葛飾北斎とともに世に知られる浮世絵師、歌川広重。実は、広重は火消し同心として江戸の火事を消すかたわら、絵を描いていた!
語られることの少なかった広重を、ともに歩んだ妻・加代との夫婦の物語としてドラマ化した「広重ぶるう」がBSプレミアム4Kで放送される。


【物 語】
文政13年(1830年)。歌川広重(阿部サダヲ)は家業の火消しで生計を立てる下級武士。派手な美人画・役者絵全盛の中、広重は地味な画風のため売れず、もがいていた。そんな広重を、妻・加代(優香)だけは気丈に励ましつつ、質屋に通い、身を削って支える。
ある日、とある版元から渡されたうちわに「ベロ藍」という舶来絵具で絵が描かれているのを見た広重。その美しさに衝撃を受け、叫ぶ。
「この青が生きるのは空!」
鬼才・葛飾北斎(長塚京三)の存在、同門の歌川国貞(吹越満)との差を感じつつ、広重はベロ藍を初めて使用して「東都名所」を描くが、売れ行きは不調。
そんな中、献身的な加代のつながりで「東海道五十三次」を出版する版元・保栄堂の主人・竹内孫八(髙嶋政伸)と出会う。周りの人間に支えられ、広重は苦しみながらもおのれの描きたい画を追い求める。しかしついに描きたいものが見つかった矢先、加代の身に……。
やがて、安政の大地震が発生。失われた江戸を求めて、広重は再び筆をとる。ベロ藍を武器にした広重は、後にゴッホが模写し、世界の絵画に大きな影響を与える名画「名所江戸百景」を描き出す!


広重役は、阿部サダヲ。妻・加代を優香が演じる。出演にあたり阿部は、
「『東海道五十三次』などの作品は知っていましたが、広重が火消しを生業なりわいとしている武士だったということ、絵師として売れるまでは妻の支えがなければ厳しかったこと等は知らなかったので、このドラマであまり知られてなさそうな部分の広重をお見せできたらと思っています」
と意気込みを語る。また優香も、
「加代さんは、広重さんの才能、優しさ、面白さを誰よりも理解していて、信じていて、広重さんをずっと支えている方です。歌川広重さんの絵はどこかで一度は目にしていたと思います。そんな人たちの世界の中に入れること、こんな素敵な加代さんを演じることができるのは、幸せです」
と思いを語った。

広重をめぐる夫婦愛、人間ドラマはもちろんのこと、美しき浮世絵の世界を、ぜひBSプレミアム4Kの鮮やかで精細な画質で楽しんでほしい。


特集ドラマ「広重ぶるう」

原作:梶よう子『広重ぶるう』
脚本:吉澤智子
音楽:遠藤浩二
語り:檀ふみ
出演:阿部サダヲ、優香
   勝村政信 笹野高史 渡辺いっけい 前野朋哉 黒沢あすか 中島ひろ子
      若林時英 野添義弘 吹越満 髙嶋政伸 / 長塚京三
演出:井上昌典
制作統括:佐野元彦(NHKエンタープライズ)、松田裕佑(松竹)、 遠藤理史(NHK)