これまでに放送された「素朴なギモン」とその答えを、忘れないように復習しておきましょう。
アーモンド、ピスタチオ、クルミにカシューナッツ。おやつに、つまみに、つい口に運ぶ手が止まらなくなっちゃうナッツ類。なんでこんなにおいしいの〜? 実は理由があるんです!


答え:土に埋めてもらいたいから

詳しく教えてくれたのは、森林総合研究所の主任研究員・直江将司さん。
ナッツがおいしいのは、植物として芽を出すために、土に埋めてもらうべく、進化してきた結果だと言います。そもそも「ナッツ」とは、〝かたい殻で覆われていて、種を食用とする木の実〟のことで、動物でいえば卵のようなもの。

つまり栄養がたっぷり詰まっており、人間をはじめ、これを食べる動物たちにとっては、とても魅力的な食べものなのです。

しかし、ナッツ自身が生き残るためには、食べられているだけというわけにはいきません。とはいえ、ナッツは、自分から土の中に埋まることはできないので、リスやネズミなど、地表に落ちているナッツを拾い、ほかの動物に見つからないように(適度な深さの)土の中に埋める習性を持つ動物たちの力を借りることにしたのです。

ナッツは木から落ちたあと、そのまま地表にあったのでは、乾燥で死んでしまうか、天敵の虫に食べられてしまい、芽を出すことができない。

ポイントは、彼らが、自分で埋めたすべてのナッツを見つけられず、土の中に、ある程度の〝食べ残し〟をすること。これによって、ナッツは初めて種としての役割を果たし、子孫を残すことができるのです。

もちろん、現在私たちが食べているナッツは、人間にとっておいしい種類を厳選し、品種改良してきたものではありますが、その根本には、ナッツの生き残り戦略があったのです。

(NHKウイークリーステラ 2021年11月26日号より)