ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、小田新之助役の井之脇海さん、若木屋与八役の本宮泰風さんから、第12回の振り返りをご紹介!
井之脇海さんの第12回振り返り
——「俄祭り」に乗じて、うつせみ(小野花梨)との足抜けが成功しましたね。
前回の足抜けに失敗してから2年間、一度も会えずに思い続けていた人と再会する。しかも約束していたわけじゃなくて、思いがけず出会う。新之助としては、喜び爆発ですよね。それこそ死んでもいいくらいの、得も言われぬ思いが湧き上がったんじゃないでしょうか。
——新之助とうつせみにセリフはありませんでした。
言葉ではなく、対面したときの表情だけで互いの気持ちは通じ合うし、視聴者の方にも伝わるんじゃないかと思いました。うつせみがどんな表情をするのか、再会して自分にどんな感情があふれてくるのか、楽しみでした。
——吉原を後にしたふたりは、これからどんな暮らしをすると思いますか?
蔦重(横浜流星)から「うつせみがいつか吉原を出るときのために和算書を読んで勉強している」と聞いていましたし、浪人の新之助にはどんなところでも生き抜く力はあるでしょう。街道から外れた村で、貧乏でも幸せな生活を手に入れると思います。2年会わなくても思い続けてきたふたりですし、ただ一緒に食事をして森や川を散歩するだけで幸せなんじゃないでしょうか。

本宮泰風さんの第12回振り返り
——「俄祭り」の本番を迎えた時の気持ちを教えてください。
踊りの稽古が始まったばかりの頃は、伊藤くんと「そっちの方が簡単なんじゃないか?」とか「不公平じゃないか?」などと不平を言い合っていましたが、最後はお互いに慰め合いながら本番の日を迎えました。ひと月も何かを稽古するなんて久しぶりのことだったので、「あ、運動会当日の朝ってこんな感じだったな」と、子どもの頃を思い出しました。
——踊り終わった後はいかがでしたか?
例えると、ボクシングの試合で殴り合って、最後まで倒れずに立ったままでいた時に、お互いがお互いを讃え合うような感情でしょうか。この“ダンスバトル”を通して、僕個人と伊藤くんとの距離感がすごく縮まって、その後の撮影にもいい影響が出たように感じます。
若木屋とほかの忘八たちとの関係も同じで、ある事柄を話し合うときに、反発したり、ぶつかり合ったりすることはありますが、時には同調することもあって、話が進んでいくうちに、若木屋にも色んな側面、“人となり”が出てきます。それはどのキャラクターについても同じで、そこが「べらぼう」の楽しさなのではないでしょうか。
