どうも! 朝ドラ見るるです。
みなさんは、先週の展開、耐えられましたか……!?(震)
うちの母さんもドラマ見ながら「人生の中でつらいことって、やたらと時期が重なるのよねえ……あれってなんでなのかしらね」なんて言ってましたが、つらい展開も、ほんと、もう少し小出しにしてくれるといいのにね……。見るるはしっかり元気がふっとび、回復に1週間かかりました(←我ながら、心が弱い。苦笑)。
でも今週の万太郎たちは、なんとか前を向いて“明るい方へ”進んでいくことができたみたいで、ようやく一安心! ほんと〜によかった〜〜……!!!
物語の流れを四季にたとえるとすれば、今はきっと冬。
草木は枯れ、雪に覆い隠される時期……だけど、その根はしっかり、春を待ってますもんね。再生の季節は、すぐそこ。
我々も現実の酷暑に負けず(!)、最後まで万太郎たちを見守るぞ!
というわけで今週も、朝ドラ会議を始めていきましょう!
▼朝ドラ見る家会議
議題その1>>傷つき、再生する町 “東京”ってどんなところ?

園ちゃんが亡くなって、意気消沈の万太郎と寿恵子さん。その傷は簡単に癒えるものではもちろんなく、特に寿恵子さんは第二子の出産を控えながらも、悲しみを引きずったままです。
寿恵子「(夜中に目を覚まして)園ちゃん?」
(名前を呼びながら家のあちこちを探し回る様子の寿恵子に声をかけて)
万太郎「寿恵ちゃん?」
寿恵子「園ちゃんの夜泣きが聞こえた気がして…」
万太郎「い…いつの日か、わしらも、園ちゃんに会いに行く。その時に図鑑を持っていけるように…精いっぱい頑張るき」
思い返すと、万太郎の周りってすでに亡くなった人が多い。お母さんのヒサさんもだし、タキおばあちゃんもだし……。だからこそ、いつか彼らに会いに行くとき恥ずかしくないように、今を生きる。万太郎はそう宣言しました。
失ったものがどんなに大きくても、生きている限り生活は続いてくわけだし。って、ここまで書いて思い出した言葉が。そうだ、第12週で、結婚する前のふたりに、寿恵子ちゃんのお母さんのおまつさんが言ってたこのセリフです。
おまつ「2人とも、ほれた腫れたじゃどうにもならないんだよ、どんな時も、ひたすら暮らしていかなきゃならないんだ。やってけるかい?」
このセリフが出たときは“どんな時も”がこんなにつらいときだとは思ってなかったけど……。まつさん……うう、今になって沁みる……。
見るる「まつさんのこのセリフは万太郎と寿恵子さんに向けられたものだったけど、これって、今の綾ちゃんにも当てはまるよね。酒造りって、いわば綾ちゃんにとって人生の大部分というか、峰屋そのものが綾ちゃん自身みたいなところあったじゃない?」
父さん「確かになあ。それにしても綾ちゃんにとっては初の上京になるのか」
見るる「そうなんだよね! 前に東京で開かれた博覧会に参加できたのは万太郎と竹雄だけだったし。念願の東京がこんなシチュエーションっていうのは、綾ちゃん的にはちょっとあれだったかもしれないけど」
父さん「いや、こんなタイミングだからこそ、初めての東京を味わえてよかったと思う」
見るる「え、それってどういうこと?」
父さん「綾ちゃんが、長屋の人たちのやりとりを聞いてつぶやくシーンがあっただろ?」
綾「これが当たり前ながじゃねえ。みんなあ自由に出てくことも流れてくることもできる。それでもつながりが消えるわけじゃない。どこでも生きていけるがじゃね」
見るる「あ〜それ! 確かに印象的だった」
父さん「俺も、はじめて東京に出てきたときにびっくりしたんだよ。居心地の良さというか、しがらみから解放される感じというか。この町にいる誰も俺のことまで見ていないし、何をしてどう生きていってもいいんだと言われている感じだな」
見るる「なるほど……ある種のモブ感ってこと?」
父さん「モブ……?」
見るる「あ、ごめんごめん。モブっていうのは、主人公とかメインキャラクター以外のその他大勢のキャラクター、っていう意味で……つまり、モブ感っていうのは、存在感がない、いてもいなくても変わらない空気的な存在だと感じること、かな。わかる?」
父さん「まあ、それに近いのかな。綾ちゃんはずっと佐川にいて、峰屋のお嬢さんで、タキおばあちゃんが亡くなったあとは当主で……自分で選択した人生ではあったとはいえ、責任や重圧は半端じゃない。それは逃げられない足かせでもあったろう」
見るる「そっか。背負うべきものがなくなって大きな喪失を抱えた今だからこそ“どう生きていってもいい” “どこでも生きていける” という実感が救いになるってことなんだね。わたしなんかは、人と人とのつながりが濃い地方出身の人がうらやましく思えることがあるけど、それがいい側面だけじゃないこともなんとなくわかるし」
綾ちゃんは竹雄とふたりで高知に帰ってしまったけど、この後は何して生きていくんだろう。前に洋食店でバイトしてた竹雄は洋食も作れるわけだし、ご飯やさんとかもいいんじゃない!? 綾ちゃんセレクトのお酒とかも置いてさ〜。きっと繁盛すると思うんだけどな!
父さん「しかし、第二子も誕生したことだし、そろそろ元気だしていかないとな!(←父さん、実は先週は見るると同じくらい落ち込んでいたのです。もしかして自分にも言い聞かせてる?笑)」
見るる「ていうか、第二子、成長早い(笑)。あっという間に半年かあ」
父さん「それにしても、万太郎には藤丸と波多野との植物学トーク。寿恵子ちゃんには八犬伝語り。人って落ち込んだときには、自分のルーツというか、本来の自分を形作っていたものに戻るのがいちばんだよな」
見るる「そうだね、やっぱ初心にかえるのって大事だよね! でも、父さんにもそういうのあるの?」
父さん「あるぞ。学生の頃に好きだった音楽を聴いたり、詩を読んだり」
見るる「詩!? え、もしかして姉さんの金子みすゞ好きって父さん譲りだったの!?」
父さん「こう見えて文学青年だったんだぞ? あとは……」
見るる「あ、いい、いい! 父さんの話、長くなるから」
父さん「まあ、落ち込んだり、自分の方向性に迷ったりしたときには、自分のルーツというか、自分がこの道を目指した“元”になっているものに“会いにいく”ことにしてるよ」
見るる「へぇ〜」
父さん「ともかく、万太郎も寿恵子ちゃんも、ちゃんとそれを持ってるから、強いと思う。見るるも、そういうものを大事にしなさい」
見るる「はいはい(すぐ説教モードになるんだから!)」
議題その2>>世間の荒波を乗り越えろ! 連帯する女性たち

万太郎たちが日常を回復していく最中、新たな事件が起きていました。なんと新聞で、田邊教授と聡子さんをモデルにしたスキャンダル小説(!?)が連載に。田邊家に、多くのやじ馬が押し寄せていたのでした。
気になって調べたところ、田邊教授のモデルと思われる、東京高等女学校校長に就任した矢田部良吉さんも、彼を元ネタ(?)として『濁世』というスキャンダル小説を書かれていたのだとか。明治時代中期、鹿鳴館の失敗とその反動から、メディアのバッシングの的とされたのが“女学生”。そのどちらにも関わっていた矢田部さんは、格好の標的だったのでしょうか。何にせよ噂は根も葉もないもので、田邊教授と聡子さんにとっては風評被害もいいところ……なのですが。
見るる「田邊教授、相変わらず悪役っぷり全開で、なんかもう悲しさ通り越してうっとうしくなってきた(?)。くどくない!?」
見る子姉さん「お、おう……見るるもついに田邊教授を見放したか」
見るる「いや見放してはいないけど、さすがにさ……聡子さん心配して家まで来てくれた寿恵子さんにまであの言い草はなくない!? いや教授的には寿恵子さんが聡子さん励ましてたのは知らないことかもしれないけど……!」
田邊「(寿恵子に向かって)心配せずとも、あの下劣な新聞連載なら、新聞社を訴えました。じき収まるでしょう。あなたにとっては好都合でしたか? こんな機会でもあれば聡子につけいることができる。槙野のためにいらしたんでしょう?」
見るる「嫌味が上手でムカつくよ〜〜〜……でも寿恵子さん、この嫌〜な田邊教授に対して『そんなことをおっしゃるなんて、槙野にご執心なのはあなた様ではございませんか?』はグッジョブだった! わたしがずっと思ってたの、それ!」
姉さん「聡子さんも、今回は従順なだけじゃなくて良かったよね」
見るる「そうそう。聡子さん役の中田青渚さんのインタビュー記事読んでからずっと気になってたんだよね。ここ、ちょっと読んでよ↓ 」
――最後にメッセージをお願いします!
これから聡子の成長を通じて、田邊家が徐々にまとまっていきます。その変化の過程が私はすてきだなと感じていますので、ぜひ今後の田邊家の形にも注目してもらえたらうれしいです。
見るる「ずっと、聡子さんどう成長するんだろう、一体どのタイミングで……って思ってたんだけど、ここからだよね、聡子さんの覚醒!」
寿恵子「私は決して槙野とは別れません。それに、殿方のことは私とお聡さんには一切関わりがありませんから」
田邊「ほう…それは、妻としてはどうなんです?」
寿恵子「しかたがありません。あなたには腹が立っても、聡子さんへの気持ちは変わりませんから」
田邊「聡子! 毅然としていなさい。無教養な連中とは交わるな。世間なぞ、こちらから捨てなさい」
聡子「それでも…お寿恵さんは私のお友達です」
見るる「寿恵子さんとの友情もアツいよね……!」
姉さん「今回の、聡子さんと寿恵子さんのやりとりを見ていてさ、“シスターフッド”という言葉を思い出したよ。知ってる?」
見るる「ううん、知らない。シスターは“姉妹”という意味でしょ?」
姉さん「そう。姉妹だけじゃなくて、ざっくり言うと、女性同士の連帯、という意味なんだけどね。最近、ジェンダー問題やフェミニズム周りの用語として使われることが増えているんだけどさ。単純に、“仲のいい女ともだち”ということではなくて、共通の目的や目標を持った女性同士が助け合ったり、支え合ったりする姿を指していうことが多いのかな」
姉さん「ふむふむ」
姉さん「見るるもご存じの通り、私、女同士の友達づきあい、苦手じゃん? 生産性のない会話に長々とはつきあえないし、相手の話にひたすら『そうだね』って返さなきゃいけない女子トーク、できないじゃん?」
見るる「う、うーん……。それ、ちょっと、ものすごい偏見だと思うけど……。まあいいや、それで?」
姉さん「いや、これ批判じゃなくて、むしろコンプレックスだから。できないほうには、できないなりのつらさと傷つきがあるわけよ。ただ、そんな私でも、シスターフッドの重要性はよくわかる。特に対男性ってことになるのかもしれないけど、女性同士が連帯をしないと打破できないものがある。
例えば、今回の田邊教授の話って、単純に田邊教授と万太郎のいざこざっていうだけじゃなく、そういう男性的社会のルールに、女性もならってついてこいってことを言ったんだと思うわけ。でも、寿恵子ちゃんも聡子さんも、『私たちはそれ(男性社会のルール)には合わせない』って宣言したわけよ。まあ、あれよ、俗にいう、“女の平和”ってやつね」
見るる「姉さん、話の飛躍に、ちょっとついていけないんだけど……。それってギリシャの話だよね? 大学の授業でやった気がする」
姉さん「そうそう。いや、つまりね、よくやった!ってこと」
田邊教授のいう女子教育って、結局、あの鹿鳴館のダンスパーティみたいに“女は男を盛り立てるようにふるまえ!”って感じなのだろうけど、学校に通っていない寿恵子さんはきちんと聡明だし、女学校中退の聡子さんも同じように聡明だっていうのは確かだと思う。田邊教授にバシッと言ってダメージを与えられるのはもう聡子さんしかいない。田邊家の変化に今後も目がはなせないよ……!
さて第20週、「キレンゲショウマ」。
母さん「来週のタイトルもあまり聞いたがことない名前だけど、そういえば今週のタイトルだった“ヤッコソウ”。結局、どんな植物だったの?」
見るる「はい、見るる、調べました! ヤッコソウは寄生植物の一種で、今は国の天然記念物に指定されてます。変わった形をしているけど、これが、虫の力を借りて受粉をするのに最適な形なんだって。実際には、高知県土佐清水市の中学生が発見して、その学校の先生の山本一という人が牧野富太郎博士に標本を送ったことから新種だってわかったらしいよ」
母さん「へえ〜。ドラマの中ではお遍路宿の少年が発見してたけど、そこは脚色なのね。ところで、あの少年、心くんよね?」
見るる「そう、お遍路宿の少年・山元虎鉄くんを演じているのはあの寺田心くん15歳です!」
母さん「そうよね! ほんと、成長が著しくて一瞬、すぐにはわからなかったわ。もうそんなになるの? 絶賛、反抗期中の年頃ね。大丈夫なのかしら」
見るる「気になるの、そこ? お母さん、心くん好きだもんね〜」
母さん「子役さんはやっぱりね、見守っちゃうわよ。いつか、神木くんみたいに、朝ドラの主人公としてカムバックしてほしいわ。というか、ちょっと似てるわよね、この二人」
大学を追われ、博物館にも頼れず、ロシア行きも断念することになった万太郎。虎鉄くんの存在は、万太郎にとって希望の光になるのか……!?
来週からの展開も、楽しみ、おさしみ!(←見るるはジョイマンの高木さんが大好きです!!)
というわけで、今回はここまで。
今週の会議、終了!
文責・朝ドラ見るる
"朝ドラ"を見るのが日課の覆面ライター、朝ドラ見る子の妹にして、ただいまライター修行中! 20代、いわゆるZ世代。若干(かなり!)オタク気質なところあり。
両親(60&70代・シニア夫婦)と姉(30代・本職ライター)と一緒に、朝ドラを見た感想を話し合うのが好き。