「深夜便のうた」は、大人が口ずさめる歌を「ラジオ深夜便」から発信しようと、2006年に始まりました。 2か月に1曲、新曲をリスナーにお届けしています。2022年6~7月放送のうたは、中孝介さんが歌う「声をきかせて」です。

「声をきかせて」

作詞:あたり孝介・市川よしやす
作曲:鈴木秋則 編曲:黒木千波留


中孝介さんメッセージ

この度、「深夜便のうた」を担当させていただけることになり、とても光栄に思っています。

僕は奄美大島で生まれ育ち、高校生のころに“シマ唄”の世界にのめり込み、歌うことに目覚めました。“シマ唄”の歌詞には人が生きていくうえで大切なことが多く歌われ、「唄を知れば人生の半分の学問ができる」という名言が残されています。僕はそんな“シマ唄”の歌詞や伝承してきた諸先輩方の歌う姿からたくさんの生きざまを教えていただきました。

その先輩方もだんだんととしをとり、天国へ旅立ってしまう方も少しずつ増えてきました。人生には出会いがあれば必ず別れがやってきます。でも、2度と会えなくなってしまっても、その姿や歌声は、僕の胸の中にしっかり刻み込まれ、今も、歌う喜び、楽しみ、勇気をいただいています。

今回は、そんな思いを胸に、リスナーの皆さんに生きてきたかけがえのない人生の景色を懐かしく思い出していただけたらと思い、作詞家の市川喜康さんとともに歌詞を書かせていただきました。皆さんの心の片隅に伝わっていただけたら幸いです。2か月間どうぞよろしくお願いいたします。

 

中 孝介(あたり・こうすけ)

鹿児島県奄美大島出身、在住。高校生のころ、独学でシマ唄を始める。2006(平成18)年メジャーデビュー。2007年、「花」をリリースしロングヒットを記録。2013年には「もっと日本。」プロジェクトのもと、世界遺産でのコンサートを実施。2015年にシングル「目をとじても」でNHK「みんなのうた」を担当する。2016年にデビュー10周年を迎え、初となるベストアルバム『THE BEST OF KOUSUKE ATARI』をリリース。2019年、映画『多十郎殉愛記』(高良健吾、多部未華子など出演) の主題歌「Missing」を含むアルバム『愛者~Kanasha~』をリリース、8月には6年連続となる中国本土での単独ツアーを開催。2020(令和2)年に発売したアルバム『あなたがいるだけで』では、セリーヌ・ディオンの楽曲を手がけた作家・Gioacchino MAURICIによる書き下ろし曲や、ピアニスト・角野隼斗と「寒月」で共演し話題に。2022年2月、シマ唄を始めるきっかけとなった同郷の先輩・元ちとせさんのデビュー20周年という節目に「ワダツミの木」をカバーした。その声は、「地上で、もっとも優しい歌声」と称され、日本国内だけでなく、中国~アジア全域でも活動の幅を広げている。

取材・文/河上いつ子
(月刊誌『ラジオ深夜便 』2022年6月号より)

購入・定期購読はこちら
8月号のおすすめ記事👇
▼毛利衛“地球まほろば”は今も
▼純烈が「深夜便のうた」に登場!!
▼バレーボール前監督・中垣内祐一
▼脳の働きの不思議 ほか