新・介護百人一首
広島県林スミ子 (76歳)
とろみ食を少しずつ食べられるようになり、食後の入れ歯を洗うのが日課になりました。回復も目に見え始め、母のリハビリ意欲も高まってきました。
入れ歯や体を洗う。それはあまりにもプライベートなことだけに、親子でも難しいところがあると思う。親子だからこそ難しいところもあるだろう。しかし一度受け入れるとこうなれるのだろうか。入れ歯を手に受けて、まるで自分が子供の時に親にお風呂に入れてもらったことを思い出しているかのごとく、慈しんで洗っている。清らかな気持ちは伝わるのだろう、ご回復されているとのこと、本当に良かったです。
恩蔵絢子(おんぞう・あやこ)
脳科学者。2007年東京工業大学総合理工学研究科知能システム科学専攻博士課程修了(学術博士)。専門は自意識と感情。2015年に同居の母親がアルツハイマー型認知症と診断される。母親の「その人らしさ」は認知症によって本当に変わってしまうのだろうか?という疑問を持ち、生活の中で認知症を脳科学者として分析、2018年に『脳科学者の母が、認知症になる』(河出書房新社)を出版。認知症になっても変わらない「その人」があると結論づける。NHK「クローズアップ現代+」、NHKエデュケーショナル「ハートネットTV」に出演。2021年には、母親に限らず、認知症についてのさまざまな「なぜ?」に対して脳科学的に解説する『なぜ、認知症の人は家に帰りたがるのか』(中央法規。ソーシャルワーカー・永島徹との共著)を出版。現在、金城学院大学、早稲田大学、日本女子大学非常勤講師。
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入れ歯や体を洗う。それはあまりにもプライベートなことだけに、親子でも難しいところがあると思う。親子だからこそ難しいところもあるだろう。しかし一度受け入れるとこうなれるのだろうか。入れ歯を手に受けて、まるで自分が子供の時に親にお風呂に入れてもらったことを思い出しているかのごとく、慈しんで洗っている。清らかな気持ちは伝わるのだろう、ご回復されているとのこと、本当に良かったです。
恩蔵絢子(おんぞう・あやこ)
脳科学者。2007年東京工業大学総合理工学研究科知能システム科学専攻博士課程修了(学術博士)。専門は自意識と感情。2015年に同居の母親がアルツハイマー型認知症と診断される。母親の「その人らしさ」は認知症によって本当に変わってしまうのだろうか?という疑問を持ち、生活の中で認知症を脳科学者として分析、2018年に『脳科学者の母が、認知症になる』(河出書房新社)を出版。認知症になっても変わらない「その人」があると結論づける。NHK「クローズアップ現代+」、NHKエデュケーショナル「ハートネットTV」に出演。2021年には、母親に限らず、認知症についてのさまざまな「なぜ?」に対して脳科学的に解説する『なぜ、認知症の人は家に帰りたがるのか』(中央法規。ソーシャルワーカー・永島徹との共著)を出版。現在、金城学院大学、早稲田大学、日本女子大学非常勤講師。