圧倒的な実力と人気を誇る作家・桐野夏生が手掛けた小説『燕は戻ってこない』。「命は誰のものか」という重要なテーマを、鮮烈なエンターテイメントに仕上げ、第57回吉川英治文学賞、第64回毎日芸術賞をダブル受賞した傑作だ。
この原作を、連続テレビ小説「らんまん」の長田育恵が脚色。
近年活躍めざましい石橋静河を主演に、稲垣吾郎、内田有紀、森崎ウィン、戸次重幸、黒木瞳ほか豪華出演者が集結し、社会的関心が高まる生殖医療の光と影を描きだします。
派遣社員として暮らすリキ(石橋静河)は悩んでいる。職場の同僚から「卵子提供」をして金を稼ごうと誘われたのだ。
アメリカの生殖医療エージェント「プランテ」日本支社で面談を受けるリキ。そこで持ち掛けられたのは「卵子提供」ではなく「代理出産」だった。
元バレエダンサーの草桶基(稲垣吾郎)とその妻、悠子(内田有紀)が、高額の謝礼と引き換えに2人の子を産んでくれる「代理母」を探しているというのだーー。
主人公・大石理紀(リキ)役 石橋静河さんコメント
この物語で行われるひとつひとつの選択において、誰も、誰のこともジャッジできない、と思いました。あらすじやトレーラーだけをみて映画を批評することができないように、他人の人生の表層だけをみて批評することは、本来ありえないことなのだと思います。
原作を読んで、貧困や女性蔑視、差別など、さまざまな叫びが頭の中に響きました。そしてこれを映像化することの重みを強く感じました。
今回リキという女性を、自分の身体を通して演じられることは、これからの人生において財産になる、と感じました。素晴らしいキャスト、スタッフの皆さんと、力を合わせてこの「問題作」に立ち向かいたいと思います!
元トップバレエダンサー・草桶基役 稲垣吾郎さんコメント
台本を読んだ時にとても考えさせられました。不妊治療、卵子提供や少子化問題、貧困問題が深刻な昨今、これはいま現在も多くの人が悩んでいることであり、決して他人事にできないお話でした。
出演者・スタッフの皆さんと心寄せ合いながら、感情の揺らぎを丁寧に表現していきたいと思います。
基の妻・草桶悠子役 内田有紀さんコメント
人は生きていくのに社会からはみ出さないように、何とか折り合いをつけて生きていく。
また、自分の人生を精一杯生きたいと思っても、肉体がそれを許してくれない事もある。
子供がいない夫婦。
そして、代理母。
この作品を通じて皆さんと共に、生殖医療について何か一つだけでも答えらしきものが見つけられるよう真摯に向き合いたいと思います。
ドラマ10「燕は戻ってこない」(全10回)
2024年4月30日(火)スタート
毎週火 総合 午後10:00~10:45ほか
原作:桐野夏生
脚本:長田育恵
音楽:Evan Call
出演:石橋静河、稲垣吾郎 / 森崎ウィン、伊藤万理華、朴璐美 / 富田靖子 、戸次重幸、内田有紀、黒木瞳ほか