沖縄に夏を告げるハーレー。

“ウミンチュ(海人)の町”と呼ばれる沖縄県いとまん市。ユッカヌヒー(旧暦5月4日)には海の恵みに感謝し、航海の安全を願う「糸満ハーレー」が開催されます。伊敷リポーターが、ハーレーに沸く町の様子を伝えます。
…漁師

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ユッカヌヒーが近づくと、糸満の町はどこかそわそわし始めます。地元の漁港で、伝統行事のハーレーが行われるのです。

ノロ(祝女) のウガン(御願)が終わると、旗を合図にハーレーがスタート。漁師たちがサバニ(舟)をいで速さを競います。舟をわざと転覆させるクンヌカセー(転覆競漕きょうそう)は、漁師の町ならではの種目。

合図とともに一瞬で舟を転覆させ、再び起こしてレースを続けるクンヌカセーも見どころ。

子どもや職場仲間のチームも出場し、パーランクー(太鼓)やかねの音、歓声と指笛で漁港は白熱! そしてハーレーとともに梅雨が明け、沖縄に暑い夏がやって来るのです。

*2023年の糸満ハーレーは、6/21(水)に開催予定。

▲レースの合間の子どもたちの出し物も楽しいひと時。

▲▼丘の上の拝所でウガンを終え、旗が振り下ろされるとハーレーがスタート。
▲旗振り役のデーフィのもと、一糸乱れず舟を漕ぐウミンチュたち。

写真提供/糸満市


伊敷聡子 (いしき・さとこ)

沖縄県那覇市在住。NHK沖縄放送局キャスターを経て、現在は司会業。「日本列島くらしのたより」に5/16(火)ほか出演。

(月刊誌『ラジオ深夜便』2023年5月号より)

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