これまでに放送された「素朴なギモン」とその答えを、忘れないように復習しておきましょう。
航路に従って空を飛ぶ飛行機。時には悪天候や障害物を避けて、ルートを変更することも。でも、空には、信号も看板もありません。それなのに、飛行機はどうして迷わずに目的地までたどりつくことができるのでしょうか?


答え:ウェイポイントのおかげ

詳しく教えてくれたのはパイロット歴30年という現役パイロットの木賀孝彦さん。
いわく、 「飛行機が目的地まで迷うことなく飛行できるのは、“ウェイポイント”のおかげなんです」。 ウェイポイントとは、飛行機が飛び立つ空港から、目的地の空港までの進路上にある位置点のこと。それぞれの“緯度・経度”で示されていて、これを次々とたどっていけば、確実に目的地にたどりつくことができるというものです。

飛行ルートの上にある星マークが、ウェイポイント。連絡をとりやすいように、それぞれ名称がつけられており、これをたどっていくことで、目的地に到着できる。

そして、ウェイポイントは、空の交通整理をしている管制官とパイロットが連絡をとる際にも、大きな役割を果たしています。
例えば、予定していた飛行ルート上に発生した雲を避けるため、一時的に飛行機の進路を変更。その後、もとのルートに戻る際、いちいち、「○○の方向に△△キロ進み、それから......」などと細かく報告していたら、聞き間違いが起こるおそれも。

飛行機に搭載されているナビゲーションシステムの画面(写真は、訓練施設のシミュレーター)。目指すべきウェイポイントとルートが表示されるため、これを頼りに操縦する。

そこでウェイポイントが登場! パイロットは、次に向かうべきウェイポイントの名前を管制官に告げるだけでスムーズな進路変更が可能に。
つまり、飛行機が安全かつ正確な飛行をするためにも、ウェイポイントは欠かせないというわけです。

(NHKウイークリーステラ 2021年6月11日号より)