新・介護百人一首

父の
氷砂糖の
一粒を
載せてあげたり
面会室に

新潟県磯部剛 74歳)

愛知県 細見純子
鳥取県 嶋田幸枝
埼玉県 伊藤フサ子

詞書

数年前に亡くなった父の事です。糖尿病でありながら酒と甘いものが好きで、入所前は良く氷砂糖をめていました。施設に面会に行く時、そっと氷砂糖を渡すと、とてもうれし気な顔をするので、つい持っていってしまいました。

感想コメントをいただきました

浜内千波(はまうち・ちなみ)

糖尿病を患っていらっしゃる方にとっては、とてもデリケートな食材である角砂糖。いけないこととわかりながらも大好きなお父様の気持ちを優先して、すべて承知の上で手にのせてあげる。【そっと】という表現にお父様への気持ちを優先に考える気持ちがとても詰まっている気がします。

浜内千波(はまうち・ちなみ)

昭和30年生まれ。徳島県海陽町出身。大学卒業後、OLを経て岡松料理研究所へ入所。その後ファミリークッキングスクールを開校。雑誌や書籍をはじめ、テレビ、ラジオ、講演会、料理イベントで活躍。食材の味を生かした料理、野菜料理は特に定評がある。