——サッカーワールドカップの開催に合わせて、BS1で再び「アオアシ」を楽しんでいただけることになりました。大鈴さんが考える「アオアシ」の魅力や、おすすめのシーンを教えてください。

大鈴 Eテレで見てくださった方もたくさんいらっしゃると思いますが、とにかくアツい作品です! 言い出すとキリがありませんが、第1話『ファーストタッチ』から始まり第4話『CROW』、第12話『EAGLE EYE』などなど、心が震える熱い場面がたくさんある一方で、第5話『オレンジ色の景色』や第14話『たかがサッカー』、第24話『ここから』のような人間ドラマも本当に魅力的で、僕は放送を見ながら何回も泣いてしまいました。

そして何といっても第13話の『転』は、ここから本当の「アオアシ」が始まると言っても過言ではないくらい衝撃的で、今となってはつらくもあり、大好きでもある回です。登場するキャラクターひとりひとりにもたくさん魅力が詰まっていますので、ぜひ何回でも見ていただきたいです!

ⓒ小林有吾・小学館/「アオアシ」製作委員会
ⓒ小林有吾・小学館/「アオアシ」製作委員会

——アフレコ収録が始まる前に、お一人で愛媛県を訪ねられたと聞きましたが、実際にアシトの故郷に足を運んでみて、どのような印象を持ちましたか?

大鈴 愛媛県は空気のゆったりとした、穏やかで温かいところで、初めて来たはずなのにどこか懐かしく感じるような、居心地の良い場所でした。食べ物もおいしかったですし、道後温泉も最高でした。

その中でもアシトの故郷である伊予市双海町は、自然の緑、海と空の青に囲まれていて、実際にその景色を見られたことで、「彼がここで生きてきた15年間」を  ——双海に行く前よりもずっとリアルに——イメージすることができたので、アシトを演じるうえで、行けてよかったなと思いました。

ⓒ小林有吾・小学館/「アオアシ」製作委員会

——原作を描かれた小林有吾先生ともお会いになりましたか?

大鈴 アフレコの際にスタジオに小林先生がいらしてくださり、2人でお話させていただきました。僕は、緊張やうれしさやいろいろな感情があふれて泣きそうになりながら、「アオアシ」を生んでくださったことへの感謝や、アシトを演じさせていただく意気込みなどをお伝えしました。先生はうまくまとまらない僕の話を「うんうん」とうなずきながら聞いて受け止めてくださって……。最後に(伊予ことばで)「頑張ってな!」と優しく肩を叩いてもらって、そのことがすごく印象に残っています。

ⓒ小林有吾・小学館/「アオアシ」製作委員会

——アフレコ収録では、全力でアシトを演じていらっしゃったと思うのですが、そこから少し時間を置いた今、どんな思いを持っていますか?

大鈴 収録やEテレで放送されていたことがすごく前のことのように懐かしく感じる自分と、つい昨日のことのようにはっきり思い出せる自分がいるという、不思議な状態になっています(笑)。でも今改めて考えると、いちばん最初に出てくるのは「本当に楽しかったなぁ!」という思いですね。この作品は、間違いなく僕にとっての“原点”です。本当にたくさんの経験をさせていただきました。

以前、取材でご一緒させていただいたときに阿久津渚役の武内駿輔さんが「自分にとっての原点になる作品は、そのときのまっすぐな気持ちや熱い気持ちを思い出せるから、時々見返しています」とおっしゃっていたのですが、僕もこれからの声優人生、——いい時も悪い時もあると思うのですが——、「アオアシ」という、大好きでとても大切な作品があることを誇りにして頑張っていきます。

おおすず・こうき
10月5日生まれ、東京出身。2021年に声優デビューし、2022年の「アオアシ」青井アシト役が初主演となった。ほかに「アニ×パラ〜あなたのヒーローは誰ですか」パラバレーボール×ハリガネサービス編(BS1ほか)下平鉋役、「スクる!」(Eテレ)あおい役など。