これまでに放送された「素朴なギモン」とその答えを、忘れないように復習しておきましょう。
日本人にとって、大切な食糧、米。それを、田んぼの真ん中に立ち、見守ってくれているのが、「かかし」です。その名前の由来、白いごはんを愛するステキな大人なら、ぜひ知っておきたいですよね!

答え:クサいニオイを〝かがし〟ていたから

詳しく教えてくれたのは、文化人類学が専門の九州工業大学の近藤直也名誉教授。

いわく、今でこそ「かかし」とは、田んぼの中に立つ人形を意味しますが、もともとは「かがし」と言って、クサいニオイをかがせることで、鳥や獣を近づけないようにするものでした。

その昔、人々はしめ縄を張ったり、引板(鳴子)を仕掛けて音を出したりして、田んぼを荒らす動物たちを追っ払っていました。

ところが、それだけでは不十分ということで、人の髪の毛とイノシシの毛を燃やして、そこから出るクサ〜いニオイを鳥獣除けに使うように。

髪の毛と布を編んで、しめ縄状にしたものと、イノシシの毛皮を竹ざおの先につり下げたもの。これを被害を受けそうな田畑に立てて下からあぶり、煙を出していた。
これら(上)を燃やして出るニオイは、動物にとっては、 ただクサいというだけでなく、「この田畑に入れば、自 分たちも同じ目にあうぞ」と思わせる役割もあった。

ここから、クサいニオイによって、悪いものを寄せつけないようにするもののことを「かがし」と呼ぶようになります(同様に、ニオイで鬼を遠ざけようとした魔よけも「やいかがし」 と呼ばれていました)。それがやがて、「かかし」に。

「元祖かかし(=かがし)」が出す煙は、どれくらいクサいのか?臭気計で測って比べてみると、くさやや納豆よりも、ダントツでクサいという結果に!
鬼が嫌うのが、イワシのニオイ。そこで、焼いたイワシの頭を玄関先に飾り、“魔よけ”とする習慣があった。これが「やいかがし」である(今も、一部残っている地域がある)。

さらに、室町時代になると、動物を威嚇するような矢を持ったかかしが流行。
着古した洋服を着せるという、現在のスタイルに変化したのは、明治・大正時代あたりだそうです。

(NHKウイークリーステラ 2022年1月28日号より)