桐野夏生原作の、生殖医療ビジネスをテーマにした話題作、ドラマ10「燕は戻ってこない」。7月2日(火)の最終話放送を前に、この数か月、リキを演じた石橋静河さんに、物語のラストや、リキの未来に対して思うことを伺いました。

【これまでのあらすじ】
派遣社員のリキ(大石理紀/石橋静河)は、契約打ち切りが決まり、将来に不安を覚える。そんな中、生殖医療エージェント「プランテ」に何気なく登録したことがきっかけで、くさおけもとい・悠子(内田有紀)夫妻の依頼で、高額の報酬と引き換え代理母になることに。3度目の人工授精後に、リキの妊娠がわかり、基は大喜びする。だが、リキは「実は父親が誰かわからない」と悠子に打ち明け――。
 

――最終的にリキが下す決断は、きっと賛否両論だと思います。石橋さんはどう感じましたか?

確かにラストは衝撃的ですが、私はリキの選択に共感しました。ただ、きっと「この決断はあり得ない」と感じる人もいると思います。リキに限らず、この物語の中ではみんな少しずつ間違いを犯してきました。

でも、「これは正しい」「正しくない」と、法律のようにジャッジせずに見ていただければなと。社会の価値観、モラルから、一度視点を外してみることも、この「生殖医療」「代理母」というテーマに向き合うためには大事なことのような気がします。

――リキの未来は、どうあってほしいですか?

もちろん、幸せになってほしいです。リキの変化は、私自身すごく頼もしいと思いましたし、最初は受動的だった人生が本能に突き動かされて能動的になっていく。本来のあるべき姿をリキは思い出していったのだと、私は感じました。今の社会の「こう生きねばならない」という頭でっかちな世界から、リキは抜けてしまった。そこに、生き物として一つの正しさがあると、私は思います。

いしばし・しずか
1994年生まれ、東京出身。4歳からクラシックバレエを始め、2009年よりアメリカとカナダにダンス留学。'13年に帰国し、コンテンポラリーダンサーとして活動。15年より女優としての活動を開始。'17年、初主演した映画『夜空はいつでも最高密度の青色だ』でブルーリボン賞新人賞のほか数多くの新人賞を受賞。NHKでは、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、「星新一の不思議な不思議な短編ドラマ」ほかに出演。

広告代理店を経て、編集者、フリーライターに。ファッション誌、旅行誌、美容誌、書籍などを手掛ける。最近は「ソーシャルグッド」な取り組みの取材や発信に注力。お寺好きが高じ「おてライター」としてあさイチに出演したことも。取材の基本スタンスは「よりよく生きること」