育休中の男性刑事・秋月はる​風(金子大地)が、育児中だからこそ気付いたヒントをもとに事件を解決していくライトミステリードラマ「育休刑事」。主演を務める金子大地に、ドラマへの思い、春風の息子・蓮との共演、そして終盤の見どころについて話を聞いた。


――ここまでのドラマの反響はいかがですか?
「おもしろい!」と言ってくださる方が多くて、とてもうれしいです。そのなかでも「蓮君、かわいい!」という感想をたくさんいただきます。春風としての見せ場も全部蓮君に持っていかれている感覚がありますね(笑)。

「育休刑事」に出演して強く感じたのは、子育ては、家族や周囲の人がしっかりと支える環境づくりがとても大切だということ。第3話で「ワンオペ育児」の問題が取り上げられましたが、赤ちゃんがどんなにかわいくても、ずっと一緒にいてお世話するのって大変ですし、親も人間なので息抜きする時間は必要ですよね。お芝居で育児するだけでも、いつも以上にへとへとになってしまって。子育ては想像していた以上に大変だと感じました。今作が、みんなで子どもを支えあう社会について考えるきっかけとなったらうれしいですね。

――赤ちゃんと一緒に演じる難しさはありましたか?
それが全然なくて、むしろ助けられてばかりです。笑顔を見るだけで、疲れが自然と吹きとびますし、「よし、頑張ろう!」と元気をもらえるんです。蓮君と接するシーンは、「演じよう」という感覚はまったくなくて。蓮君の表情や動きに対して感じたまま演じるだけで、親子の空気感を作ることができました。春風を自然に表現できているのも蓮君のおかげ。今回、蓮君にはいろんな場面で助けられています。

――赤ちゃんをあやす経験はこれまでありましたか?
赤ちゃんと関わることがこれまでなかったので、抱き方など基本的なことを一から教わって、撮影に臨みました。蓮君は本当に可愛くて、蓮君がいる日といない日では、全然テンションが違っていたと思います(笑)。撮影以外の時間では、ずっと蓮君と遊んでいました。今後、自分にも子どもができたら「早く帰りたい!」って思うんでしょうね。

――撮影が終わったら、蓮君ロスになっちゃいそうですね。
そうなんです…! 実は先日、蓮君とのシーンを撮り終えて、もうお別れしてしまったので本当にさみしいです。少し月日がたてば、僕のことも忘れてしまうんだろうな…とか考えてしまって。蓮君との写真はたくさん手元にあるので、その写真を見ることが最近の癒やしになっています(笑)。いつか再び蓮君と共演することができたら最高ですね。

――春風を演じるうえで大切にしてきたことはありますか?
春風は、個性のあるタイプではなくいわゆる普通の人間です。これまで、冷静に周りを見つめるフラットな役を演じる機会があまりなかったので、新鮮でした。こんなにツッコミを入れることもありませんでしたから。

その中で、前田敦子さんや北乃きいさん、鶴見辰吾さんはじめ、共演者の皆さんが、濃いキャラクターをエンジン全開で演じられていたことに、とても助けられました。特に僕が何かを意識するというよりは、皆さんの演技に対して素直に受けていれば成立するんです。受けの演技が多い春風にとって演じやすい環境を作っていただいたことに、感謝しかありません。ただ皆さん本当に熱く演じられるので、途中から僕もふざけたくなっちゃうことも。その気持ちを抑えるのに、少し苦労しました(笑)。

――終盤の見どころ含め、最後にメッセージをお願いします!
ここまで赤ちゃんがしっかり映っているドラマは他にないかと思います! なかでも蓮君のすてきな表情をしっかり切り取ることは、制作チーム一体となってこだわった部分。ぜひ、蓮君の姿に癒やされてほしいです(笑)。

ミステリードラマとしても、春風たちが事件を解決する様子を明るいタッチで描く、見ごたえのある内容となっています。とても面白い作品に仕上がっていると、自信をもっていえます。途中からでも楽しめる内容ですので、ぜひ多くの方にご覧になっていただきたいです。

物語もいよいよ終盤。これまで1話に1つの事件が描かれていましたが、9話と10話(最終話)はストーリーがつながった、ダイナミックな物語。個人的に、一番印象に残っているエピソードです。春風、そして蓮君の成長と共に、「育休刑事」がどんな結末を迎えるのか、ぜひ楽しみにしてほしいです。

金子大地(かねこ・だいち)
1996年9月26日生まれ、北海道出身。NHKでの主な出演作に、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、「腐女子、うっかりゲイに告る。」「藤子・F・不二雄 SF短編ドラマ『流血鬼』」「犬神家の一族」など。