「アンパンマン」の生みの親である、やなせたかしと、その妻・小松のぶの夫婦をモデルに描く、2025年度前期の連続テレビ小説「あんぱん」。

このたび、今田美桜さん演じる主人公・朝田のぶと、北村匠海さん演じるやなたかしに大きく関わる「柳井家の人々」を演じる、新たな出演者が発表されました。


嵩の母/やな登美子とみこ役 松嶋菜々子 連続テレビ小説出演歴「ひまわり」「なつぞら」

文化的な教養が豊かであり、美しく勝ち気で利発な嵩の母。嵩が幼い頃に夫の清を亡くす。奔放な振る舞いで、嵩を翻ろうする。

【松嶋菜々子さんのコメント】
――登美子の印象と、演じるにあたっての意気込みをお聞かせください。
やなせたかしさんをモデルにした柳井嵩のお母さん役をやらせていただきます。夫を早く亡くし、子供2人を親類に預けて離れて暮らした期間があるとうかがいました。

家族の在り方が作品にも反映されていて、やなせさんの思いが詰まった『アンパンマン』という物語に大きな影響を与えたお一人だと思います。やなせさんの家族愛や人生観をより深く理解しながら大切に演じたいと思っています。

――連続テレビ小説出演作品での思い出、または“朝ドラ”の印象をお聞かせください。
「ひまわり」は、たくさんの先輩方に支えていただき無事に完走することができました。特に、いつもお着物を素敵に着こなされていた、祖母役の藤村志保さんから真っ赤な反物をプレゼントしていただいたことが心に残っています。

その反物で娘の七五三の着物を仕立てて、お参りをしました。真っ赤な着物を見るたびに、撮影当時の思い出と共に藤村志保さんの優しさと温かさを思い出しています。朝ドラヒロインの経験は、私にとって貴重な学びと成長の機会だったので感謝しています。

――やなせたかしさんの作品のイメージや好きなキャラクターは?
10代の頃、テレビでアンパンマンを見ていましたが、その優しさに切なさも感じていました。自分の子供が生まれて再びアンパンマンを見るようになり、その内容の深さを改めて再認識しました。

子供にとってはわかりやすくて楽しい物語ですが、大人になってから見るとアンパンマンから発信されるメッセージの深さやキャラクターたちの個性、そして助け合いの重要性を教えられます。アンパンマンの優しさと勇気に触れるたびに、私も人を思いやる心を持ち続けたいと感じています。

――高知の印象や思い出はありますか?
高知には20年近く前になりますが一度訪れたことがあります。その時は短い滞在だったのですが、玉ねぎとミョウガがたっぷりのったカツオのタタキが美味しかったことが印象に残っています。次回は、ゆっくりと四万十川の大自然を満喫したいと思っています。


嵩の父/やなきよし役 二宮和也 連続テレビ小説初出演

出版社を経て新聞社での海外赴任時代に病死。文学や絵に造詣が深い、嵩が大好きな父。清は既に他界しているところから物語は始まる。

【二宮和也さんのコメント】
――清の印象と、演じるにあたっての意気込みをお聞かせください。
本当に驚きました。なんとなく感覚的ではありますが、あの連続テレビ小説に自分が出演できるとは、考えてもいなかったので、ご期待に応えられるよう、共演者の方々とふっくらと柔らかい作品を作っていけたらと思います。

――“朝ドラ”の印象をお聞かせください。
もっぱら、観る専門でしたが、脈々と受け継がれている大切な枠の一つ。それぞれの時代の象徴であるというイメージです。

――やなせたかしさんの作品のイメージや好きなキャラクターは?
ナガネギマンや、ねむねむおじさん。
なんかこうメインの周りにいるキャラクター達が好きです。(勿論もちろん! メインキャラクターも好きですが!)

――高知の印象や思い出はありますか?
坂本龍馬、かつお、とまぁ、辺り一辺倒な印象で申し訳ない位です……。
もし今回、行くようなことがあるのであれば、じっくり堪能したいと思います!


嵩の弟/やなひろ役 中沢元紀 連続テレビ小説初出演

幼少期は体が弱く、兄の陰に隠れるような弟だったが、大きくなるにつれ、家族思いで優しく、文武両道の青年となる。

【中沢元紀さんのコメント】
――千尋の印象と、演じるにあたっての意気込みをお聞かせください。
僕にとって、朝ドラに出演することは役者としての一つの大きな目標だったので、出演が決まった時は心の底からうれしかったです。

千尋は、強くてたくましく、細かな気遣いもできる心の優しい青年です。皆さんと過ごす中で生まれてくる気持ちを大事にしながら、全身全霊で臨み、千尋とともに僕自身も成長していければと思います!

皆さんとお会いできるのが今からとても楽しみです!

――“朝ドラ”の印象をお聞かせください。
朝ドラは、幅広い世代の方々にたくさん愛されていて、1日の始まりを明るく元気に送り出してくれる印象があります。僕も皆様に明るい朝をお届けできるように、自分の役割を全うし楽しみながら撮影に挑みたいと思います!

――やなせたかしさんの作品のイメージや好きなキャラクターは?
僕はロールパンナちゃんが大好きで、子どものころ、風呂敷をマントに、布団たたきをリボンに見立ててよく母親に遊んでもらっていました!

――高知の印象や思い出はありますか?
僕はまだ高知を訪れたことはありませんが、自然豊かで美味しそうな食べ物がたくさんある印象です! 撮影で訪れる機会があれば、自然やご飯、その土地に住んでいる方々の温かさなど感じられたらうれしいなと思っています。


柳井家の女中/宇戸うとしん役 瞳水ひとみひまり 連続テレビ小説初出演

高知で柳井診療所を営む柳井家を献身的に支える。柳井家の面々からも慕われている。

【瞳水ひまりさんのコメント】
――しんの印象と、演じるにあたっての意気込みをお聞かせください。
出演が決まったときは「まさか私が!?」とびっくりしたと同時に、故郷である高知県へ恩返しができると本当にうれしくなりました。

柳井家に仕えている “おしんちゃん”は、柳井家のみなさんを心から信頼し尊敬しているなと感じます。私が考える「生きる喜び」とは、見返りを求めることなく相手に喜んでもらうために生きることです。

彼女の、いつも誰かのためにと動くその姿勢は、決して目立ちはしないけれど、ものすごく大きな愛に満ちあふれています。おしんちゃんが皆様に愛されるよう、精一杯彼女とともに生きようと思います!

――“朝ドラ”の印象をお聞かせください。
今回初めて参加させていただく“朝ドラ”には太陽のようなエネルギーがあります!

朝ドラを見るといつも、日本にはこんなにも素晴らしい方々が存在したのかと、誇らしい気持ちになります。私が今、当たり前に日々を生きられているのはその時代を精一杯生きた方々のおかげだと知り、今日をちゃんと、自分らしく生きようと元気が湧いてきます。

皆様にも、毎朝そのエネルギーを降り注げられるように精一杯頑張ります!

――やなせたかしさんの作品のイメージや好きなキャラクターは?
私が生まれ育った高知県では、いつどこに行ってもやなせさんのキャラクターが壁やお店などにいたので、やなせさんの作品は好きを通り越して日常となっています。

その中でも私が特に好きなのはロールパンナちゃんです。正義と悪のふたつの心を持ち、そこに悩み続ける姿は、誰しもが共感し考え続けることだと思います。
そしてなにより、かっこよくてわいいです! 小さいころはロールパンナちゃんになりたくて、リボンを持ってよく真似まねをしていました!

――高知の印象や思い出はありますか?
高知県は本当にいいところです! 人が温かくて強いです!! 本当に私は“高知県に育てられた”と日々感じています。

誰に対しても温かく優しい方が多く、きっとそれは日常の中に、やなせさんの作品が溶け込んでいるからだと思います。そんな高知県の空気や人柄を伝えたいです!


嵩の伯母/やな千代子ちよこ役 戸田菜穂 連続テレビ小説出演歴 「ええにょぼ」「なつぞら」

厳しさと優しさを持ち合わせた女性。夫の寛とともに、おいっ子の嵩と千尋を預かることになる。

【戸田菜穂​さんのコメント】
――千代子の印象と、演じるにあたっての意気込みをお聞かせください。
出演が決まったとき、とてもとてもとてもうれしかったです! 私は18歳で連続テレビ小説「ええにょぼ」のヒロインを演じさせていただきました。いつの日かお母さんとして帰ってきたいなあと夢見ていました。

私の役は育ての母ですが、やなせたかしさんの心のひだを育んだ女性です。そのことを心して、感性豊かな女性を演じたいと気の引き締まる思いでおります。頼もしい監督と、素晴らしい共演者、スタッフの皆様と心ふるえる優しさに溢れる作品になるよう、全力で取り組む気持ちです。

――連続テレビ小説出演作品での思い出、または“朝ドラ”の印象をお聞かせください。
30年以上前、NHK大阪で8か月間、朝ドラと青春を過ごさせていただきました。
今もNHK大阪に行くと、故郷に帰った気がしますし、みなさんにお帰りなさいという雰囲気で迎えてもらい、温かい気持ちになります。

あの頃、意気込みだけの何も出来ない私をそっと見守ってくださったことに、今さらながら頭が下がる思いで本当に感謝しております。

――やなせたかしさんの作品のイメージや好きなキャラクターは?
「やさしいライオン」が印象深いです。一読して泣きました。もしかしたら、この絵本に全てが込められているのではないかと思います。

今、生きていることに感謝しなければいけないと、家族との別れや戦争での苦しい体験をなさった、やなせさんゆえの愛情の深さに心底胸を打ちます。

――高知の印象や思い出はありますか?
どこまでも広い空 どこまでも広い海

「ウォーカーズ〜迷子の大人たち」(NHK/2011年放送)というドラマでお遍路さんの道を歩きました。まさにこれが、空海が見た景色かと、感じ入りました。

くじらも来る、この真っ青な広い大海原に抱かれ、高知の方々は小さいことにとらわれない強い気持ちの方が多いのではないかと思いました。

私は鬼龍院花子の生涯が大好きでして、宮尾登美子さんの小説の女性像も参考にしたいなあと、監督との打ち合わせ前ですが、ワクワクと考えております。憧れの高知弁も楽しみで仕方ありません!!


嵩の伯父/やなひろし役 竹野内豊 連続テレビ小説初出演

柳井診療所の院長をつとめる町医者。嵩や千尋にとっての育ての父で、どんな時も二人を励まし続け、生きる道しるべを示す。

【竹野内豊さんのコメント】
――寛の印象と、演じるにあたっての意気込みをお聞かせください。
今回のように実在の人物をモデルとした役を演じる場合は楽しみでありながらも、ご本人を知る方々の期待を裏切らないように取り組みたいと思っています。

私が演じる伯父の柳井寛という人物は、私たちが生きる上で根底に必要となる部分、忘れてはならないものを、日々の生活の中であたたかく思い出させてくれるような人物なのではないかと感じます。

――“朝ドラ”の印象をお聞かせください。
撮影期間が長い分、キャスト・スタッフの絆も深まりやすいのではないかなと思っています。朝ドラへの参加は初めてなのですが、日本中に愛された作品の軌跡をたどる、このような特別な作品に参加できて光栄です。

――やなせたかしさんの作品のイメージや好きなキャラクターは?
「人を大切にすること」「人に優しくすること」「分かち合うこと」「人を許すこと」「勇気を持つこと」など、人生を生きていく中で忘れてはいけないこと、それがやなせさんの作品の中には随所に詰まっていて、登場する様々なキャラクターの素直で真っ直ぐな言葉や行動によって、見ている子どもたちの心にも自然に伝わっていくのではないかと思います。

そこには大人になった今でも改めて響く部分もあり、大変学びの多い作品だと思います。

――高知の印象や思い出はありますか?
今現在、高知の森林面積は日本一だと聞いたことがあります。あの崇高な大自然の美しさを日本の誇りとして、次世代の人々にも残すことができたらうれしいですね。


<既発表> やなたかし役 北村匠海

【北村匠海さんのコメント】
柳井家が発表となりました。 錚々そうそうたるキャストの皆様が集結しました。

僕らが紡ぐのは当たり前のようで当たり前ではない日々です。時代は違えど確かな愛や人間臭さや浮き沈みの機微を丁寧に我々で描いていきたいと思います。撮影は長く楽しく厳しい道のりですが、我々が笑って作り上げていく空気を楽しみにしていてください。 精一杯、生き切ります。


【制作統括 倉崎憲チーフ・プロデューサーのコメント】
放送100年となる2025年の連続テレビ小説に、新たに素晴らしいキャストの皆様にお集まりいただきました。

嵩の母役に松嶋菜々子さん。衣装合わせで扮装をまとった松嶋さんを目の当たりにした時、まさに我々が想像していた登美子そのもので、鳥肌が立ちました。衣装合わせで鳥肌が立ったのは初めてかもしれません。

嵩の父役に二宮和也さん。小学生の時に人生で初めて連ドラを全話観た二宮さん主演のドラマがキッカケで、私はドラマの世界を志しました。いつかご一緒したいと長年願い続けてきたことが叶い、光栄です。今回わずかなご出演ではありますが、物語に温かいものを吹き込んでくれるはずです。

中沢元紀さんは、弟の千尋役のオーディションで自身の弱みも含めて包み隠さずにさらけ出して下さり、優しくも強い眼差しが千尋役とリンクしました。高知出身の瞳水ひまりさんは、しん役のオーディションで土佐ことばで「あんぱん」や家族への想いを聞いた時に、純粋に応援したくなり、 “誠実に、一生懸命に”こそが道を切り拓くと感じさせてくれました。真っさらな瞳水さんだからこその表現に期待します。

実母の登美子から嵩を預かり、寛と共に育てる伯母役に戸田菜穂さん。登美子役の松嶋菜々子さんとの緊張感ある芝居のかけ合いも今から楽しみです。

そして、嵩にとっての育ての父・寛役には竹野内豊さん。嵩の本当にやりたいことを認めて支える懐の深さがあり、喜び哀しみも含め“生きること”をにじませていただけると思い、オファーさせていただきました。

柳井家の人々が嵩に限らず、主人公の朝田のぶにもあらゆる影響を与えていくことになります。

いよいよクランクインも近づいてきましたが、魅力溢れるキャスト陣が集う「あんぱん」にご期待ください!


【ドラマのあらすじ】
昭和のはじめ頃、高知の町中をものすごい勢いで走る少女がいました。「ハチキンおのぶ」こと、あさのぶ(今田美桜)です。一方、幼い時に父を病気で亡くしたやなたかし(北村匠海)は、伯父の家に引き取られ、転校先の学校でのぶに出会います。
戦争の足音が近づく頃、女子師範学校に通っていたのぶは周りと同様に、妄信的な軍国少女になっていました。やがて戦争が始まり、嵩は出征。嵩は弟・ひろを戦争で亡くし、のぶも最愛の人を亡くしました。
のぶは戦争で全ての価値観が変わり、「何が正しいかは自分で見極めなければならない」と高知の新聞社に女性初の記者として就職。戦後、クズ拾いの仕事を辞めた嵩が新聞社に入社してきて、2人は同じ雑誌の担当に。嵩は東京で漫画家を目指したい気持ちがありつつも、生活していけるか不安でした。
のぶはそんな嵩に「あなたも後から来なさいよ。先に東京に行って待っているわ」と告げ、新聞社を辞め上京。のぶを追いかけ上京した嵩と、六畳一間のオンボロアパートでの生活が始まります。お風呂はなくトイレは共同。天井には穴があき、雨の日は傘をさして入らなければいけないが、晴れた夜には星が見える。そんな暮らしをおもしろがり、「どんな環境でも楽しめるこの人と一緒にいたい」と2人は結婚。『手のひらを太陽に』『アンパンマン』が世に出るのは、まだ先のことです――。

2025年度前期 連続テレビ小説「あんぱん」

2025年春放送スタート
作:中園ミホ
出演:今田美桜、北村匠海ほか
制作統括:倉崎憲
プロデューサー:中村周祐、舩田遼介、川口俊介
演出:柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大ほか