かつて東海道の難所と言われた大井川は、南アルプスに端を発し駿河湾へと流れ込む、恵みの川でもありました。静岡県で生まれ育った山本豊福リポーターが、その見どころを紹介します。

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越すに越されぬ大井川——。静岡県のほぼ中央に位置する島田市は、江戸時代、東海道の難所とされた大井川が南北に流れ、木材が集積するもくとしても栄えました。牧之原台地の開墾のため川の下流に架けられたほうらい橋は、「世界一長い木造歩道橋」としてギネスに認定され、今、川に沿うように大井川てつどうがのんびり走っています。
10月8〜10日には3年に一度の島田大祭(通称・帯まつり)も開催。元禄の文化を今に伝える歴史絵巻に、島田の街は沸き立ちます。

大井川に沿って走る大井川鐵道のEL(電気機関車)かわね路号。

 

全長 897.4mの蓬萊橋は明治12年完成。語呂合わせで「厄なし、長生き(長い木)の橋」と言われる人気スポット。

 

下流には徳川家の旧幕臣や川越人足(かわごしにんそく)が開拓した牧之原大茶園が広がる。

 

絶景の中をSLが走る。


山本 豊福 (やまもと とよふく)

大井川鐡道の名物広報マンで、鉄道や静岡県の魅力を発信。「日本列島くらしのたより」に出演中。

(月刊『ラジオ深夜便』2022年9月号より)

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