オンエア情報
「三宅くん&徹子さん みんないっしょに手話テレビ」
3/18(金) Eテレ 午後10:30~11:00
再放送 3/23(水) Eテレ 午前10:25~10:55 4/4(月) Eテレ 午後3:00~3:30

●「みんなの手話」初の特別編!

日常生活で使われる自然な手話を楽しく学ぶ、 初心者向けの“語学番組”「みんなの手話」。4月からの新シーズンに先駆けて、初の特別編「みんないっしょに手話テレビ」が放送される!

舞台は、手話を教えるのが大好きなろう者の店主、森田明(= 講師)が開くカフェ「みんなの手話」。手話学習中の客である三宅健(=ナビゲーター)が、 森田や新人店員の那須映里、ろう者の常連客たちに見守られながら、楽しく手話を勉強する。

手話とおしゃべりを愛するかわいいシュドラ。でも、なぜ“ドラゴン”なのか? その答えは、番組で明らかに!

今回の特別編では、このカフェに、店の“看板ドラゴン”ことシュドラの声を演じる黒柳徹子が初来店! 手話にまつわるさまざまなトークを楽しく展開する。

本誌では、その収録現場を取材。番組の見どころを紹介するとともに、出演者、監修者に手話への思いを聞いた。


●知っておきたい! ろうの世界

ふだん「聞こえる人」の世界で生きていると、なかなか触れることがない手話やろう文化。番組を見る前に知っておきたい用語を解説する!

手話には、すぐに覚えられる簡単な表現も!たとえば、両手を上げてひらひらと動かすのが、ろう者の拍手だ。番組内では、講師の森田明とシュドラが(!?)レクチャーする!
〈手話〉
手や指の動きだけではなく、顔のパーツや肩などの体の動きを組み合わせてさまざまな情報を伝える。音の情報を必要としない、“目で見る言語”。
〈ろう者〉
日本手話を第1言語として日常的に使って生活している「聞こえない人」のこと。
※日本手話⋯日本で使われている手話。
〈聴者〉
「聞こえる人」のこと。主にろう者と対比して言うときに使う。

●特別編「みんないっしょに手話テレビ」の特徴は?

ポイント①“ろう文化”がわかる!

オシャレなだけじゃないんです!

ろう者は、聴者とは異なる独自の文化を持っている。同じ日本に住んでいても、コミュニケーションの方法や生活のしかたなど“違い”がいっぱい。

たとえば、セットの中のこのランプ(上画像)。チャイムの代わりにチカチカ点滅することで、来客を知らせる役目を果たしている。

ポイント②“ろう通訳”が見られる!

ろう通訳者の湯山洋子さん(左)と黒柳さん(右)

今回は、スタジオに、ろう通訳者が登場。“ろう通訳” とは、聴者の手話通訳者(フィーダー)が音声をもとに通訳した手話を、さらにろう者の通訳者が、より自然な手話に通訳すること。

これによって、その場にいる全員が、自分の第1言語で情報を受け取ることができ、 ストレスなく会話を楽しめるという。

詳しいしくみは、 ぜひ番組でチェックを!

ポイント③意外な“ご縁”が発覚!

黒柳さんと那須さんの“ご縁”とは!?

カフェの店員として出演している那須映里は、自身も両親も、家族全員がろう者の“デフファミリ ー”。
そして母の那須善子は、「みんなの手話」に講師アシスタントとして出演中だ。

そんな那須家と黒柳の、意外なつながりが番組の中で明らかに。
黒柳もびっくりの“ご縁”とは?


●取材メモ「番組制作も異文化交流!?」

ろう者と聴者が入り交じっての収録。番組制作において、不都合やすれ違いが起きたりはしないのだろうか?

聞くと、ろう者の第1言語である手話には、書き言葉がないため、“(文字以上に)実際に目で見たものを通じて情報を理解する”という特徴があるという。 

そのため、当初は台本どおりに撮影を進めようとしても、なかなかうまくいかないことも……。

しかし、お互いがそれに気づいてからは、事前に段取りをとことん話し合うことで、スムーズな収録が可能になったとか。

言語が違うことで生じる“違い”に 気づき、受け入れ、歩み寄る。
その試行錯誤の中で、「みんなの手話」の収録は行われているのだ。


撮影/日下部健史 取材・文/大野瑞紀

(NHKウイークリーステラ 2022年3月18日号より)