これまでに放送された「素朴なギモン」とその答えを、忘れないように復習しておきましょう。
何かとせちがらい現代社会。ついイライラしてしまいがちな私たちを癒やしてくれるのが、ペットです。中でも人気は猫。カワイイですよね〜。でも、猫って、どうしてあんなにカワイイのでしょうか?


答え:大きくなっても赤ちゃんと同じだから

詳しく教えてくれたのは、ねこの博物館館長の今泉忠明さん。
人間が猫をカワイイと思う理由には、「ベビーシェマ」という概念が大きく影響しているといいます。ベビーシェマとは、猫や人間など、多くの生き物の赤ちゃんが共通して持つ特徴のこと。
生まれたばかりの動物の赤ちゃんは、それぞれの生き物としての特徴が未発達で、外見的にも似ています。そして、人間にとって、我が子はいとおしくて守りたい、カワイイ存在。
そのため、人は我が子と同じベビーシェマの特徴を持つ、ほかの動物の赤ちゃんのことも、本能的に、カワイイと認識しがちなのです。

しかし、人間をはじめ、多くの動物は、成長するにつれ、ベビーシェマの特徴を失っていきます。それぞれの生き物としての“大人”に——つまり、それなりの外見へと変貌を遂げます。
ところが、猫は大人になっても、ベビーシェマの特徴を保ったまま。

猫は本来夜行性なので、より多くの光を取り入れるため、大人になっても目が大きい=ベビーシェマの特徴を保っている。

さらに、大人の猫でもひとり遊びが好きだったりと、行動学的にも子どものような側面が。
そこで、猫は、外見的にも行動的にも、赤ちゃんと同じ特徴があるため、多くの人にとってカワイイ存在というわけです。

(NHKウイークリーステラ 2021年3月5日号より)