万太郎(神木隆之介)と田邊教授(要潤)の関係性に注目が集まっている、連続テレビ小説「らんまん」。今回、田邊教授の妻・聡子を演じる中田青渚に、役への思いや、田邊との関係性、そして今後の見どころについて話を聞いた。


――演じる聡子をどのように捉えていますか?
内気な性格ですが、芯のある女性でもあります。今はまだ旦那様の言うことを聞いて、その通りに動くことが多いですが、今後内に秘めた強さが、徐々に出てくるようになります。旦那様が苦悩している様子をただ見守るのではなく、しっかり自分の意見も伝えるようになっていくので、演じるうえでは、おっとりとしたところだけが前面に出ないよう気を付けています。

基本、聡子の会話スピードはゆったりで、大きな声もあまり出しませんが、旦那様に思いをぶつけるときなどは、少し早口でアクセントをつけるなど、変化をつけています。「旦那様を一番近くで支えたい」という聡子の気持ちを大切にしながら、彼女が大人へと成長していく過程をちゃんと見せられたらと思います。

――田邊教授に対して、どのような印象を抱いていますか?
不器用なところもありますが、植物が本当に好きなんだと思います。ただ政府の仕事など、他にやるべきことがとても多くて、植物と向き合うことがなかなかできていないんですよね…。

旦那様のセリフ「聡子は、シダに似ているのかもしれない」はとても印象に残っています。花を咲かせず、種も作らないシダに似ていると言われ、「子は産めます」と聡子は反論しますが、旦那様は「静けさを愛しているんだ」と告白します。私も最初に台本を読んだときは「え、シダ…?」と正直思いましたが(笑)、このシーンを撮り終えた今、私もシダが好きになりました。

――要潤さんとの共演はいかがですか?
要さんにはこれまでクールな印象を抱いていましたが、小さい声でボソッとおもしろいことをつぶやいてくださるなどとてもおちゃめな方で、リラックスして演じることができました。そのギャップが、旦那様ともリンクしているように感じて。「大きな羽根枕でしか寝られない」というエピソードは、いつもの旦那様とは違う一面でかわいらしいですよね。大きな枕で寝ている旦那様の姿、ぜひ見てみたいです(笑)。

――寿恵子(浜辺美波)との出会いも、聡子に大きな影響を与えています。
そうですね。万太郎さんと対等な夫婦関係を築き、旦那様にも物おじしない姿に、聡子は感化されていきます。また出会ったときから、寿恵子さんには本音をぽろっと言えるところもあって。今後も寿恵子さんとのシーンで、聡子の新たな一面が見られるのではないかなと思います。

浜辺美波さんのキラキラした表情も本当にすてきです。印象的だったのが、初めて一緒に演じるシーン。浜辺さんがピンクの着物を着ていたこともあり、「“ヒロイン”がいる!」と強く実感しました(笑)。撮影中も常に安心感を与えてくださって、たくさん助けていただいています。

――神木隆之介さんとの共演はいかがですか?
“朝ドラ”の主演は、とても大変だと思うのですが、神木さんはその苦労をまったくみせずに、いつも現場を明るく盛り上げています。私がクランクインしたときも、神木さんがいろいろ話しかけてくださったおかげで、緊張が徐々にほぐれていきました。本当にうれしかったですね。とても尊敬しています。

――最後にメッセージをお願いします!
これから聡子の成長を通じて、田邊家が徐々にまとまっていきます。その変化の過程が私はすてきだなと感じていますので、ぜひ今後の田邊家の形にも注目してもらえたらうれしいです。

中田青渚(なかた・せいな)
2000年1月6日生まれ、兵庫県出身。NHKでの主な出演作に、「すぐ死ぬんだから」「ここは今から倫理です。」、「善人長屋」などに出演。