今秋から放送が始まる、連続テレビ小説「ばけばけ」。

「怪談」を愛し、急速に西洋化が進む明治の日本の中で埋もれてきた名も無き人々の心の物語に光をあて、代弁者として語り紡いだ夫婦の物語です。

このたび、ヒロイン・髙石あかりさん演じる主人公・松野トキとその家族を陰日向ひなたで支える、親戚のみず家の人々のキャストが発表されました。堤真一さんが、松江藩に名をはせる上級武士・雨清水でんを、板垣李光人さんが、その三男・さんじょうを演じます。


トキの親戚 ・ 雨清うしみず家の人々

雨清でん役 堤真一
連続テレビ小説歴「マッサン」

松江藩に名をはせる上級武士で文武両道のエリート。親戚のトキを大変可愛かわいがっており、幼い頃からなにかと気にかける。松江で知らない人はいないほどの人格者で、変わりゆく時代の中、トキをはじめ多くの没落士族に手を差し伸べようと尽力する。

【堤真一さんのコメント】
朝ドラ出演は「マッサン」以来、約10年ぶりです。「ばけばけ」で僕が演じる雨清水傳は、時代の流れの中で武士から商売に転じるのですが、生産性を追い求めるのではなく、働く人のことを大切にする、懐の大きな人物だと思います。
ここでは、時代が移りゆく中で非常に苦しい生活を強いられる人たちが描かれていますが、貧しくても明るい家族の絆で結ばれた物語で、生きる活力があふれています。その雰囲気がそのまま撮影現場にも広がっていて、全体が明るく楽しく進んでいると感じています。
読み物としても大変面白い脚本なので、これは絶対に良い作品になると思いますし、僕自身、とても期待しています!


雨清水家の三男/雨清水さんじょう役 板垣李光人
連続テレビ小説初出演

雨清水家の三男でトキの2歳下。兄が家督を継ぐため自身は特に役目がない。
家の中に居場所がないため、トキたちの仕事場に入り浸っている。

【板垣李光人さんのコメント】
こうして「ばけばけ」という作品に参加させていただけること、そして初めて朝ドラに携わらせていただけること、大変光栄に思います。
演じる雨清水三之丞という役は、はたから見れば世間知らずなお坊ちゃんかもしれませんが、彼が彼なりに抱える葛藤や苦悩、時代に翻弄されるさまを全て抱きしめて誠心誠意、少しのおかしみも持ちながら演じていきたいです。
今からこの世界の中で半年間生きることができると思うと楽しみでなりません。わくわく、どきどきしながら、「ばけばけ」を皆さまもぜひお楽しみください!


既発表 主人公/ まつトキ役 髙石あかり
連続テレビ小説初出演

民話や昔話などを聞くのが大好きな松野家の一人娘。つらいことがあるといつも母のフミに「お話をしてごすなさい(お話してください)」と言い、怪談を話してもらう。怪談も化け物も、そして、家族のことも大好きなのだが、周りからは変わり者だと気味悪がられている。フミが作るしじみ汁が大好物で、飲むと思わず「あーっ」と声が出てしまう。

【ヒロイン・髙石あかりさんのコメント】
雨清水家はトキにとって、そして松野家にとってすごく大切な存在です。
トキは、雨清水の皆さんとの時間で多くのことを学び、たくさんの感情を知ることになります。
松江の家族同様、守りたいと思う一家です。
堤さんは、自分がどんなお芝居をしても受け止めてくださり、それを笑いに変え10倍にして返してくださるので撮影中ずっと笑っています!
そして、これからトキとして三之丞の持ついろいろな感情に向き合っていけることがとても楽しみです!


【新キャストについて/制作統括・橋爪國臣さんのコメント】

堤真一さん、板垣李光人さんという素晴らしいお二人に出演いただけることになりました。

雨清水家は、ヒロイン・トキの人生に深く関わっていく人たちです。
傳は由緒ある松江のエリート士族で、トキのことを気にかけ、トキのあこがれでもあります。堤さんと髙石さんのお芝居のやり取りは、次にどんな手が繰り出されるのか、見ていて圧巻です。堤さんが演じられることで、いろいろな人の思いを背負いながら、時代の中を生き抜いていく傳に説得力を感じます。

三之丞は、武家の三男の悲哀を持ち、明治になって大きく時代が移り変わっていく中で、その流れに翻弄されていきます。この物語の中で最も感情が内側にこもり、さまよっていく人物かもしれません。衣装合わせで見た板垣さんのたたずまいが、台本で想像していた三之丞そのものだと感じました。これから板垣さんがどのように演じてくれるのか、とても楽しみです。


「ばけばけ」番組ロゴも決定!

デザイン 西澤和樹

【デザインにあたっての西澤和樹さんのコメント】
二人のヘンテコでいとおしい日常、その“空気感”を感じてもらえるロゴを目指しました。モチーフに選んだのは人が無意識に書く「くせ字」。自分にとってはごく普通の文字が、他者の目には少しおかしく、だからこそ面白く映る—そんな視点のずれが二人の生活をのぞくこの物語とどこか重なり合うように思いました。揺らぐリズムと整いきらないフォルムがぬくもりを帯び、そっと物語の輪郭を浮かび上がらせてくれることを願っています。

【プロフィール】
にしざわ・かずき

1993年長野県生まれ。2017年京都市立芸術大学卒業。
広告制作会社を経たのち、都内のブランディングエージェンシーにて媒体や業種を問わずアートディレクションを担当。
複数のブランド立ち上げに参画する。タイポグラフィを用いたグラフィックデザインやロゴデザインを得意とし、広告、ファッション、音楽業界など幅広い分野で活動。2021年より作字ユニット「日刊タイポ」の日曜担当としても活動中。

【ロゴについて/制作統括・橋爪國臣さんのコメント】

西澤さんのデザインはどこかで見たことがあるようでよく見ると見たことがない、そして何度も見返すと、その度に発見があります。そんな西澤さんにロゴを作っていただければ、この物語にぴったりなのではないかと思ってオファーしました。わかりやすいモチーフではなく、二人の生活の雰囲気をロゴにしてほしいとお願いしたので、とても難しい依頼だったと思います。
完成したロゴを見て、「ばけばけ」の世界観にマッチした素晴らしいロゴだと思いました。

フォントのようでフォントでなく、ゴシックでも明朝でもない、とてもオリジナルな「ばけばけ」の文字。トキとヘブンの日常の物語が描き出す、二人の当たり前なことを何度もかみしめるかのようなロゴです。
毎日の放送でこのロゴを目にするたびに、ドラマと一体となってその味わいを深めていただけると思っています。


【物語のあらすじ】
この世はうらめしい。けど、すばらしい。

明治時代の松江。まつトキは、怪談話が好きな、ちょっと変わった女の子です。
松野家は上級士族の家系ですが、武士の時代が終わり、父が事業に乗り出すものの失敗。とても貧しい暮らしをすることになってしまいます。
世の中が目まぐるしく変わっていく中で、トキは時代に取り残されてしまった人々に囲まれて育ち、この生きにくい世の中をうらめしく思って過ごします。
極貧の生活が続き、どうしようもなくなったトキのもとに、ある仕事の話が舞い込んできます。
松江に新しくやってきた外国人英語教師の家の住み込み女中の仕事です。外国人が珍しい時代、世間からの偏見を受けることも覚悟の上で、トキは女中になることを決意します。その外国人教師はギリシャ出身のアイルランド人。
小さい頃に両親から見放されて育ち、親戚をたらい回しにされたあげく、アメリカに追いやられ、居場所を探し続けて日本に流れ着いたのでした。
トキは、初めは言葉が通じない苦労や文化の違いにも悩まされます。ところが、お互いの境遇が似ている事に気が付き、だんだんと心が通じるようになっていきます。しかも、2人とも怪談話が好きだったのです!
へんてこな人々に囲まれ、へんてこな2人が、夜な夜な怪談話を語り合うへんてこな暮らしが始まります――。

2025年度後期 連続テレビ小説「ばけばけ」

2025年秋 放送予定

作:ふじきみつ彦
出演:髙石あかり、トミー・バストウ
制作統括:橋爪國臣
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史