2017年11月よりBS1などで放送されている「アニ×パラ〜あなたのヒーローは誰ですか〜」。日本を代表する漫画家たちや人気アニメキャラクターとのコラボで、パラスポーツの魅力を5分間のオリジナルアニメで描く番組だ。

今回、共生社会の実現を目指すために、この「アニ×パラ」を活用した、新たな企画が始動。その名も「アニ×パラ キャラバン」!
パラアスリートが地域を訪れ、若者たちと交流し、意見交換や競技体験を通して、パラスポーツ、そして共生社会に対する理解を深めてもらう取り組みだ。その第1弾「ブラインドサッカー編」が、2/21(月) 午後4:30~ BS1で放送された。

公開収録が行われたのは、去年12月27日。千葉県の流通経済大学・新松戸キャンパスを会場に学生対象のイベントとして開催。脳科学者の茂木健一郎さんと「アニ×パラ」応援団長として、数々のパラスポーツに挑戦しているタレント・武井壮さんが登壇した。

脳科学者の茂木健一郎さんと「アニ×パラ」応援団の武井壮さん。

そしてゲストに、東京パラリンピックのブラインドサッカー日本代表、川村怜選手と黒田智成選手を迎え、約150名の大学生とともに、ブラインドサッカーの魅力や、パラアスリートの可能性、そして東京パラリンピック後の共生社会について議論を深めた。

東京パラリンピック ブラインドサッカー日本代表の川村怜選手と黒田智成選手。

まず話題となったのが、「アニ×パラ」第1弾ブラインドサッカー編で主人公・ユウキが見せた浮き球をダイレクトボレーする必殺技「トルネードタイガー」。

▼「アニ×パラ」ブラインドサッカー編は以下より見られます!▼
https://www.nhk.or.jp/anime/anipara/detail01.html

浮いた球は音が鳴らないため、ボールの位置が分かりづらく、決めることは非常に難しいシュートだ。この作品の原作を務めた『キャプテン翼』作者の高橋陽一さんは、「浮き球をダイレクトボレーで決めるトルネードタイガーはとても難しいが、日本代表が決めてくれたら、子どもたちに夢を与えられる」と語る。

その技が、なんと東京パラリンピックの順位決定戦となるスペイン戦で実現! そのゴールが決勝点となり、強豪・スペインを1-0で破り見事5位入賞を果たしたのだ。

ゴールを決めた黒田選手は「最高の舞台で、みんなの気持ちが一つになって奇跡のようなシュートが決まって最高にうれしかった」と語り、

黒田選手にパスを出した川村選手も「メダルが取れなくて正直悔しかったが、最後すばらしいゴールで勝利できたこと、本当に幸せな時間でした」とプレーを振り返った。

そして、現在サッカー部に所属する学生が、ブラインドサッカーを体験してみることに!?

最初は自信のある様子だったが、視界がふさがれた状態でパスを受け止めるのは相当難しいようで……。学生は「音だけでボールの位置を把握するのが難しく、ボールを受けることがうまくできなかった」と、その難しさを身をもって実感したようだ。

さらに川村・黒田両選手に、「障害者との接し方」や「障害者に対して、スポーツの指導をする際に気をつけること」など、学生から率直な質問も投げかけられた。

学生とパラアスリートとの交流の時間はあっという間に過ぎ、エンディングを迎えた。
ブラインドサッカーの魅力はもちろん、健常者、障害者が互いに理解を深めていく時間となった。このように一緒に楽しい時間を共有していくことが、障害者に対する社会のバリアを壊すきっかけになるかもしれない――。そう思わせてくれるイベントとなった。

また今回、共生社会への学びとして、パラアスリートのアテンドは学生が行っている。アテンドに携わった学生は、「人に何かを伝えるとき、言葉だけでなくジェスチャーも使うことが多いですが、今回パラアスリートの方とコミュニケーションをとるには、言葉ですべてを伝えなければならない難しさを実感しました。すごく貴重な体験でした」と語った。

「アニ×パラ キャラバン」の取り組みは、はじまったばかり。この先も各地で実施する予定です。共生社会について、ぜひ一緒に考えていきましょう!

▼BS1、総合、Eテレで随時放送中!▼
第13弾 パラアルペンスキー×江口寿史
https://www.nhk.or.jp/anime/anipara/detail13.html
第14弾 パラスノーボード×島本和彦
https://www.nhk.or.jp/anime/anipara/detail14.html

茂木健一郎さん、武井壮さん、川村怜選手と黒田智成選手の、イベント終了後のインタビューを「ステラnet」で掲載予定。ご期待ください。