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3月、4年ぶりの海外旅行をしました。お隣の国、韓国に。ソウルオリンピック開会式の中継、キム・ デジュン(金大中)大統領インタビュー、KBS日本語放送アナウンサーの指導などの仕事を含め10回以上訪ねている韓国。今回はそんな身近な国に到着するまでが大変でした。
コロナ禍、徐々に海外旅行の手続きは簡略化されてきたものの、3月は入国にあたり事前にK-ETAという電子旅行許可書の申請が必要でした。顔写真とパスポート写真を指定どおりのサイズにして送信するのに悪戦苦闘。友人の助けを借りて何とか申請するまでに2時間かかりました。
当日、羽田空港に行く途中恐ろしい経験を。モノレール浜松町駅のホームに向かうエスカレーターで、突然前に立っていた70歳くらいの男性が「すいません」と後ろに倒れてきたのです。スーツケースが後ろに飛ばされ、私も男性の体重を支え切れずバランスを崩しましたが、咄嗟に体を180度回転させ、2、3段落ちかけたところで、その段にいた男性ががしっと支えてくださり、スーツケースもほかの方が止めてくれました。倒れてきた男性はちょうど私の横を歩いて上がっていた男性が抱え上げて立つことができました。
体勢を立て直した男性はまた私の前に立ちましたが、降りる間際、再び「すいません」と今度は横に倒れてしまったのです。避けることができない私のスーツケースが偶然、男性の体を踊り場のほうに押し出したため、男性は境目に巻き込まれず後続の人に踏まれることなく、また別の方に抱き上げられ、そのままホームに。ほんの2、3分のことで、皆何事もなかったかのように電車に乗り込んでいきましたが、一つ間違えば、将棋倒しの大事故になるところ。日常に潜む危険を再認識しました。
その後、搭乗まで検疫申告のためのQ-codeの入力に四苦八苦。ようやく金浦空港に着いたときには心底ほっとしました。久々の韓国は、驚きの物価高でしたが、どこに行っても活気があり、おいしい食事も満喫しました。
(もりた・みゆき 第2土曜担当)
※この記事は、月刊誌『ラジオ深夜便』2023年6月号に掲載されたものです。
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