こんにちは! 朝ドラ見るるです。
今週はちょっとさみしいお別れがありましたね。そう、長屋メンバーの転居です。みんなおめでたい引っ越しではあったけど……あのにぎやかさがなくなるのはやっぱりちょっと切ないかも。

結婚して髪の毛もスッキリした丈之助さん。奉公へ出た小春ちゃんと、一緒になった福治さんとおゆうさん。運送の仕事が決まった倉木さんと、その社員寮に行くことになった一家。
長屋に残る万太郎・寿恵子さんには、新たに子どもが生まれたり。時間の流れを感じますね〜。

物語が終わりに向かっていくのは悲しいけど、最後まで皆さんといっしょに見届けていくよ! というわけで、今週も朝ドラレビュー、元気にいってみよ〜!


▼朝ドラ見る家会議
議題その1>>万太郎と佑一郎くん 友情よ、永遠に……!

あれから3年──(3年!? 早すぎ!?)。
季節が巡り、新しい生活へ。万太郎は日本中から送られてくる植物標本と手紙に返事を出しながら、研究の日々を続けていました。

そんななか、万太郎の元を訪れたのは、ミシピッピ川の治水工事に携わるためにアメリカに留学していた佑一郎くんです。

見るる「佑一郎くん〜〜!! 帰ってきたんだね! 登場シーンのBGMだけ、何?って感じだったけど……ライオンキングかと思った」
見る子姉さん「確かに(苦笑)。アメリカ帰りのワイルドさアピール……?」

見るる「別にワイルドではなかったけど、根津の下町に似つかわしくない西洋っぽさは感じたかな(笑)。万太郎に会うのはずいぶん久しぶりだよね?」
姉さん「そうだね。……なんか大人になってから見ると、ふたりの友情ってすごく、染みるなあ」

見るる「え、なに姉さんしんみりしてるの?」
姉さん「いやね……これは私が29歳のときの話なんだけど、当時の職場の上司と飲んでた時に『見る子ちゃん、30歳すぎると本当の友達ってできないんだよ』って言われたことがあってさ」

見るる「うわあ、何その悲しい言葉!」
姉さん「そうそう、当時は私もそう思った(笑)。でもまあ、今になって考えると、できないとは言わないけど、むかしと比べて友達を作りづらくなるっていうのは確かだと思うんだよ。だからこそ、学生時代の友達のありがたさがわかるっていうか」

見るる「あ〜……それはそうかも。働き始めると、同じ職種の人とか、同じ趣味の人とかとしか、あんまり絡めなくなるよね。接点作るのがまず難しいし」
姉さん「そう。万太郎と佑一郎くんもさ、進んだ道はそれぞれ全然違うわけじゃない? それでも互いに尊敬しあってるっていうかさ」

見るる「確かに。でもさ、それってかなりすごいことだよね。佑一郎くんって海外留学して、政府の仕事して、次は札幌農学校で教授になる。小学校中退からの貧乏クサ長屋で借金しながら植物図鑑作ってる万太郎にとっては、生活のランク的には結構雲の上のひとっていうか。だけど万太郎は、佑一郎くんに嫉妬してる感じとか全然ないじゃない? すごいよ、わたしだったら気まずくなっちゃう」
姉さん「何? なんか心当たりありそうな顔してるけど」

見るる「(ギクッ)いや……実は、姉さんに言われて思ったんだけど、わたしにもいるんだよね、万太郎にとっての佑一郎くんみたいな友達。小・中・高と同じ学校で、大学に入っても仲良かったんだけど、社会人になって、コロナになって、会う機会なくなったら疎遠になっちゃって。知らなかったんだけど、その間に相手の子は会社とか起こしてキラキラやってんの。たまたま見つけたSNSのアカウントで知っちゃってさ……なんか、その子が遠いとこ行っちゃった気がして、より声かけづらくなっちゃって」
姉さん「うわー、ありがち」

見るる「う、うるさいな! わかってるんだよ、相手の子は別にこっちのこと見下したりとかしてないだろうし、純粋に忙しいんだろうな〜とかさ。でもこっちにちょっとでも劣等感があるとなんか卑屈になっちゃうし」
姉さん「まあ……難しい話よね。でも人生の先輩から言わせてもらいますと、やっぱ大事なのはコミュニケーションよ」

見るる「コミュニケーション?」
姉さん「そう。意外とまた話してみたら前みたいに盛り上がるかもしれないじゃん。万太郎と佑一郎くんだって、会って、話して、並んでおそば食べた(←牛鍋屋じゃなかったところ、ポイント高し。by見る子姉さん)からこうやって深い話もできたわけだし。見るるも、ちょっとだけ勇気出したら違うかもよ」
見るる「そんなもんかなぁ」
姉さん「そうだよ。それに、万太郎と佑一郎くんがそれぞれ何の気兼ねもなく話せてるのは、 “黄金の道”を信じて進んで行ってるからじゃない? 自分の進む道を信じて、相手の進む道を尊敬してる。だから見るるも自分の道を信じなよ。若いときは悩むかもしれないけどさ〜」

う……なんだよ、姉さん今週はやけに優しいじゃん。
もしかして、明日、槍とか降るかも!?

そういえば、今週のタイトル“キレンゲショウマ”も、黄色くてかわいい花。
自分が進んでる道が“黄金の道”かどうかって、結局、あとで人生を振り返ったときにしかわからないのかも。だから進んでいる最中は、その道の先が光り輝いてるって信じるしかないのかもだよね。

姉さん「にしても佑一郎くん、男前に磨きがかかってたな〜。」
見るる「わかる〜。竹雄が綾ちゃんのものになってしまった今、根津女子の心を次につかむのは佑一郎くんしかいないよ。脚の長さもぜんぜん竹雄に負けてないって」

姉さん「あのビジュでアメリカ帰りの腕のいい技師で、これから教授って、ちょっと強すぎだよ。個人的には、アメリカ見聞でマイナスの面を語るシーンはドラマで初めてみた気がしてびっくりした。差別とか、そこに気づいて心を痛められるのってすばらしいことだと思うわ」
見るる「佑一郎くん、子どものころは武士のいじめっ子みたいなことしてたのに、成長したなあ……。今週は政治の話も何度か出てきてたけど、正直、佑一郎くんが政治家になったらめっちゃ日本よくなりそうだよね」

姉さん「いや〜でも佑一郎くん、現場に立ってる技師だしね。上でやんや言うだけの立場は性に合わなそう(笑)。それに、政治家になったら忙しくなりすぎて、自分の学問とかおろそかになっちゃうかもだよ。“黄金の道”を進めないかも」
見るる「うわー! それはダメ! 佑一郎くん、日本の政治には見向きもしなくていいからね!」
姉さん「その言い方はどうなの?(苦笑)」

佑一郎「生まれた国、人種、どこでどう生きるか。それぞれに面白うて、優劣らあない。おまん、この先もずっと変わりなよ」

広い世界を見てきた親友からの、熱いエール。

どんな植物もすべてに愛を注ぎ、日陰を照らし、まだ知られざる草花に名前を与える万太郎。自然と人間の調和を目指し、美しく強い建造物で人々の暮らしを守る佑一郎くん。
ふたりの友情にも、見るるから「この先もずっと変わりなよ」を送ります!!! フォーエバ〜〜!!!


議題その2>>視聴者振り回されっぱなし!? 田邊教授の本音

聡子「旦那様は前に、シダがお好きだと教えてくださいました。シダは、花も咲かせない、種も作らない」
聡子「それでもシダは、地上の植物たちの…始祖にして永遠。その通りです。今、旦那様が始めた学問には、続く方たちがいます。」
聡子「あなたが始めたんです!」

見るる「(涙ダバー)」
母さん「ちょ、ちょっと大丈夫? とんでもなく泣いてるじゃないの」
見るる「大丈夫じゃないいい……田邊、田邊教授……良かったねえ……本当に田邊教授がほしかった言葉を、やっともらえたんだ……(鼻チーン)」

母さん「見るる、先週あんなに田邊教授に怒ってたじゃないの。寿恵子さんにひどいこと言ったからって。それはもう許したの?」
見るる「いやそれはほんとにそうで……田邊教授、1週間ごとに見え方変わってちょっと手のひらクルックルになっちゃってて申し訳ないんだけど、今は先週『いいかげんうっとうしい』とか言っちゃって本当、教授に謝りたい。ごめんなさい!!」

きっと、大学でみんなの輪に入れず孤独な田邊教授も、嫌みが上手な田邊教授も、政治的で打算的な田邊教授も、今週、つきものが落ちたみたいに学問に打ち込む田邊教授も、みんなひっくるめて田邊彰久という人間の内面なんだろうな。

見るる、個人的に「人間、追い詰められているときに本性が出る」って言葉が嫌いなんです。
だって、追い詰められたときに出るのって焦りとかでしょ? もちろんその焦りがどういうふうに出るかって言うのは人によると思うけど、焦ってストレスかかってる状態が人間の本質だって、どうしても思えないんですよね。

先週、寿恵子さんに嫌なこと言ってた田邊教授には心底ムカついちゃいましたが、それってちょうど根拠のない誹謗中傷をされて田邊家が大変だった時期だし、本当に余裕なかったんだろうな。
だって教授って、聡子さんの「静けさ」を愛しているんですよ!? 静かな家族の生活を騒がしく土足で面白おかしく踏みにじられて、そりゃ平静でいられるわけはないよな……(まあ、それにしてもあれはひどいセリフではありましたけど……)。

見るる「聡子さん、本当に強くなったよね。寿恵子さんとの関わりの中で生まれた変化だと思うと、それもうれしい」
母さん「最初はあんなに頼りなかったのにねえ。子どもたちにもお母様って呼ばれるようになってるし、母親としての風格みたいなものが出てきた感じ。女学校で身につけたであろう育ちの良さも、いい味出してるわ」

見るる「寿恵子さんとか綾ちゃんとかとはまた別ベクトルで強い女!になったよね〜〜大好き……家の外にいる野次馬?取材陣?に『皆様、ご機嫌よう。何かご用でございますか?』かっこよかった〜〜!! はんなりおしとやかなのに芯がある感じ。現代は女性が家庭に入って家を守るって時代じゃないけど、これは田邊家いいチームだわって思った。この聡子さんの上品さ、こういう感じにわたしもなりたい」
母さん「……そうねえ……」

見るる「ちょっと、無理では? みたいな感じで目線逸らすのやめてくれる!?」
母さん「はいはい。ところで田邊教授も、それからすっかりつきものが落ちた表情になって良かったわね(←露骨な話題転換の母!)」

見るる「! そうなんだよね〜〜〜〜!(←まんまと話題を逸らされたことに気づいていない見るる!) 棚の奥からほこり被った胴乱引っ張り出すシーン、最高じゃなかった? 要潤の良さ全部詰まってた。ありがとう……」
母さん「竹雄がいなくなってから薄くなってたその感謝癖、久しぶりに出たわね?」

見るる「い、いいでしょ。別に! でもまあ、まさか万太郎と田邊教授が新種発表バトル繰り広げると思ってなかったからハラハラしちゃった。ここでまた教授が負けたら、今度こそ完全闇堕ちルート?みたいな」
母さん「そうね。でも同時期に研究を始めたら、大学には純粋なマンパワーでは勝てない気がするわ。文献を調べるとか絵を描くとか、分担できるわけだし。万太郎はそれを一人でやる上に、各地からくる手紙のお返事とかもあるわけでしょう」

見るる「ね。でも、やっぱここで万太郎の性格の良さなんだよね。嫉妬しないし、悔しがる感じでもない。純粋に教授におめでとうが言える万太郎、心が清らかすぎない?」
母さん「佑一郎くんが『美しいものは強い』って言っていたけど、美しく生きている人は強くもあるってことなのかもね」

なんて、言ってたんですよ。金曜日の放送の、12分時点くらいまでは……。

ナレーション「それは、唐突に田邊に非職を命じる書面でした。田邊は帝国大学を追放されたのです」

見るる「(口ポカーン)」
母さん「見るる、今週はすごく表情が豊かね」
見るる「いやいやだって!!! えっ!? 突然の……!? えっ待って待って状況が飲み込めない。ユーシーのいない植物学教室って……?」
母さん「落ち着きなさい、まだわからないでしょう」
見るる「そ……そうだよね、もしかしたら大学を追われた田邊教授が万太郎と仲直りして手を組んで植物学街道を爆進していくことになるかもしれないし。まだあわてるような時間じゃない。あわわわ……」

ウウ……わたし、田邊教授に振り回されっぱなし……!?
ひい〜〜〜〜心臓に悪いから、早く来週になってほしい!!(泣)


さて第21週、「ノジギク」

見るる「サラッと流しちゃったけど、万太郎たち借金生活なの普通にヤバくない!?」
父さん「そうだなあ。それにしても借金取りにあの感じで対峙できる寿恵子さん、肝の座り方がすごいな」

見るる「赤い旗のくだりは、史実通りらしいよ。実際の牧野寿衛さんもあの感じで借金取り撃退してたのかな……?」
父さん「ただ、今回の借金取りはなんだかんだ植物図鑑も買ってくれたが、そういうケースばかりとは限らないんじゃないか。心配だ……」

見るる「う〜ん……軍師とまで言われてる寿恵子さんだし、全く何も考えがないってわけではないと思うんだけど……」
父さん「ところで話は変わるんだが、今週、配達員役でなすびが出ていたよな? 懐かしさで胸がはち切れそうになった」

見るる「え? 全然ピンこない。なすびさん?って、誰?」
父さん「ウッ……そうか、そうだよな。『電波少年』でなすびが懸賞生活をしていたのは見るるが生まれて間もない頃だった……時の流れは早いものだなあ……」

なんか父さんがまたジェネレーションギャップで遠くを見つめ出してしまったので、今回はここまで。
今週の会議、終了!

文責:朝ドラ見るる