミー」で生徒会長(番組MC)を務めている“しょこたん”こと中川翔子さんの連載コラム。
今回は、現在も配信されているEテレ番組「NHKアカデミア」や、ことし1年で大きく変わった日々について振り返ります。


♪トゥットゥル~。中川翔子です。

家庭裁判所に申請した改名が認められて、本名が「しようこ」から「翔子」に変わった中川翔子です。デビューしてからファンの皆様に育ててもらった「翔子」を、本名に逆輸入させていただきました! これからも、この名前を大事にして生きていきたいと思っています。

すこし前の話になりますが、10月には、私が大好きなホラー漫画家・伊藤潤二先生が講師を務められたEテレの「NHKアカデミア」に、進行&インタビュアーとして出演させていただきました。この番組は、放送された内容が「NHKラーニング」のアーカイブスとして残るので、今もこちらで視聴することができます。

伊藤先生とは、私生活でも親子で仲良くさせていただいているので、気負わずに、すごく自然に収録に臨むことができました。と同時に、いつもは聞きにくいことも「ファンとして」思いっきり聞いていい時間ということもあって、とても貴重な機会でしたね。先生の作品を好きな人がたくさん講義に参加してくださって、そのお顔を見ながら番組を進めていくという構成もおもしろかったし、その講義が滞りなく進むようにアシストしつつ、そこで気がついた私の質問も入れたい、みたいな感じで、お仕事というよりも一ファンとして楽しめた気がします。

日本にはいろんなカルチャーがある中で、ホラー漫画というのは特別なもので、絶対になきゃいけないものだと私は思っています。楳図かずお先生、古賀新一先生、つのだじろう先生というレジェンドの先生方がいらっしゃって、そして伊藤先生が時代のど真ん中でずっと描き続けてくださっているのは、凄いことだと思うんですよ。

これは声優さんやアニソン歌手の方たちに対しても思うのですが、最前線で活躍しているレジェンドたちって、「いてくれて当たり前」感があるじゃないですか。だから、もっとリスペクトして、もっと頻繁に表彰すべきだと思っているんです。むしろ、海外のほうが、ちゃんとそれをやってくれている。伊藤先生が漫画界のアカデミー賞と呼ばれる「アイズナー賞」を過去4回も受賞されているということは、人類にとって必要な、すばらしい文化を生み出してくださる特別な方ということ。

これから「富江」や「うずまき」を知る人や、映画やアニメから原作に入ってくる人、次の世代の人たちも絶対に出会う存在だと思うので、先生の発想の秘密や生の肉声を、こうしてアーカイブスとして残せるのは、すばらしいことだと思います。

先生は、常に新しい試みを続けて、油絵も描いていらっしゃっていて。私自身も油絵をたくさん描くことが夢なので、先生の肉筆の油絵を見ることができたのも、すごくうれしかったですね。

さて、このコラムが掲載されるのは12月。ことしも「アニソン・アカデミー」では、いろんな講師の方をお招きして、もう語り切れないくらいの思い出が出来ました。例えば「アニアカ」が始まってから、歴代でも1、2を争うくらいリクエストと反響をいただいた「ウルトラマン」シリーズの楽曲特集とか。私は特ソンも大好きで「アニアカ」でもたくさん紹介してきたのですが、「ウルトラマン」についてはそんなに詳しくなくて、登場シーンの曲のことを「ワンダバ」って表現するとか、知らなかったんですよね。

でも深掘りしがいのあるテーマだし、これをきっかけに「ウルトラマンブレーザー」も見るようになりました。「機動戦士ガンダム」シリーズもそうだけど、「アニアカ」は、いろんな作品に入るきっかけをくれますね。それこそ、最初は特ソンも「アニソンとは別」みたいな感じだったけれど、だんだん友好条約が結ばれて、いよいよ「ウルトラマン」にも開国した、みたいな(笑)。

私自身も芸能生活20周年で、これまでお話ししてきたように「しょこたんフェス」やライブツアー、新曲の発表など、たくさんイベントを行ってきました。プライベートでは、人生の天地がひっくり返るくらいの出来事もありましたが(笑)。でも、いまだにそれに慣れていない感じがするんですよね。今までって仕事のことしか頭になくて、それこそ昼夜が逆転しようが気合いで乗り切る、みたいに仕事のことしか考えていなかったんですよ。だから、ちょっとしんどいことがあると気持ちがグラグラしちゃってた……。

だけど私生活が大きく変わった分、まず自分がちゃんと元気で、健康で、幸せでいること、そのうえで仕事を頑張る、みたいに意識が変わりました。まず人生があって、そして仕事もあるという「二刀流」になった感じですね。自分でもびっくりするくらい感覚が変わって、今も変わっている最中なので、日々「健康と幸せを守って、心が豊かであってこそ頑張れるんだな」というふうに思いながら過ごしています。

5月5日生まれ、東京出身。2004年に開設した公式ブログ「しょこたん☆ぶろぐ」が大評判となり、アニメ・漫画・特撮・カンフーなどの豊富な知識で大きな話題を集める。2006年に歌手デビューして、翌年「空色デイズ」で「第58回NHK紅白歌合戦」に出場。NHKでは、連続テレビ小説「まれ」、ドラマ10「デイジー・ラック」などに俳優として出演。直近では、Eテレ「おとなりさんはなやんでる。」に出演し、総合テレビ「シャンシャンに会いたい」でナレーションを担当。2011年公開のディズニー映画「塔の上のラプンツェル」(日本語吹替版)では、ラプンツェルの声を担当した。

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