NHK山形放送局は、今年度「やまほど、やまがた愛」をキャッチコピーに掲げ、さらに地域に寄り添い、役立つ放送局となる取り組みを進めています。その一環として6月5日から6月29日まで、酒田市の国指定史跡「山居倉庫」で、「NHK文化祭~感じる未来 酒田から世界へ~」を開催しています。

山形局の局舎は築54年と老朽化が進み、ロビーも手狭で会館公開などのイベントは展開しづらい状況でした。それならば、私たちのほうから地域に出向き、お客様と触れ合うことで“地域ににぎわいを創出したい”という思いで今回のイベントを企画。舞台としたのが、山形市から車で2時間ほど離れた酒田市です。

イベント会場の山居倉庫。

酒田市は北前船などで栄えた歴史ある港町。今は、海外からクルーズ船も往来する、世界に開かれた県内第3の都市です。イベントのサブタイトル「感じる未来 酒田から世界へ」には、地域のみなさんと一緒に未来を見つめていきたいという思いを込めました。

今回、NHK放送技術研究所の協力を得て実現した最新の放送機器をはじめ、「未来」を感じられるさまざまな展示を多くの方に楽しんでいただいております。

NHK放送技術研究所発「空間共有コンテンツ視聴システム」。

酒田や山形の名所を360度の映像で楽しめるVRドームシアター。
過去にNHKで放送した番組からえりすぐりの映像を見ることができる「NHKメディアウォール」。

○「NHKスペシャル」と連動 SDGsを考えるパネル展

イベントのテーマ「未来」に沿った展示物を検討する中で目に留まったのが、去年、東京・渋谷の「NHKプラスクロスSHIBUYA」で開催された「NHKスペシャル 2030 未来への分岐点」の企画展です。

今回のイベントは、教育の場でも活用していただきたいと、市内の小中学校の子どもたちを招待することにしました。学校見学会で訪れた子どもたちが、NHKの番組を通じて、「未来の環境」について考えるきっかけになるだろう、と感じたからです。

学校見学会では、SDGsに関するクイズに子どもたちが熱心に取り組んでくれています。また、NHKスペシャルのダイジェスト映像を真剣なまなざしでご覧になるお客さまの姿もあります。


〇NHKアーカイブスの活用で地域によりそう展示が実現

地域のみなさんに喜ばれる、その地域ならではの展示ってなんだろう? と考えたときに浮かんだのが、NHKアーカイブスの活用でした。NHKがこれまでに撮影した膨大な映像の中から、酒田に関連した映像をピックアップ。QRコードをスマートフォンなどで読み込むことで、動画をご覧いただけるコンテンツを新たに制作しました。

制作したのは2種類のパネルです。
酒田市を含む庄内地方に関するニュースや番組の映像を集めた「ふるさとミュージアム@酒田」。

そして、山居倉庫がロケ地となり、今もなお地域で愛され続けている連続テレビ小説「おしん」を紹介する、「おしんの世界!」です。

「おしん」は、海外でも親しまれているドラマで、今も「おしん」目当ての観光客が多く訪れるほどです。会場の山居倉庫には、「おしん」の人形や写真が常時展示されています。

今回、「おしん」の映像をご覧になったお客さまの中には涙を流しながら見入っている方もいらっしゃいました。また、学校見学会で訪れた子どもたちからは「昔の酒田のことを知れてよかった」、「過去のニュース映像を見て勉強になった」などの感想も寄せられるなど、大変好評です。

イベントは6月29日まで開催しています。ぜひこの機会にご来場いただき、お楽しみください!
https://www.nhk.or.jp/yamagata/nhkbunkasai/index.html