現在放送中の「光る君へ」、来年の「べらぼう~つたじゅうえい華乃がのゆめばなし~」に続き、2026年に放送される大河ドラマ第65作目の「豊臣兄弟!」。

物語の主人公は、戦国時代のど真ん中、天下人・豊臣秀吉の弟である豊臣秀長とよとみひでなが。秀長は「もし秀長が長生きしていれば、豊臣家の天下は安泰だった」とまで言われた天下一の補佐役。天下統一という偉業を成し遂げた“豊臣兄弟”の奇跡を描く、夢と希望の下剋上サクセスストーリーだ。

主演を務めるのは、連続テレビ小説「虎に翼」の佐田優三役の好演が記憶に新しい、演技派俳優の仲野太賀。脚本は、ドラマ「おちょやん」「家康、江戸を建てる」「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」「家政夫のミタゾノ」などで知られる八津弘幸が担当する。

10月2日、東京・渋谷のNHK放送センターで新たな出演者の発表会見が行われた。

今回発表されたのは、兄・秀吉と、物語を華やかに彩る“豊臣兄弟の恋人たち”。豊臣秀吉役は池松壮亮。小一郎(秀長)の“初恋のひと”なお役に永野芽郁。小一郎の妻・ちか役は吉岡里帆。そして秀吉の妻・寧々ねね役を浜辺美波が務める。

主演】豊臣秀長(小一郎) 仲野太賀
天下人・豊臣秀吉の弟。登場時の名は小一郎(こいちろう)。兄の天下取りをいちずに支え続けた「天下一の補佐役」といわれている。

小一郎を乱世に巻き込んだ野心家の兄
豊臣秀吉(藤吉郎とうきちろう)/池松壮亮
小一郎の3歳年上の兄。登場時の名は藤吉郎。尾張中村の貧しい農家で生まれ育ったが、主君である戦国武将・織田信長のもとでメキメキと頭角を現し、ついには天下統一を果たす。
小一郎の幼なじみ“初恋のひと”
直/永野芽郁
小一郎と藤吉郎の故郷である尾張中村の土豪の娘。小一郎と同い年の幼なじみ。男勝りな性格だが、小一郎のことをひそかに慕っている。乱世に翻弄される悲劇のヒロイン。
小一郎の正妻として生涯をともに歩む
慶/吉岡里帆

小一郎の正妻。のちの雲院うんいん。激動の時代をたくましく生き抜き、やがて兄嫁の寧々とともに豊臣兄弟を支える存在となる。夫の秀長が大和国の統治を任されると、ともに大和郡山城に入り、夫の晩年まで連れ添う。
夫の秀吉とともに天下人への階段を昇りつめる
寧々/ 浜辺美波

豊臣秀吉の正妻。秀吉が関白に就任したのちはきたのまんどころと称される。負けず嫌いの性格で、夫の秀吉とともに出世街道を駆け抜ける。やがて庶民の娘から“戦国のファーストレディ”へと昇りつめる。

秀吉役を演じるにあたり、池松は、

「主演の太賀とは10代の頃からの仲で、たくさんの時間を過ごしてきました。太賀が主演を務めることをニュースで知ったときは、親戚のような気分で本当にうれしくて。実は、知った次の日に秀吉役のオファーをいただき、まさか自分が秀吉を演じるなんて想像もしていなかったのでとても驚きました。

大河ドラマは2007年の『風林火山』以来となりますが、何百年も語り継がれてきた豊臣家、豊臣秀吉の歴史を、自分たちがこれからの時代に向けて語り継ぐことができるのか、時代に見合ったヒューマニズムというものを探しながら、秀吉を演じたいと思います」

と意気込みを語った。続いて、直を演じる永野は、

「NHKのドラマは『半分、青い。』以来の出演となりますが、久々の会見に緊張でソワソワしています。小一郎の幼なじみであり初恋の相手ということで、仲野太賀さん演じる小一郎が“初恋”できるように、魅力あふれる女性を演じられたらと思います。

まだ脚本ができあがっていない状態ですので、どんな物語になっていくのか私自身も視聴者のような気持ちで楽しみにしながら、『豊臣兄弟!』の世界にお邪魔できたらいいなと思っています」

と心境を語った。一方、今作が大河ドラマ初出演となる慶役の吉岡は、

「私も池松さんと同じように、太賀君が大河の主演に決まったニュースを知ったときはすごく感動しました。太賀君が輝く場所や姿を、この作品で共にできることを幸せに感じています。

実は、初めて夫婦役を演じたのが太賀君だったんです。そのときはとても仲の悪い夫婦を演じたんですけど(笑)。今回、どのように慶が描かれるかは未知数ですが、一緒に戦って、慶も秀長を支えることができて、秀長も慶を信頼してくれて、夫婦っていいなと思ってもらえるような夫婦像を演じていきたいです」

と、仲野との夫婦役に意欲を見せた。また、同じく大河ドラマ初出演となる寧々役の浜辺は、

「これまでそうそうたる俳優の方が演じてきた寧々役を務めさせていただくということで、今まで以上に緊張しています。歴史については教科書レベルのことしか知らないのですが、寧々役に決まってから小説を読み始めました。

今まで、寧々に感情移入したことはなかったのですが、思った以上に感情が動いて、自分の中に寧々の感情が流れ込んでくる感覚がありました。今は小説で勉強しながら、『豊臣兄弟!」の脚本が完成したら、物語の中の寧々を体の中に入れていきたいと思っています」

とコメントした。人気、実力ともに日本を代表する俳優陣が勢ぞろいし、主演として気持ちを新たにした仲野は、

「キャストの方々が決まったという報告を聞くたびに、こんなに頼もしいことはないなと感じていました。大好きな俳優さんが集まってくださって、本当に背筋が伸びる思いです。1年半の長い撮影になりますけど、こんなにてきな俳優さんが集まって、何の不安もなく、今から楽しみでしかたありません」

と信頼を寄せる俳優陣との共演に期待を膨らませていた。4人の新たな共演者を迎え、壮大な物語がどのように描かれていくのか、今から楽しみだ。


2026年 大河ドラマ「豊臣兄弟!」

2026年1月スタート 毎週日曜 総合 午後8:00~8:45ほか

【物語】
尾張中村の貧しい農家に生まれた小一郎(のちの豊臣秀長)は、田畑を耕し土と共に生きる暮らしに満足しながら、平穏な日々をすごしていた。ある日、音信不通の兄・木下藤吉郎(のちの豊臣秀吉)が意気揚々と姿を見せる。若き戦国武将・織田信長に仕官して大出世を目指しており、小一郎に自分の家来になって欲しいと頼み込む。
強引な兄の誘いに巻き込まれる形で武士への転身を余儀なくされた小一郎は、母と姉妹を残し生まれ故郷の中村をあとにする。藤吉郎とともに城下町の清州に出てきた小一郎は主君・信長と運命的な出会いを果たす。その他、信長のもとで野心を燃やす若き家来たちなど、その後の木下兄弟の運命を左右する人物との刺激的な出会いの数々――。
そして、ついに「桶狭間の戦い」の火ぶたが切られる。信長の奇跡の大勝利に、武士として生きていく覚悟を決めた小一郎だが、それはピンチと苦労の連続の始まりだった――。
天下布武への道をひた走る信長のもと、メキメキと頭角をあらわしていく兄・木下藤吉郎。その天才的といわれる武功の数々を実現せしめたのが、弟・小一郎の知恵と勇気、そして持ち前の「調整力」だった。
目の前に立ちはだかるハードミッションを絶妙のコンビネーションで次々とクリアしていく木下兄弟。やがて小一郎は兄とともに、万民が笑って暮らせる太平の世を作るという夢を抱き始める。
戦国乱世を舞台に、熱い兄弟が夢と希望を胸に突っ走る、奇跡の下剋上サクセスストーリー!

作:八津弘幸
時代考証:黒田基樹、柴裕之
制作統括:松川博敬、堀内裕介
プロデューサー:高橋優香子、舟橋哲男、吉岡和彦(展開・プロモーション)
演出:渡邊良雄、渡辺哲也