日本を代表するオーケストラNHK交響楽団(N響)が、今年12月に通算2000回となる定期公演を開催します。

記念すべき公演の曲目は、マーラー作曲《交響曲第8番「一千人の交響曲」》。8人の独唱者、2組の混声合唱団、児童合唱団、そしてオルガンを含む大編成のオーケストラで演奏される大曲です。

初演の時の演奏者が1000人になったということで「一千人の交響曲」と呼ばれるようになったこの曲、作曲者のマーラーは「宇宙が鳴り響く様子を想像してください」と言ったそうですが、演奏会当日は会場のNHK ホールが壮大な響きで満たされることでしょう。

タクトを振るのはN響首席指揮者のファビオ・ルイージさん。イタリア出身の世界的な指揮者です。モーツァルトやベートーベンからマーラー、R.シュトラウスといった「ドイツ物」を中心に、「歌心」と「情熱」あふれる音楽作りで聴き手を魅了しています。指揮姿も情熱にあふれたもので、聴き手の私たちにもルイージさんの熱い思いがぐんぐん伝わってきます。

今回、ルイージさんからステラ net にメッセージをいただきました。
「記念すべき演奏会を指揮するのはとても名誉なことです。この交響曲は類を見ない大きさで、全編聴き所満載の作品です」
演奏にかけるマエストロの意気込みに、当日への期待が高まります。

▼N響首席指揮者 ファビオ・ルイージさん メッセージ動画▼

N響の楽員も2000回に向けて張り切っています。およそ100人の楽員は、皆、優れた技量と音楽性の持ち主。いわば「プロ中のプロ」の集まりがN響です。しかも音楽にかける思いは指揮者のルイージさんにも負けません。高い技量と熱い思いが合わさり、楽員全員が一つになって音楽を奏でる。その臨場感と迫力たるや! それこそが生のオーケストラを聴く喜びです。録音や放送では味わえない「生の音」のすばらしさを、ぜひ体験してください。

今回、首席ホルン奏者の今井仁志さんがステラnetのインタビューに答えてくださいました。
「N響には、N響ならではのサウンドの厚みがあります。そのサウンドに包まれながら、時にそれを突き抜けるように演奏することが、N響で演奏する醍醐味です」と、N響の魅力を語ってくださいました。

▼N響首席ホルン奏者 今井仁志さん インタビュー動画▼

N響の前身である新交響楽団が設立されたのが 1926(大正 15)年10月。そして、翌1927(昭和 2)年2月20日、第1回の予約演奏会(現在の定期公演)が開催されました。

以来、かれこれ100年近くをかけて、N響は第2000回定期公演にまで至ったわけです。戦時中も中断することなく演奏会を続け、戦後1951(昭和 26)年にNHK交響楽団と名称を変更。カラヤンやサヴァリッシュなど世界の超一流の指揮者を招く一方、海外の音楽祭にも出演。国際的にも高く評価されています。

数々の歴史的な名演奏を生み出してきたNHK交響楽団。その名演奏の歴史に、また新たな1ページが加わります。

NHK財団 松井治伸


「NHK交響楽団 第2000回 定期公演 Aプログラム」
12月16日(土) 午後6:00開演 会場 NHKホール
12月17日(日) 午後2:00開演 会場 NHKホール
【お問い合わせ・お申込み】N響ガイド WEBチケットN響

「月刊ラジオ深夜便」12月号(11月17日金曜発売)では、松井治伸アンカーの「N響探訪」を掲載予定です。