2か月に1回、歯医者さんに行って歯のクリーニングをしてもらっているのですが先日、「右下の奥が虫歯になっています。しかも、深いですよ」と言われました。「前回、何も言われなかったのに、たった2か月で?」と思ったのですが、仕方がありません。神経を抜いて、“無神経”になりました(笑)。

根っこの処理などもあって、週に1回通って6週間かかりました。それはいいのですが、治療のため削った奥歯が低くなったため、ホッペの内側が歯の上に出っ張ってきて、たまにんでしまい、イテッ! となりました。嚙むと腫れてきて、さらに出っ張ります。

それもいいのですが、しゃべっているとき、たまにホッペの内側を嚙んでしまってイテッ! さらに、たまに息が漏れて、発音にも影響し、歯はしゃべるためにも大事であることを実感しました。

「深夜便」の放送中にもイテッ! とならないか、発音に影響しないか心配しましたが、なんとか大丈夫でした。しゃべりが下手なのを歯のせいにするのは、よくないですからね。

今回、感じたのは技術の進歩です。まず、治療中の歯の穴に詰めるゴム。昔のゴムは1~2日で取れてしまい、歯医者さんに駆け込んだことがありました。今のゴムは1週間たっても取れません。特殊な素材のようです。

昔は治療器具を置くテーブルに小さな火が燃えていて、医師がシャープペンシルについている消しゴムのようなゴムを火で温めて柔らかくし、指先で丸めて歯の穴に詰めてくれました。それを歯医者さんの若いスタッフに言うと、「え? ここに火が燃えていたんですか?」と驚いていました。

もう一つ。「昔に比べて麻酔の注射が痛くなくなったのは、痛くないツボでも見つかったんですか?」と医師に聞いたら「いや、針が細くなっただけです。しかもプラスチックになって軟らかくなったんです」とのこと。差し歯も、周りの歯と全く区別がつきません。この勢いでは、虫歯にならない薬ができるかも……早く欲しいですね。

(なかむら・ひろし 第2金曜担当)

※この記事は、月刊誌『ラジオ深夜便』2025年2月号に掲載されたものです。

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