笠置シヅ子をモデルとする、戦後を明るく照らしたスター・福来スズ子(花田鈴子/趣里)の物語を描く、連続テレビ小説「ブギウギ」。今回、スズ子の同期・リリー白川を演じる清水くるみに、役への思いや物語の見どころについて話を聞いた。


出演が決まって、うれしくて泣きました

私は、“朝ドラ”「てるてる家族」(2003年)を見て宝塚歌劇団に憧れ、俳優の仕事を始めました。なので、私にとって“朝ドラ”はとても大きい存在。大学の卒業論文のテーマも“朝ドラ”でした。これまでの“朝ドラ”がヒロインをどのように描いているのかを研究するのは楽しかったですね。だから今回の出演が決まって、本当にうれしくて泣きました。

「ブギウギ」の主演が趣里ちゃんと知って、面白い作品になると確信しました。台本を読んだとき、明るくてチャーミングなスズ子は、趣里ちゃんにピッタリだと感じていたんです。なので、スズ子のセリフが、趣里ちゃんの言葉で勝手に再生されていて。趣里ちゃんをヒロインに選んでくださった方に「ありがとうございます」とお礼を言いたいです(笑)。


リリーは憎めないキャラクター

私が演じるリリー白川は、男性の前では猫を被るけれど、女性同士では思ったことをバンバンと言葉にする人物です。でも台本を読んでいると、あっけらかんとしていてどこか憎めないキャラクターで。ぶりっ子ではあるんですけれど、サバサバもしているんですよね。だから女性に嫌われない人物なんだろうなと感じています。

そんなリリーのキャラクター性が大きく表れるのが洋食屋でのシーン。コックとハット(後藤淳平/福徳秀介〈ジャルジャル〉)にあざとく声をかける一方で、スズ子や和希にはいろいろと話を振って、ズバズバと斬り込んでいきます。私も言いたいことを言う方なので、自分で言うのもなんですが、自分にぴったりな役柄だと思います(笑)。同期のスズ子、和希(片山友希)、そして後輩の秋山(伊原六花)もそれぞれキャラクターがはっきりしているし、なにより趣里ちゃん、友希ちゃん、六花ちゃんに合っていますよね。だから、リリーを演じるのがすごく楽しいんです。


朝から笑ってほしい!

今作の見どころのひとつが「ダンス」です。ずっと憧れていた歌劇の世界に入ることができて、感動しました。ダンス指導をしてくださったOSKの皆さんに教わったのは、ラインダンスで大切なのは、「隣の人よりも高く脚を上げる気持ち」と「軸足を意識してふんばること」だということ。脚がパンパンになって大変だった練習を忘れてしまうほど、本番がすごく楽しくて。すてきな経験をさせていただきました。

歌とダンスが融合した今作は、見る人に大きなパワーを与えているはず。重たいシーンも重く感じないですし、激動の時代をたくましく生きていくスズ子たちの姿に、私自身元気をもらっています。「ブギウギ」を見て、朝から笑っていただけたらうれしいです!

清水くるみ(しみず・くるみ)
1994年7月16日生まれ、愛知県出身。NHKでの主な出演作に、「駆込み訴え」「ぼんくら」「心の傷を癒すということ」などに出演。連続テレビ小説は今作が初出演。