「男らしさ」に意味なんかない、と思いながらも、「男らしさ」を考えずにいられない。30歳の脚本家・武田雄樹さんが、日々感じる「らしさ」への呪縛と格闘した意欲作、特集ドラマ「高速を降りたら」。
深夜の車中で繰り広げられる、軽快だけど、身につまされる会話劇が、3月19日(火)に総合&BSP4Kで放送されます。

【あらすじ】
地方の病院。父のベッドを囲んでいる3姉妹の娘たち。
深夜に突然、父の容体が急変し、3姉妹はそれぞれの夫を呼び出すことにする。
交通手段がない午前0時、1台の車に長女の夫・オギノ、次女の夫・トミタ、三女の夫・コマキという男3 人が乗り込み、深夜、高速で義父の病院を目指す。
“義理の兄弟”という絶妙な距離感のなかで、自分の「男らしさ」でマウントを取り合う3人。
しかし、彼らにはそれぞれ、知られたくない秘密があって……。


【出演】

長女家族
左から、栞(山田真歩)、歩(岩本樹起)、オギノ(飯塚悟志)
次女家族
左から、トミタ(松澤匠)、円(石橋菜津美)
三女家族
左から、コマキ(山脇辰哉)、泉(清水くるみ)

主演・飯塚悟志さん(東京03) メッセージ

最初に台本を読ませてもらった時にびっくりしたぐらい、ずっと車内で3人きりで延々と会話するシーンが多くて、しかもその内容もすごく軽快で面白かったので、ドラマというより普段のコントの延長みたいな感じで楽しくやらせてもらえました。高速道路を車で走るシーンは演者は実際の車の中だけど背景は全部LEDという最新の撮影方法で、今こんな時代なんだ!? と興奮しきりでした。僕もまだ出来上がりは観てないのですがきっと面白いドラマに仕上がってると思いますので皆様ぜひご覧ください!

作・武田雄樹さん メッセージ

例えば大人数の飲み会で、自分の知らない話題で場が盛り上がっている時。僕はよく知ったかぶりをしてしまうことがあります。全然分かってないのに「はいはいはい」と適当な相槌を打ったり、誰かが笑うタイミングで一緒に笑ったり、自分にバトンが回ってこないようにそっと息を潜めたり。ただ一言「あんま詳しくなくて…」と言えればいいのに、それが出来ない。弱さをさらけ出せない男であり、大人になった今も男らしさの規範から降りられずにいる男の一人です。だからこそ今一度「男らしさ」について考えたいと生まれたのが本作です。高速を走る一台の車、その車内で、己を男らしく見せたい男たちが繰り広げる不毛なやり取りを楽しんで頂けたら幸いです。

演出・佐藤玲衣ディレクター メッセージ

「男の子なのにこんな抜け殻も触れないのか」
小学生の頃、帰省していた祖父の家で私の双子の兄が言われていた言葉です。祖父の手の中には大きなセミの抜け殻。兄は黙っていました。情けない、と笑う祖父。なぜかこの瞬間のことが、頭にこびりついています。よく「お兄ちゃんも背が低いの?」と聞かれます。答えると「双子で小さいのがレイちゃんの方で良かったね」と言われます。その度に「もし兄も身長が低かったら何が“良くない”んだ?」と思っていました。でも、それを口に出したことはありません。適当に流したら一瞬で終わることだったからです。
企画を立ち上げたとき、初めて兄のことを考えました。私が流してきたことを直にくらってきた兄。全てを正面から受け取っていたら……兄は間違いなく、あの時の祖父になってしまうと思いました。
このドラマは決して「男性だって大変なんです!」と訴えたいわけではありません。ただただ、“私たちっていったい何に縛られているんだろう……?” ということを言ってみたいと思いました。知らぬうちに植え付けられている呪縛の芽を摘んで、ふっと心が軽くなる……そんなドラマを目指しました。ぜひお楽しみください。

特集ドラマ「高速を降りたら」

3月19日(火) 総合/BSP4K 午後10:00~10:44
3月26日(火) BSP4K 午後6;15~6:59 

脚本:武田雄樹
演出:佐藤玲衣
出演:飯塚悟志、松澤匠、山脇辰哉
   山田真歩、石橋菜津美、清水くるみ
            奥村知史、松本亮、井上みなみ、西本銀二郎、中野英樹
            一條恭輔、山口河童、岩本樹起、堀靖明
制作統括:渡辺哲也