これまでに放送された「素朴なギモン」とその答えを、忘れないように復習しておきましょう。
日本人にとって、大切な食糧、米。それを、田んぼの真ん中に立ち、見守ってくれているのが、「かかし」です。その名前の由来、白いごはんを愛するステキな大人なら、ぜひ知っておきたいですよね!
答え:クサいニオイを〝かがし〟ていたから
詳しく教えてくれたのは、文化人類学が専門の九州工業大学の近藤直也名誉教授。
いわく、今でこそ「かかし」とは、田んぼの中に立つ人形を意味しますが、もともとは「かがし」と言って、クサいニオイをかがせることで、鳥や獣を近づけないようにするものでした。
その昔、人々はしめ縄を張ったり、引板(鳴子)を仕掛けて音を出したりして、田んぼを荒らす動物たちを追っ払っていました。
ところが、それだけでは不十分ということで、人の髪の毛とイノシシの毛を燃やして、そこから出るクサ〜いニオイを鳥獣除けに使うように。
![](/mwimgs/2/3/-/img_23199e36224f3105cc2b24a13ba04ad9377017.jpg)
![](https://steranet.ismcdn.jp/mwimgs/a/0/666w/img_a0aebdd3d3b22f6a24890a693a9e5f2b224483.jpg 1x,https://steranet.ismcdn.jp/mwimgs/a/0/1332w/img_a0aebdd3d3b22f6a24890a693a9e5f2b224483.jpg 2x)
ここから、クサいニオイによって、悪いものを寄せつけないようにするもののことを「かがし」と呼ぶようになります(同様に、ニオイで鬼を遠ざけようとした魔よけも「やいかがし」 と呼ばれていました)。それがやがて、「かかし」に。
![](https://steranet.ismcdn.jp/mwimgs/f/5/666w/img_f514fdf5ba74407a31679a225ffe5121353458.jpg 1x,https://steranet.ismcdn.jp/mwimgs/f/5/1332w/img_f514fdf5ba74407a31679a225ffe5121353458.jpg 2x)
![](https://steranet.ismcdn.jp/mwimgs/5/e/666w/img_5ea8b30d6fff7c5b8b63c0c27acf785a351926.jpg 1x,https://steranet.ismcdn.jp/mwimgs/5/e/1332w/img_5ea8b30d6fff7c5b8b63c0c27acf785a351926.jpg 2x)
さらに、室町時代になると、動物を威嚇するような矢を持ったかかしが流行。
着古した洋服を着せるという、現在のスタイルに変化したのは、明治・大正時代あたりだそうです。
(NHKウイークリーステラ 2022年1月28日号より)