2026年に放送される大河ドラマ第65作目の「豊臣兄弟!」。

物語の主人公は、豊臣秀長(仲野太賀)。天下人・豊臣秀吉(池松壮亮)の弟である秀長は「もし秀長が長生きしていれば、豊臣家の天下は安泰だった」とまで言われた天下一の補佐役。天下統一という偉業を成し遂げた“豊臣兄弟”の奇跡を描く、夢と希望の下剋上サクセスストーリーです。

今回、豊臣兄弟と共に乱世を生きる重要人物のうち、オーディションにより選抜した5名のキャストが発表されました。
また、番組のロゴもあわせて公開されました。


文武両道に秀でた、秀長の腹心

藤堂高虎とうどうたかとら/佳久創

秀長の重臣の一人。巨漢で知られ、初めは近江の大名・浅井長政に仕えるも、主君を変えて転々とする。秀長と出会い、武勇だけでなく学問も重要だと教えられ、算術・鉄砲・築城など多くを学ぶ。やがて頭角を現し、豊臣秀吉の中国攻めやしずたけの戦いなどにも参戦。前線で戦うだけでなく、兵站へいたんを任されるなど、知勇兼備の武将となる。築城名人としても知られる。

【佳久創さんのコメント】
――オーディションを経て、藤堂高虎役のオファーを受けたときの率直なお気持ちをお願いします。
今回のオーディションでは普段以上に緊張しており、正直覚えていることは少なく、手ごたえなども感じる暇も無くてあっという間に終わってしまった印象でした。ですので数日後にマネージャーから直々じきじきに「大河ドラマ無事決まりました」と言われた時は、思わず「よっしゃー!」とガッツポーズをしました。その後にじわじわと「ホン トによかったー」とあんの気持ちがこぼれて来ました。続けてマネージャーから「役は藤堂高虎です」と言われた時、「え、あの知る人ぞ知る、あの高虎!?」と、さらにうれしかったです。
まさか藤堂高虎を演じられるとは思いもしてなかったので、その日は一日中興奮が収まらなかったです。

――高虎を演じるにあたっての意気込みをお願いします。
元々、藤堂高虎については主人をコロコロ変えていたという、少しネガティブな印象を持っていました。
しかし色々と調べてみると、自分を正しく評価してくれて、仕えるに値する主人に精一杯せいいっぱい 尽くしていたという、むしろ情に熱く有能な武将であったという印象に変化しました。
秀長に対しても、その人柄にれ込み、そして自分自身を評価してくれていたからこそ、精一杯努力し、結果的に右腕と呼ばれる存在になれたのではないかと想像しています。
高虎は戦に出陣すれば、必ず戦果をあげると言って良いほど、屈強な武将であると同時に、築城の名人ともいわれるほどの頭脳も持ち合わせる人物です。
「力強さ」だけではなく「知性」も感じられる高虎を演じられる様に挑んでいきたいです。

【プロフィール】
かく・そう

1990年生まれ、愛知県出身。ラグビー選手として活躍し日本選抜メンバーに選出されるも、度重なる怪我けがにより引退。のちに俳優に転向。2019年にドラマ「ノーサイド・ゲーム」で初のレギュラー出演。近作に、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、「サンクチュアリ-聖域-」、スーパー戦隊シリーズ「王様戦隊キングオージャー」、「闇金ドッグスX」、映画『八犬伝』、『キングダム』シリーズなど。

豊臣政権を支えた秀吉の忠実なる家臣

石田三成/松本怜生 ※大河ドラマ初出演

秀吉に重用された、近江国生まれの大名。秀吉と柴田勝家が争った賤ヶ岳の戦いで活躍したほか、数字に強く太閤検地などでもその力を発揮した。秀吉の晩年には、25歳の若さで五奉行の一人となり、豊臣政権の中核を担う。

【松本怜生さんのコメント】
――オーディションを経て、石田三成役のオファーを受けたときの率直なお気持ちをお願いします。
夢かと思いました。
昨年から毎日紙に書いていることがあり、それが「大河ドラマの出演が決まった!」でした。
出演する妄想はひそかにしていたのですが……いざ決まると実感が湧かなかったのが本音です。石田三成という名だたる諸先輩方が演じてこられた大役を、自分が楽しみにしていた「豊臣兄弟!」で演じられること、俳優人生においてこれほどに名誉で、挑戦させていただける機会はありません。
不安や緊張は全部捨て、自分に求められていること、自分に表現できることにただぐに向き合い石田三成を全うしたいと思います。

――三成を演じるにあたっての意気込みをお願いします。
戦国の歴史が好きですが、石田三成は素性の知れない人物の一人です。
“知的で冷酷、日本一の嫌われ者"なんてことも言われており、あまり良い印象を持たれていない武将ですが、歴史が勝者によってつくられる戦国の時代で関ヶ原の合戦に敗北した三成は一番の被害者な気もします。“一人が万人のために、万人が一人のために尽くす”、石田三成が掲げた「大一大万大吉」の旗印の理念が僕は好きです。
賛否分かれる武将だからこそ、近年数ある作品ごとに三成像が変化し、今回もまた「豊臣兄弟!」でどういう描かれ方をするのか、僕自身すごく楽しみです。秀吉のために最後まで戦い抜いた三成と共に「豊臣兄弟!」を最後まで戦い抜けるよう一心同体で頑張ります!!

【プロフィール】
まつもと・れお

2000年生まれ、愛媛県出身。2022年にドラマ「パパとムスメの7日間」で初の連続ドラマレギュラー出演。2024年度後期連続テレビ小説「おむすび」に出演し、話題を呼ぶ。近作に、「あきない世傳 金と銀」「正直不動産2」「柚木さんちの四兄弟。」「降り積もれ孤独な死よ」「トーキョーカモフラージュアワー」ほか。「あきない世傳 金と銀2」が放送中。

信長に徹底抗戦した、美濃・斎藤道三の孫

斎藤龍興/濱田龍臣

美濃国の大名。父・義龍が急逝し、14歳の若さで美濃斎藤氏の家督を継ぐ。父の代からの重臣、竹中半兵衛や美濃三人衆(稲葉良通・安藤守就・氏家直元)など優秀な家臣に恵まれていたが、若年ゆえに家臣の掌握に苦慮。
かねてより美濃を狙っていた織田信長は、この機に攻勢を強めるも、龍興は徹底抗戦して信長を苦しめる。

【濱田龍臣​さんのコメント】
――オーディションを経て、斎藤龍興役のオファーを受けたときの率直なお気持ちをお願いします。
「龍馬伝」以来、大河ドラマにまた出演出来る機会を頂けたのがとてもうれしい限りです。

――龍興を演じるにあたっての意気込みをお願いします。
織田勢から見ると敵、となるとは思いますが、覚悟と信念を持った、視聴者の皆様の心に残るようなお芝居をお届けしたいと思っています。

【プロフィール】
はまだ・たつおみ

2000年生まれ、千葉県出身。大河ドラマ「龍馬伝」で坂本龍馬の幼少期を演じ、注目を集める。その後、ドラマ、 映画、舞台など幅広く活躍。近作に、連続テレビ小説「らんまん」、「Believe-君にかける橋-」「サバエとヤッたら終わる」「アイシー〜瞬間記憶捜査・柊班〜」、舞台『有頂天家族』、映画『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』 『パーフェクト・シェアハウス』ほか。

数奇な運命に翻弄された浅井三姉妹の長女

茶々/井上和(乃木坂46) ※大河ドラマ初出演

浅井長政と織田信長の妹・お市の間に生まれた、茶々、初、江の“浅井三姉妹”の長女。やがて父が信長と対立し、敗死。お市が柴田勝家と再婚したことにともない越前に移る。賤ヶ岳の戦いで勝家が豊臣秀吉に敗れ、お市・勝家が北庄城で自害すると、その庇護下ひごかに入り、かたきである秀吉の側室となる。

【井上和​さんのコメント】
――オーディションを経て、茶々役のオファーを受けたときの率直なお気持ちをお願いします。
とても驚きましたし、まだ信じられない気持ちです。
私の所属する乃木坂46の先輩、久保史緒里さんの出演されていた「どうする家康」を視聴者として見ていて、画面の中で生きる先輩の姿に、いつか私も同じように活躍したいなと思っていました。
今回、オーディションを受けさせていただけることがまずは嬉しくて、とにかくオーディションにしんに向き合おうという気持ちで挑みました。
そんな中でこうして選んでいただけたことが本当に光栄ですし、刺激的な日々を過ごせるのではないかと今からとてもわくわくしています。
新たな挑戦への不安もありますが、それ以上に選んでいただけたことへの感謝や、それに応えられるようにがんばりたいという気持ちが大きいです。

――茶々を演じるにあたっての意気込みをお願いします。
私は最初、茶々という人物に対して、気の強い女性という印象が強かったです。しかし調べていくうちに、実は自分の大切な人のために最善の策を取ろうと強く立ち続けた女性なのだと知りました。
そんな茶々を過去にたくさんの素晴すばらしい役者さんが演じられてきた結果、より魅力的で印象の強い人物となったんだと思います。
私はまだ演技経験も浅く、茶々という人物を演じることに対して不安もあるのですが、同時にこのような機会に胸が躍る私もいます。
激動の時代を激しく生きたこの茶々という女性の魅力を私なりに引き出せるよう、精一杯演じたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

【プロフィール】
いのうえ・なぎ

2005年生まれ、神奈川出身。2022年、アイドルグループ「乃木坂46」の5期生オーディションに合格してデビ ュー。「おひとりさま天国」「チートデイ」などでセンターを務める。2025年、ドラマ「スプリング!」で地上波ドラマ初主演。NHKのドラマへの出演は今回が初。

夫・前田利家とともに歩み、支え続けた賢妻

まつ/菅井友香 ※大河ドラマ初出演

加賀国(石川県南部)の大名・前田利家の正室。学問や武芸にけ、夫・利家を支え、家を守るために尽力した。
豊臣兄弟やその家族と深くかかわり、やがて豊臣政権下で利家が秀吉を支えるようになると、まつと寧々も親密な関係を築いていく。

【菅井友香さんのコメント】
――オーディションを経て、まつ役のオファーを受けたときの率直なお気持ちをお願いします。
夢であった大河ドラマへの出演のチャンスに、胸の高鳴りを感じつつ、当日は夢中でオーディションに臨みました。
お話をいただいた際は、素晴らしいチームの皆さまとご一緒できること、そして戦国時代を力強く聡明そうめいに生き抜いたまつ役を託していただけることに心から感謝し、万感胸に迫る思いでした。
台本をいただくまではまるで夢のように感じていましたが、現実であることを実感した今、安堵の気持ちと共に、新たな挑戦への高揚と緊張が入り交じった思いです。

――まつを演じるにあたっての意気込みをお願いします。
まつは、夫・前田利家の名声を支えながら、家族や家臣を守り抜いた力強い女性です。
同じ女性としても尊敬するまつとして生きられることに喜びを感じる一方で、歴代の大河ドラマにおいて主人公として描かれるなど、錚々そうそうたる役者の皆様が演じてこられた重責に、身を律する思いでおります。
人生の全てを注ぎ、学びを深めながら、芯の強いまつを真っ直ぐ演じさせていただき、「豊臣兄弟!」の世界をまつとして盛り上げられるよう、全身全霊で挑みたいと思います!

【プロフィール】
すがい・ゆうか

1995年生まれ、東京出身。「欅坂46」の第1期生オーディションに合格、2016年にシングル「サイレントマジョリティー」でデビュー。グループの初代キャプテン。2022年にグループを卒業後、俳優として舞台、映像作品へ活動の場を広げる。主な出演作に、舞台『飛龍伝2020』、ドラマ「チェイサーゲームW」シリーズ、「ビジネス婚─好きになったら離婚します─」、映画『怪獣ヤロウ!』『女神降臨』など。

【高橋優香子プロデューサーのコメント】

【時代を突き動かす、若いエネルギー】 
戦国時代を舞台に、波乱万丈のエンターテインメントとしてお届けする大河ドラマ「豊臣兄弟!」。
本作の見どころの一つが、若い世代の活躍です。主人公をはじめ、まだ何者でもなかった若者たちが乱世の中で出会い、共に成長し、やがて歴史に名を残す人物となっていく。
そうした世代のキャスティングを進めるにあたって、20~30代の俳優さんたちを中心に大規模なオーディションを行いました。1600人以上のご応募をいただき、約400人とお会いした中から、今回は5名のキャストを発表します。藤堂高虎は、圧倒的な体格と雰囲気が印象的だった佳久創さん。石田三成は、繊細なお芝居が
素晴らしかった松本怜生さん。難役でも的確に演じてくださる濱田龍臣さんには斎藤龍興をお願いし、年齢以上の落ち着きと妖艶さを見せてくれた井上和さんには茶々を。可憐かれんながらに芯のある菅井友香さんには、まつを演じていただきます。彼らの若いエネルギーや輝きが劇中でどのように発揮されるのか、ぜひご期待いただけますと幸いです。どうぞ応援のほど、よろしくお願いいたします。


2026年大河ドラマ「豊臣兄弟!」番組ロゴ完成!

デザイン/田中伽奈芽(NHK映像デザイン部)
【田中伽奈芽さんのコメント】
このロゴデザインは兄弟が共に築き上げた偉業、そして「陰の立役者」としての弟の重要性を強調する新たな視点を表しています。
「!」は弟の存在に対する注目を示すシンボルとして使用しています。弟が隠れた力を持ち、世間の期待を超えて活躍する重要な役割を担っていることを強調するため「弟」に注意を向けロゴ全体に活気とインパクトを与えることを意識しました。
築城に長けていた兄弟のイメージから石垣が積み重なっていく様子を文字の組み方に取り入れ、時間と努力を重ねた功績の象徴として用いています。またロゴの中に用いている石目模様は秀長の代表的な城、大和郡山城天守から取ったものです。下から上へと順に積み上げられた石垣が、農民から天下にい上がっていく豊臣家と重なるのではないかと考えました。
このロゴが皆さんに親しみを持って記憶に残っていくことを願っております。


2026年 大河ドラマ「豊臣兄弟!」

2026年1月スタート 毎週日曜 総合 午後8:00~8:45ほか

【物語】
尾張中村の貧しい農家に生まれた小一郎(のちの豊臣秀長)は、田畑を耕し土と共に生きる暮らしに満足しながら、平穏な日々をすごしていた。ある日、音信不通の兄・木下藤吉郎(のちの豊臣秀吉)が意気揚々と姿を見せる。若き戦国武将・織田信長に仕官して大出世を目指しており、小一郎に自分の家来になって欲しいと頼み込む。
強引な兄の誘いに巻き込まれる形で武士への転身を余儀なくされた小一郎は、母と姉妹を残し生まれ故郷の中村をあとにする。藤吉郎とともに城下町の清州に出てきた小一郎は主君・信長と運命的な出会いを果たす。その他、信長のもとで野心を燃やす若き家来たちなど、その後の木下兄弟の運命を左右する人物との刺激的な出会いの数々――。
そして、ついに「桶狭間の戦い」の火ぶたが切られる。信長の奇跡の大勝利に、武士として生きていく覚悟を決めた小一郎だが、それはピンチと苦労の連続の始まりだった――。
天下布武への道をひた走る信長のもと、メキメキと頭角をあらわしていく兄・木下藤吉郎。その天才的といわれる武功の数々を実現せしめたのが、弟・小一郎の知恵と勇気、そして持ち前の「調整力」だった。
目の前に立ちはだかるハードミッションを絶妙のコンビネーションで次々とクリアしていく木下兄弟。やがて小一郎は兄とともに、万民が笑って暮らせる太平の世を作るという夢を抱き始める。
戦国乱世を舞台に、熱い兄弟が夢と希望を胸に突っ走る、奇跡の下剋上サクセスストーリー!

作:八津弘幸
時代考証:黒田基樹、柴裕之
制作統括:松川博敬、堀内裕介
プロデューサー:高橋優香子、舟橋哲男、吉岡和彦(展開・プロモーション)、国友茜(広報)
演出:渡邊良雄、渡辺哲也、田中正