「ブギウギ」のヒロイン・スズ子(趣里)の所属する梅丸少女歌劇団の後輩にして、男役のトップスター、秋山美月。登場当初はクールな印象でしたが、徐々に笑顔も見せるようになり、今週からは東京で、なんとスズ子のルームメイトに! ともなれば、これまでとは異なる表情や内面も、見せてくれるようになるのかも……!?
そんな期待高まる秋山役を好演中の俳優・伊原六花さんに、お話を聞きました。
どのタイミングで笑ったら……?
──秋山美月は、ダンスへの情熱ゆえに花咲歌劇団をケンカして(!)退団、それでもダンスを捨てきれず梅丸に入団してきたという異色の経歴の持ち主。だからこそUSKへの思い入れは人一倍で、やる気のない新人相手には「才能ないならやめえ」と言い放つなど、強気な態度が目立つキャラクターです。個人的には、正直、こんな(雰囲気の)伊原さん、初めて見た〜!という印象でしたが、ご自身ではどうでしたか?
クールな性格の男役トップスターの役と聞き、どちらかというと童顔だし、こんな私でも、ちゃんとかっこよくなれるのかな?って、はじめは不安でした。
秋山は、はじめのうちは誰に対してもツンケンしていて全く笑わないので、思わず監督に「最初に笑顔を見せるのはどのタイミングですか?」と相談しちゃいました。だんだん打ちとけていって、素を見せたり、本音を言うようになったりするんですけど、最初は「?」って。けっこう、ガマンの時が長かったです(笑)。ただ、彼女がそういう厳しい態度をとっているのには、彼女なりの理由があることはわかっていたので、それが見ている方にも伝わってほしいと思って演じていました。
でも、スズ子やリリーたち、ほかのみんなが楽しそうに、アドリブなんかも入れながら演技をしているのを見ると、いいな〜うらやましいな〜って。実際には、みんな最初からとても仲がよかったので、私だけガマンだったんです(笑)。

「秋山が怒るのは、それだけ真剣にダンスと向き合っているから。だから、秋山と同じように、最初のうちは『嫌われてもいいや!』くらいの気持ちで演じていました(笑)」(伊原)
以前からタップダンスがやりたかった!
――伊原六花さんといえば、今でも、あの、一世を風靡した「バブリーダンス」を思い出す人も多いのでは? そう、伊原さんは、ダンス強豪校である大阪府立登美丘高校のダンス部でキャプテンを務め、センターで「バブリーダンス」を踊っていたんです! そう考えると、ダンスの名手たる秋山役はまさに適任! ですが、苦労もあったようで……。
秋山を語る上で欠かせないのは、やっぱりタップダンス! 以前から、タップダンスには挑戦してみたいと思っていたので、そういう意味でも、この役はうれしかったです。
他のダンスと違って、タップとバレエは、基礎からコツコツやらないと、できるようにならないんですよ。見よう見まねだけでは、決して踊れるようにならない。だから、今回、一から教わる機会をいただけたのは、本当にうれしかったです。しかも、教えてくださったのは、日本を代表するタップダンサーのRON×IIさん! 撮影が始まる4か月くらい前から、マンツーマンでみっちりレッスンをしていただきました。
もちろん、とっても難しかったですけど、練習させていただいた分、その成果を出して皆さんにお見せするのが私の役目。精一杯やりきったと思います!

ラインダンス裏話♪
──ダンスといえば、USKメンバーの一糸乱れぬ揃った動きのラインダンスも圧巻でした! こちらも、ドラマの撮影前に、皆で相当な時間、練習をしたのでは?
本番通りの人数で練習できる機会が、実はなかなかなかったんです…。だから、本番の撮影をするホールに入って全員で合わせてみたときは感動しました。ようやくできあがった!って。
それでも、あの一体感が出せたのは、やっぱり趣里さんの力が大きかったですね。趣里さんは、ダンスも練習のときからフルスイングで手を抜かない、気を抜かない。練習は本当にきつかったんですけど、ヒロインで、私たちよりやることも覚えることも多い趣里さんがここまでやってるなら、私たちももっと頑張らないとね、という意識が、皆、自然に生まれて。まさに、USKのキャプテンでした。
個人的には、高校の部活を思い出していました。ラインダンスって、いわゆる個性を爆発させるダンスとは違って、団体としてきれいにそろった動きを見せるものなので。練習の雰囲気もやっぱりよく似ていて、ちょっと懐かしかったです。

男役の所作がプライベートにも……
そして、不安だった男役としての“かっこよさ”については、USKの公演シーンで一緒に舞台を作ってくださっているOSK日本歌劇団の皆さんに教えていただきました。
娘役を見るときの首の角度や手の差し出し方、歩き方……。それぞれの動きに些細な変化をつけるだけで、急に“男前”になる!というのは、すごい発見でした。
その所作が身につきすぎて、プライベートで写真を撮ったりするときまで、ついつい男役っぽい立ち方になっちゃったりしてます(笑)。

青春の大阪から、大人の東京へ
──今週から始まった東京編。ズバリ、今後の見どころを教えてください!
大阪では、USKのメンバーと青春している感じでしたが、梅丸を背負って東京へ行くことで大人になるというか……。改めて、自分のやりたいことについて葛藤することも。今を生きる皆さんへのメッセージにもなっていると思うので、楽しみにしていてください。
それから、スズ子とふたりきりで東京に来ているので、大阪時代よりもぐっと距離が近くなり、“同志”って感じです。一緒に悩み、一緒に支え合っていくので、ともに頑張るふたりをどうぞよろしくお願いします!

新しい土地で奮闘するスズ子と秋山。ふたりを待ち受けている波乱の展開とは? 東京でちょっぴり大人になった伊原さんの秋山をお見逃しなく!