“推し”が死にました。どうも、朝ドラ見るるです。
田邊教授〜〜〜〜!!!!!(魂の叫び)
これまで田邊教授の動向(?)を逐一レポってきた見るるでしたが、この……この展開は、つらすぎる。大学を離れたことをきっかけに万太郎と手を組んで、日本の植物学を発展させる展開になってくれると思ってたのに〜〜〜〜……!!!

ウウ、まさかこんなに田邊教授にあっちこっち心かき乱されるなんて、初登場時には思ってなかったよ。今回はその辺のことも、詳しく語っていきたいと思います!! 見るるの心の整理もかねて!!(泣)

というわけで……今週の朝ドラレビューもはじめていきましょう!


朝ドラ見る家会議
議題その1>>田邊彰久の「愛の花」

見るる「死んだ」
見る子姉さん「死んだね」
見るる「つらい……田邊教授と聡子さんには、静かな山奥でシダ植物に囲まれながら穏やかな老後を過ごしてほしかった……」
姉さん「でも、田邊教授のモデルと思われる矢田部良吉さんが海で亡くなったのも史実なんでしょ? ドラマだと、なんだか藤丸の態度とか、万太郎たちの落ち込みぶりを見てると、実は自死なのでは? っていう疑いを持ちたくなる感じに描いていたけど……実際は?」

見るる「うーん、やっぱり、溺死らしいよ。ただ、大学をやめてからそんなにすぐじゃなかったはず。それに田邊教授はやっと自由に生きるきっかけを得たばっかりだったのに。そんな悲しいところ史実通りにしなくたっていいじゃん(泣)。この、やり場のない悲しみ、どうしてくれよう……!」

姉さん「見るるが荒ぶりすぎな分、私はちょっと落ち着いてきたけど、気持ちはわかるよ。朝ドラって、物語の途中で主人公が結婚したりちょっと夢叶えたりすると、主人公以外の登場人物にメインの話が移ったりして、ちょっと中ゆるみすること多いじゃない? そろそろ放送も終盤か〜、みたいな。『らんまん』も最近は、かなり田邊教授メイン回みたいなのが多かったし。でも全然、中ゆるみって感じはしなくて、ちゃんと夢中でドラマをみられたな。そこはすごいなと。うん、さすが要潤(愛をもって敬称略)、恐るべし」

見るる「それで、ちょっと聞いてもらっていい? 実はわたし、悲しみに暮れながら、田邊彰久という人間の人生の意味を考えていたんだけど」
姉さん「お、おう……なんか壮大なことやってるね?」

うるさいな、推してたキャラが亡くなったら、人生の意味くらい考えるのは普通でしょ!(そうだよね!?)

で、田邊教授(元教授だけど、ここは教授と呼ばせてください!)の人生ですけど、本当にいろんなものに執着して、一生懸命生きてきた人だと思うんです。めちゃめちゃ努力して、思い切るところで思い切って(留学に関するエピソードとか)。

地位や権力への執着ももちろんあった。でも、その目的がただの「自分の出世」だったとは思えなくて。恩人である森有礼さんとのシーンを見ていても思ったけど、本気で、日本を西洋に並ぶ国にしようと思っていたんだと思う。植物学、語学、音楽、女子教育とかもね(そのやり方や主張はあんまり共感できないところもあったけど)。それゆえに立場に執着していたんじゃないかな。

一方で、才能あふれる万太郎に対しても、はてしない執着をしていました。嫉妬して、「私のものになれ」とまで言って、最終的には破門して、嫌みも言いまくって。それがある種、教授の進む原動力でもあったんだと思う。

だけど森有礼さんが亡くなって、大学を追い出されて、万太郎への執着も薄らいで。

田邊「聡子。槙野に会うことがあったら…、私の蔵書は槙野に譲る。私の植物学は終わった。この先は、Mr.Makinoに」

終わったとは言っているけど、それでも教授の中に残っていたのは、これからの植物学の明るい未来を願う気持ちだったんですよね。蔵書を万太郎に譲れば、より多くの植物に新しい名前がつく。植物学というフィールドが、たくさんの花で満ちていく。それを信じてたってことでしょ?

聡子「大学を辞められたあと、申しておりました。『これで自由に旅ができる』と。旦那様ね、生きようとされていたんですよ」

「旅」というのは家族を大切にすることだったと思うし、道端に咲いている小さな植物に目を向けることだったかもしれない。きっと最期に家族で行った鎌倉旅行では、聡子さんや娘たちに、海辺に咲く花の話なんかをしていたんじゃないかなって想像しちゃうし。

と、ここで、このドラマの主題歌「愛の花」を聴くと泣いちゃうんですよね。
「言葉足らずの愛」って、めちゃめちゃ田邊じゃん。「静かに誰かを愛した日々」って、めちゃめちゃ田邊教授と聡子さんじゃん……!

すごくねじれてわかりづらかったし、それが時に人を傷つけもしたけど、田邊教授の人生はすごく「愛」にあふれていたよね。そんな彼が穏やかに、「新しい花の種〜♪」を残して散っていったこと。植物学の始祖たる田邊教授の最期として、これ以上幸せなことはないなって思いました。

見るる「……以上です」
姉さん「いや熱量すごいね!? まさか主題歌の主人公まで田邊教授にのっとられていたとは、さすがの私も気づかなかったわ……」

見るる「ちなみに聡子さんについてもわたし、同じくらいの文字数語れるよ。聡子さんも初登場時は田邊教授と同じくらい孤独に描かれていたけど、最終的には前妻さんとの子どもや家のお手伝いさんとも信頼関係を気付き、妊娠もして、悲しみを前向きに乗り越えようとする強さを手に入れていたの本当に泣けるし、そもそも聡子さんのお腹の子っていうのがまさに『新しい花の種〜♪』なわけだし、そういう変化の意味でもこの夫婦の物語を見届けることができて本当にうれしいっていうか」

姉さん「でも、田邊教授に死んでほしくは?」
見るる「なかった!!!!(号泣)」

姉さん「情緒不安定だこと(苦笑)。じゃあ、私からは聡子さんにまつわる豆知識をひとつ献上しよう。今週、聡子さんが口にした『柳田(やなぎた)の実家』って、あれ、かの有名な民俗学者・柳田國男と繋がるんだよ。聡子さんのモデルと思われる矢田部良吉さんの妻は、実は柳田國男の妻のお姉さんなのだって。「やなぎだ」じゃなくて「やなぎた」って言うから、気になって調べちゃった(笑)」

見るる「うう、今はそれ、どうでもいいよ〜。そんなことより気になるのは、万太郎が来週から勤めることになる東大植物学教室だよ。いい人だと思ってたら、田邊教授の色を消すことが仕事とか言われてたし……ショックだ……」
姉さん「そうだよね。ドイツ帰りの徳永さんが、本当のところ、何を考えているのか、まだわからないからねえ」

見るる「波多野や大窪さんもいるし、そんなひどいことにはなってないと思うんだけど……」
姉さん「どうする? 徳永さんが『Let’s begin the botany lesson.』って言ってたら」
見るる「嫌だ!!!! それはユーシーのセリフだもん!!!!!」
姉さん「こ、声がデカい……」

う〜〜〜ん、前にも紹介しましたが、徳永さん演じる田中哲司さんはインタビュー(https://steranet.jp/articles/-/2117)で意味深なこと言ってるんですよね。
東大植物学教室、ずっと波乱だけど、この先どうなっちゃうんだろう……!?


議題その2>>寿恵子さん料亭デビュー 新しい冒険はここに!

田邊教授の訃報にしばらく打ちひしがれていようと思ってたんですが(?)、物語の進行は待ってくれません。
とにかくお金がなく、ギリッギリの槙野家。寿恵子さんが「八犬伝」を手放すレベルって、相当だよね!? そんな中、寿恵子さんが頼ったのは、あの、みえ叔母さんだったのでした。

見るる「みえ叔母さん、なんか料亭やってるみたいな話ふわっと出てきてたけど、ここでそれ回収されるのか〜!」
母さん「ダメ亭主のために夜に働きに出る奥さんって、普通だったら苦労人感が出ても全然おかしくないけれど、寿恵子さん見てるとそんな感じしないの、不思議よね。やっぱり母親におさまっちゃうと、自分のことは後回しにならざるを得ないわけだけど……浜辺美波ちゃんにそういうのは似合わないわ」(←母さん、最初に比べてずいぶん浜辺美波ちゃん好きになってて、なんかほっこりする!)」

見るる「わかる! やっぱお寿恵ちゃんは冒険してるのが似合うよ。ダンスの時もそうだったけど、未知の世界に飛び込んで奮闘してる時の瞳がキラキラしててかわいいし、ミスった時の表情もなんかコミカルで共感できるよね。わたしも大学生のとき飲食店のホールでバイトしてて、ミスった時ベテランのパートさんにフォローしてもらったこと思い出しちゃった」
母さん「見るるが働いてたお店は、料亭とは格が違いすぎるけどね」
見るる「そ、そりゃそうでしょ。あんな政界の大御所がくるみたいな店、近所にないもん」

万太郎「(仕事から帰ってきた寿恵子の肩を揉みながら)いや〜、慣れんうちは大変じゃろう。すまんのう。」
寿恵子「ううん。面白かったですよ。あんな世界初めて知りました」

母さん「母でありながら冒険も続ける寿恵子さん、それでいて夜中に帰ってきてからは万太郎とイチャついたりして、女性らしい顔もあるの、バランスいいわよね。お金がなくて大変な状況でも、それを面白かったって言えるの、寿恵子さんが自分自身で選択した道を進んでいるから言える言葉だわ」
見るる「うん。なんか今っぽいなって思った。働く女の人に悲壮感が漂ってないの、めっちゃ大事。そっちの方が見てて元気出るし!」

母さん「菊くらべの話が出た時の寿恵子さんの表情、見た? ワクワクが止まらない!って顔」
見るる「子どもたちに見せる穏やかなほほえみとか、家計のやりくりしてる軍師顔(?)もいいけど、お寿恵ちゃんはこうでなきゃ!ってうれしかった! 心踊ってるのがあふれて止まらない感じ、マジ正ヒロイン〜……!」

母さん「ノジギクの説明をしている時の語り口上はさすがだったわ。さすが植物学者の妻よね。いい菊見つけてきた万太郎もナイス!」
見るる「結局勝負には負けちゃったけど、菊買い取ってもらえたのうれしかったな。万太郎は『草花に優劣をつけるがは性に合わん』って言ってたけど、価値があるものに相応の値段がつくことは重要なことだからね」

母さん「あら、なんか社会人っぽいこと言うようになったわね(笑)。ちなみに私は、大げさな、いかにも人が手塩にかけて育てましたっていう花も、まあ、綺麗だし悪くはないけど、ああいう、野に咲いてる素朴な花も、割と好きよ。やっぱり風情があるわよね。ああいうのを持ってくるあたり、さすが万ちゃんよね。なんかホッとしたわ」

まあ、菊千代さんのための出来レースだったんかい!っていうのはちょっと腑に落ちませんけど! それでも、岩崎さまがそのへんのところちゃんと見てくれるお金持ちでよかった。

母さん「でも、お座敷のシーンが見られてよかったわ。菊千代さんを通しておまつさんの喋り方がどうしてああいう感じの演技なのかわかったっていうか」
見るる「え、そんなに気になる喋り方してたっけ?」

母さん「なんかこう、もったいぶった感じの話し方に思えたのよね。でもそれ、菊千代さんも一緒だったから。おまつさん、ただの和菓子屋の女将ってだけじゃないのはわかってたけど、元々はここの世界の人なんだって思ったら、あの身のこなしとか納得したわ。」
見るる「あ〜〜、それはちょっとあるかも。なんかしゃなりとしてる感じね。確かにね〜……」

そんなふうに母さんと話していたら、父さんがポツリ。

父さん「これまでの人生では料亭って無縁だったが、まつさん……というか、牧瀬里穂が芸者をやってたのかと思うと、ちょっと興味が出てきたな。今はどうなってるのかな。やっぱり芸者が相手をしてくれるのか、庶民にはわからぬ世界だが……」
母さん&見るる「……」

父さん「な、なんだその目は」
見るる「いや? 料亭で中居として働く寿恵子さんは生き生きしてて楽しそうだけど、料亭行ってみたいって鼻の下伸ばしてる父さんはなんか、ギリアウトだなって……」
父さん「!? いや違うぞ、下心ではなく、純粋に興味が湧いてだな……!」

はいはい。言い訳、強制終了!


さて第22週、「オーギョーチ」

なんか恒例になってきているので、今回もやります! “今週登場した芸人さんはだ〜れだ!”のコーナー!(どんどんぱふぱふ〜!)

みなさん、気付きましたか? 今週は料亭の料理人役で、アキラ100%さんが出ていたことに……! アキラ100%さん、役者のお仕事する時は「大橋彰」さん名義で活動してるんですよ〜! 見るるはレビュー書くために録画を見返していて気付きました。ふだん服を着ていない芸人さんが服を着ていると、パッと気付きづらく……なる!!(←失礼!?)(それだけ演技がドラマになじんでいたってことです!!)

母さん「芸人さんじゃないけど、料亭メンバーで言ったら“園芸王子”が出てたわよね。『趣味の園芸』のナビゲーターをしていた三上真史さん! 最初は番頭役で、え、そこなの?って思ったけど、菊くらべのシーンでは、ちゃんと菊のプレゼンも。なるほどのハマり役だったわ」

確かに! 母さんの言う通り、こういう配役を見るとちょっとニヤッとできてうれしいですよね♪

さて来週は万太郎が大学に戻り、田邊教授のいない(泣)植物教室の様子も見られるはず。一体どうなってしまうの!? その辺のことを楽しみに、今回はここまで。

今週の会議、終了!

文責・朝ドラ見るる


(編集部より)
ちなみに…、8/25(金)放送の「あさイチ」に浜辺美波さんがゲスト出演。「万太郎以外で誰がタイプか」という質問に対する回答が話題になっていましたね。
NHKプラスでは、9/1(金) 午前9:54 まで配信中ですので、まだご覧になっていない方は、こちらもあわせてお楽しみください!
https://www.nhk.jp/p/asaichi/ts/KV93JMQRY8/plus/

"朝ドラ"を見るのが日課の覆面ライター、朝ドラ見る子の妹にして、ただいまライター修行中! 20代、いわゆるZ世代。若干(かなり!)オタク気質なところあり。
両親(60&70代・シニア夫婦)と姉(30代・本職ライター)と一緒に、朝ドラを見た感想を話し合うのが好き。