「青のオーケストラ」
毎週日曜 Eテレ 午後5:00~5:25
再放送 毎週木曜 Eテレ 午後7:20~7:45
※放送予定は変更になる場合があります。
【番組HP】https://www.nhk.jp/p/ts/3LMR2P87LQ/
「死ぬ気でヴァイオリンを弾き続けろ」
父がそう言った、あの日、決めたんだ。もうヴァイオリンは弾かないって――。
「青のオーケストラ」第1話がとてもよかったので、再放送までリアタイ視聴しちゃった♪ ということで、極私的レビュー、まさかの #1.5!
阿久井真さんの原作マンガが丹念に映像化された物語の導入部分は、青野くんが世界的ヴァイオリニストである父親に対して抱える複雑な思い(かつては憧れの存在でありながら、今は憎悪の対象)が軸になっているため、やや暗い印象も受けますが、それはこれからの物語の展開に欠かせない部分でもあるので、原作ファンとしてはきちんと描いてくれてよかった、と思いました。
その原因となったのは、父親のスキャンダル騒動なわけですが、原作では具体的な内容が読者に明かされるのはもう少し後なのが、アニメでは雑誌の記事として「裏切りの不倫愛」と描写されていましたね。これも、ひとつの伏線になるのでしょう。
それにしても、夫のスキャンダルに苦しめられた青野ママ。いつか再び青野くんが楽器を手にするかもしれない日のことを考えて、「開かずの間」になっている防音室をきちんと維持してくれていて。父親、そしてヴァイオリンへの葛藤を抱えている息子に声をかけてあげたい思いもあるだろうに、「もう(部屋を)使わないでしょ?」と言う青野くんを、「そっか」と静かに受け止めてくれる……。なんて、すてきなママなんだ!
原作未読で第1話を視聴された方に強調しておきたいのは、静かでゆっくりとした立ち上がりのアニメだけど、回を追うごとに物語が盛り上がっていくこと。ここで断言しておきます。音楽の主題が途中で転調するように、突然、感動の展開が現れるんだから!
そいつは突然、バイオリンを持って俺の前に現れた。
秋音律子。これが俺と彼女の出会いだった――。
そして、16日(日曜)放送の第2回「秋音律子」は……。公式サイトの、もっと楽しむ「青のオーケストラ」!( https://www.nhk.jp/p/ts/3LMR2P87LQ/blog/bl/pJyB1dObY7/)に出ているから、もう、はっきり書いちゃうけど。
パッヘルベルの「カノン」(独奏)です!
このアニメが取り上げられた番組で紹介されまくっていたから、作品の中で大切にされていることが伝わっているとは思いますが、この曲が流れる場面は、見逃しちゃだめです!
大事なことなので、2度書きます。
絶対に見逃しちゃだめです!!!
追記
第1話冒頭で、青野少年(演奏は、東亮汰さん)が観客の前で披露したメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」。その伴奏者としてクレジットされているのが、「ピアノの森」で雨宮修平の演奏を担当していたピアニストの髙木竜馬さんでした。そうか、青野くんは雨宮修平に伴奏を頼んだのか!(←違います
カツオ(一本釣り)漁師、長距離航路貨客船の料理人見習い、スキー・インストラクター、脚本家アシスタントとして働いた経験を持つ、元雑誌編集者。番組情報誌『NHKウイークリー ステラ』に長年かかわり、編集・インタビュー・撮影を担当した。趣味は、ライトノベルや漫画を読むこと、アニメ鑑賞。中学・高校時代は吹奏楽部のアルトサックス吹きで、スマホの中にはアニソンがいっぱい。
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