「子育て世代間ギャップ」をテーマにお届けした7月の「みんなの子育て☆深夜便」
時代の移り変わりと共に子育てにおけるデフォルトも目まぐるしく変化する中で、祖父母世代と子育て世代のすれ違いをどう埋めていくのか、とても興味深い回でした。

おそらく、子どもを育てる誰もが、少なからずこのギャップに悩んだことはあるのではないでしょうか。わたし自身も、もれなくそのうちの1人。育児の右も左も分からず、母が子育ての大先輩としてサポートしてくれるのは非常にありがたかったのですが、徐々に彼女の理想を押し付けられるように感じることが増え、そのたびに衝突…。

たとえば、母方の祖母は、時間に関わらずわたしにおやつをたくさん与えてくれる人で、母はそれを見つけるたびに「夕飯が食べられなくなるから、そんなにおやつ食べさせないで!」と注意していたのですが、そんな母は今、まるでかつての祖母のようにわが子たちにおやつを与えまくります。
「ねぇお母さん、おやつあげ過ぎって、よくおばあちゃんのこと叱ってたよね」と嫌味たっぷりに伝えても「孫は違うのよ」と笑顔で返される始末。

そして、こんな事も。母はとにかく教育熱心で、わたしは幼い頃からとにかく勉強第一で育てられてきました。つまり、彼女は学歴重視だったわけですが、いつしかその事に違和感を感じるようになり「自分の人生は自分で決める!」と主張して、大学時代は母と半年間連絡を取らない、なんてこともありました。

だから、わが子にも机上の勉強だけでなく、もっと広い視野を持って自分らしい道を歩んでほしいと常々思っている中、長女が生まれて3歳くらいになった頃でしょうか、事件は起きました。

実家に帰省したら、リビングの机の上に幼児用の問題集が置かれていたのです。「え?孫にも?」と二度見して、一気に頭に血がのぼったのは言うまでもなく…。ただ、「こういうの本当に辞めてほしいんだけど」と伝えても「まぁいいじゃない!」と母はあっけらかんと全く悪気はないんですよね。だからこそタチが悪い。

当時はその都度イラっとしていましたが、子を産むたびに、4歳になれば4歳用、5歳になれば5歳用の問題集が用意されていて、さすがに最近は見て見ぬフリができるようになりました。

おそらく、これは彼女にとっての生きがいなのだと理解したからです。孫の横に座って熱心に何かを教える姿を見て、母は純粋に、子どもにお勉強を教えてあげるのが好きなんだなぁと客観的に思えた時「わたしも大人になろう」と、許容する決心がつきました(笑)。

机の上に乗る子を叱るか否か、オムツは紙?布?、食事中にテレビを観る観ないどっち?、こどもにはちゃんと叱る、もしくはなるべく怒らない? などなど、番組に寄せられたさまざまな世代間ギャップも、実はみんなの愛情が渋滞するからこそ生まれるんですよね。何より、この時代に多世代で子育てしている証拠だし、決してネガティブなものではない気がします。

ただ、お互いがかたくなに自分の価値観を押し付けず、世の中の変化も受け入れつつ、子育てというかけがえのない経験を、世代を超えてみんなで楽しめるといいなぁと思います。

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▼「みんなの子育て☆深夜便」▼
9月のテーマは「落語に学ぶみんなの子育て」
ゲストは落語家・春風亭一之輔さんと子育て支援の専門家・汐見稔幸さん
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モデル・1978年静岡県浜松市生まれ。2男2女のママ(15歳、13歳、10歳、5歳)。モデルとして雑誌、webやCMなどに出演。夫婦で手がけるフードユニットkatarite(語り手)や、子育てにまつわるコラム執筆など多方面で活動中。2022年よりNPO法人neomuraの広報にも携わる。