これまでに放送された「素朴なギモン」とその答えを、忘れないように復習しておきましょう。
食べ始めると、ついつい、 もう1本、さらにもう1本と、手が止まらず、やめられなくなってしまうフライドポテト。ああ、これ以上は食べ過ぎなのに……。でも、それって何か理由があるのでしょうか?

答え:カリウムとナトリウムの無限ループが生まれるから

詳しく教えてくれたのは、服部栄養専門学校・鈴木あき専任教授。
いわく、「フライドポテトが止まらなくなるのは、まず“おいしい”のが大前提ですが、 ある2つの条件を満たしている食べ物だから」だと言います。

1つ目は、油で揚げていること。油は、口に入れると脂肪酸に分解されますが、これによって脳に味を伝える能力が格段にアップ。食べ物がよりおいしく感じられるのです。

2つ目は、カリウムとナトリウム(塩分)の無限ループ作用。 これらは人間にとって必要不可欠な栄養素で、細胞や血圧を正常に機能させるため、常に適切な割合を保とうとします。つまり、カリウムの量が増加すると、自然とナトリウムを欲するというわけです。

体内のカリウム(K)とナトリウム(Na)は、 適切な割合を保つことで正常に機能する。そのため、常にこの量のバランスを保とうとするという。

フライドポテトの原料のじゃがいもには、豊富にカリウムが含まれています。そのため、フライドポテトを食べると、体内のカリウムが増加。体は塩分を欲します。

そこで、塩のついたフライドポテトが食べたくなって食べる。するとまたカリウムの量が増える、塩分が欲しくなりフライドポテトを食べる、するとカリウムが増え……というわけです。

この無限ループこそが、フライドポテトが止まらなくなる、最大の理由だったのです。

ちなみに、ビールと枝豆もカリウムが豊富。つまり、ビールを飲むと、塩をふった枝豆が止まらなくなるのも、同様の「無限ループ」の作用だとか。

(NHKウイークリーステラ 2021年1月29日号より)