植物学者・槙野万太郎(神木隆之介)と、その妻・寿恵子(浜辺美波)の波乱万丈な生涯を描く、連続テレビ小説「らんまん」。今回、寿恵子の叔母・みえを演じる宮澤エマに、再び登場しての思いや、寿恵子との再会シーンについて話を聞いた。


――久しぶりにみえが「らんまん」に登場しました。再び演じられていかがですか?
物語後半にみえが再登場することは聞いていましたが、大きな料亭を切り盛りしていることに驚きました。劇中で描かれていない10年の間に、料亭「巳佐登」をこんなに繁盛させているなんて、仕事がすごくできる女性ですよね。ミーハーなだけではないことが分かって、なんだかうれしかったです(笑)。

物語序盤、みえは、寿恵子が高藤さん(伊礼彼方)との玉のこしに乗れるよう世話を焼いていました。視聴者の方には、寿恵子と万太郎の恋路を邪魔するうるさい叔母さんに思われたかもしれません(笑)。「地位のある男性と結婚することが女性の幸せ」というみえの考えが、正解ということではありませんが、寿恵子の将来を思っての言動でした。その思いが空回りしたまま、寿恵子との交流が長らく途絶えてしまいます。

ですので、寿恵子がみえを頼りに「巳佐登」を訪ねてきたことは、本当にうれしかったと思います。最初は「人が掛けてやった金ぴかの梯子、無下にして。玉のこしどころか泥船に乗りこんで」ときつい言い方もしましたが、その後の「もっと早く来なさいよ」という言葉が、みえの本心だと思います。10年間、寿恵子が訪ねてくるのをずっと待っていたんでしょうね。

©NHK

――演じる上で意識されたことはありますか?
「白梅堂」にたびたびやってくる世話焼きの叔母ではなく、料亭を仕切るおかみという立場で再登場するので、以前と比べて声色も穏やかに、どっしりとかまえることを意識しています。

時代の流れには相変わらず敏感ですよね。それがいちばん表れているのが髪型。寿恵子たちは日本髪ですが、みえの髪形は当時の流行を先取りした、ひさし髪なんです。先進的で新しい物好きのみえをよく表している髪型だと思います。

――浜辺美波さんと再び一緒に演じられていかがですか?
浜辺さんは、こちらが打ったものをキャッチして、絶対に投げ返してくださる役者さんです。私は、リハーサルと本番で芝居が変化することがあるのですが、浜辺さんは毎回まっすぐに受け取って、そのとき感じた思いを素直に表現してくださいます。撮影当初は、寿恵子とみえの関係性が深く描かれていない中でのお芝居が多かったですが、安心して演じることができました。

――寿恵子との再会のシーンは、とても印象深かったです。
そうですね。実はこのシーン、寿恵子を抱き寄せるのではなく、手を握るパターンも撮影していました。2人の位置が少し離れていたこともあり、抱き寄せることが当初難しかったんです。けれど、手を握るだけというのは、ちょっと違うのかなと感じまして。

10年ぶりの再会ですから、みえはすぐに寿恵子を抱きしめたいだろうなと思ったんです。でも、そこはみえさんらしく、最初に言いたいことをズバッと言うんですよね。おそらく、伝えたいことを先に話した方が、これまでのわだかまりがなくなると思ってのことでしょう。その後、寿恵子をぎゅっと抱きしめます。寿恵子の温もりを感じた瞬間、「再会できて本当によかった」という感情が、自然とあふれ出てきました。

また、私の目をずっと見つめてくださる浜辺さんの表情に、「かわいいめいの頼みなら…」という叔母ならではの感情が、おのずと出てきて(笑)。温かい空気感を作り上げてくださった浜辺さんのおかげで、すてきなシーンになったと思います。

――最後に、視聴者へのメッセージをお願いします!
みえと再会し、「巳佐登」で働くことになった寿恵子。みえや個性的な仲居さんたちとの交流は、寿恵子の大きな財産となります。ここから寿恵子や万太郎さんの人生が、さらにドラマチックに変化していくのか…ぜひ注目してもらえたらうれしいです。

宮澤エマ(みやざわ・えま)
11月23日生まれ、東京都出身。NHKでの主な出演作に、連続テレビ小説「おちょやん」、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」など。