おわかりいただけただろうか……。
今週からOP(オープニング)のタイトルバックがリニューアルしていたことを……。

どうも! 朝ドラ「見るる」です。
いや、そんなホラーなテイストで言うことでは全くないんですけどね(←このネタ、伝わりますか!?笑)。

今週からついに後半戦がスタート。
ぼんやりOPを見ながら「愛の花」すごいいい曲だな〜これ万太郎&寿恵子さん夫婦の関係性を意識した曲だってあいみょんさんがインタビューで語ってたな……、なんて考えていたら、びっくりですよ。
先週まで万太郎しかいなかったOPに寿恵子さんのイラストが増えてるんですもん!!
ちょうどタイトル出てくるところで万太郎が描いてる植物画も、白黒からカラフルな水彩画になって、一気に色づいてるし。え、演出が粋です!

みなさんは気づいてました!? 
気づいていなかった方は、もう一度ご覧いただこう……(←くどい笑)。

というわけで、本格的に夏だからって安易にホラーネタを入れて遊んでないで(!)、今週も元気よくレビューしていきますよ。
朝ドラ会議の、はじまりはじまり〜!


▼朝ドラ見る家会議
議題その1>>「私のものになりなさい」──教授の本性はいずこ!?

さて……早速振り返っていきたいんですけど。
今週、うちの家族には、朝ドラを見ながらなんだかプンスコ怒ってる人がいました。
それは……。

父さん「ついに本性を表したな、田邊め……。朝ドラの中でも久々に見る嫌〜〜なヤツだぞこいつは。『おちょやん』のお父さんテルヲ(トータス松本)ぶりかもしれん」
見るる「そんな……“朝ドラ史上最低の父親”とまで呼ばれるクズキャラと並ぶなんて。そこまで言うほど田邊教授のこと気に入らなかったの?」
父さん「あたりまえだ! 才能がある部下に嫉妬する横取り上司じゃないか、あんなもん。男の嫉妬ほど醜いものはない。すごく不愉快だった。だいたいな、俺はこいつ(←もはやこいつ呼ばわり)が出てきた時から怪しいと思っていたんだ。あの横柄な態度が……(以下エンドレス)」

とまあ、だいたいこんな感じ。
父さんが敏感に反応していたのは、田邊教授が万太郎を素人呼ばわりし、「植物についての研究を自分の名前で発表したいのなら学歴を身につけろ(意訳)」と言い放ったシーンです。

田邊「世間は単純なんだよ。学歴さえあればいい。私なら、さっさとやり直すがね」
万太郎「けんど、その間にも誰かほかの人らあが、どんどん新種を見つけます。世界中が進んでいきます」
田邊「ハハ。おかしいなあ。君は植物が好きなんだろう? だったら、遠くから喝采を送ればいいじゃないか。『嫌だ嫌だ』ばかりではどうしようもないだろう? …では、最後の提案だ」

田邊「私のものになりなさい」

ど……どっひゃ〜〜〜〜。
父さんが怒ってる後ろで、見るるは正直度肝抜かれました。万竹が終わった途端、また何か始まるのかと思って……。
え、そういう視点でばかり見るのよくないって? いやでも正直、火曜日放送回のラスト、切り方嫌らしかったですよね!? お〜〜〜〜い、らんまん制作のエライ人〜〜〜〜! 本当のところ、ちょっとそういう感想出るの狙ってたでしょ!? 見るるの目は誤魔化せないんだからね!?

……という余談はさておき、
田邊教授の提案というのは、万太郎が教授専属の“プラントハンター”になる、ということでした。万太郎は教授のために植物を探し、新種の発表は田邊教授がするということですね。

もちろん、自分の名前を植物に刻みたい植物オタクの万太郎は、それを断ります。

万太郎「申し訳ございません。けど、大学への出入りをお許しくださったこと、そのご恩は忘れてはおりません。これからもわしは、植物学のために一心に働きますき!」
田邊「後悔するぞ。何の身分もない何の保証もない、小学校も出とらん虫けらが何を言ってもむだだ! お前は私にすがるしかない!」

見るる「確かに言い方はかなり悪いかもだけど、田邊教授が言ってること間違いではないと思うんだよね。組織化して研究していくっていうのは効率的だと思うし、そのために大学に標本を集めるって言ってるんだもん」
父さん「しかし、仕事をした人が報われないのは良くないだろう。頑張っているのは万太郎なんだぞ」
見るる「(父さん、やっぱり仕事してて他の人に手柄取られた経験があるのかな……万太郎への感情移入がすごい……。)まあ、万太郎は研究者である前に植物オタクだからな〜。そりゃいくらえらい人に言われても、折れるわけないっていうのも当たり前なんだよね」
父さん「そうだぞ。こんな権威の塊みたいな人間の言いなりにならなくて万太郎はえらい。大変だと思うが、やっぱり頑張ってほしい……」
見るる「でもさ、父さんはさっきから田邊教授のこと権威だの嫌なやつだの言ってるけど、今回、ただの嫌なやつじゃなかったってこともわかったじゃない? 奥さんの聡子さんの語る枕のエピソードとか、かなり人間味あったけど。そのせいで『小学校も出とらん虫けらが!』っていう結構キツめのセリフも、なんか思い通りにいかない子どもが癇癪起こしてる感じに見えてしまって、個人的にはかわいかったよ」
父さん「も、もしかして見るる、ドラマ見ながら『ぬお〜!』とか叫んでいたのは、田邊教授に対して悶えていたのか……?」

ぎ、ギクッ……わたしがほぼ寿恵子さんと同じ反応してたの、全然バレてた。
だってだって、可愛くない!? あの感じで水鳥の羽根の枕で、若い奥さんと一緒に寝てるの……どうしよう、年もかなり離れてるけど、2人きりになった時に田邊教授が聡子さんに甘えてたりとかしたら。
え!? 可愛い!(←自分の妄想に自分で喜ぶな)

見るる「父さんはあの嫌な感じが本性だって言うけど、わたしは違うと思うな。どちらかっていうと田邊教授の本質って、シダ植物が好きな理由の方に凝縮されてる気がする」

田邊「シダは、花も咲かせないし、種も作らない」
田邊「だが、花が咲く植物よりも前に地球上に存在していた。太古の昔、胞子だけで増えるシダ植物は、陸の植物の覇者だった。シダは、地上の植物の始祖にして永遠なんだ」

見るる「田邊教授って、孤独な人なんだろうな。だからこそ、あの地位にまで上り詰められたし、万太郎に対してああいう態度もとれちゃう。自分が“覇者”でいたいんだろうし……。でもそんな田邊教授が、自分の好きなシダ柄の帯を、ずっと年下で、ちょっと鈍臭い感じの可愛い奥さんにプレゼントしてるっていう点が『ぬお〜!』なわけよ」
父さん「なるほど……? 『ぬお〜!』は知らんが、確かに田邊の人柄がよく深掘りされた週だなと思った。あと俺もホウライシダは好きだ。昔アジアンタムというシダ植物を育てようとしていたこともあったくらいだからな」
見るる「アジアンタム! 観葉植物でしょ? 昔家にあったよね。でも割とすぐ枯らしてなかったっけ?」
父さん「1日でも水をあげないだけですぐ葉がしわしわになって、育てるのが難しかったんだ……」

父さん、枯れた観葉植物を思い出したのか、思い出してしょんぼり。
でも知らなかった、シダ植物って結構身近にある植物なんだね。
徳永助教授のユウガオといい、おゆうさんのヒルムシロといい、このドラマ、好きな植物が明かされると、その登場人物の心情が追いやすくなりますよね。

田邊教授の内面もちょっと見えたけど、ただの悪役で終わらず、いい着地点に落ち着くといいなあ……。


議題その2>>“金色の道”を辿って、次に辿り着くのは……?

田邊教授に色々言われて、悩み中の万太郎を元気づけてくれたのは、名教館時代の幼馴染・佑一郎くんでした。

佑一郎「学校を出ちゃあせん者は皆虫けらながか? そんなこと言える方がよっぽど恐ろしいがのう」
佑一郎「教授が言うところの『虫けら』らあが、この国を変える底力を持っちゅうがじゃ」

見るる「佑一郎くん……本当立派になって……(←なぜか親目線でほろり)。ちょっと前の缶コーヒーのCMみたい。『世界は誰かの仕事でできている』ってやつ」
姉さん「懐かしい(笑)私は、子どもの頃に流行った意地悪なぞなぞを思い出したよ。『ピラミッドを作ったのってだ〜れだ?』」
見るる「え、何それ。クフ王とか、エジプトのえらい人たちじゃないの?」
姉さん「残念! 正解は、労働者たちでした〜……ってやつ。というか田邊教授にやなこと言われた話、寿恵子さんにはちゃんと行ってないような気がするんだけど、佑一郎くんには相談するんだね」
見るる「蘭光先生の教え子仲間だもん、絆は深いよ。そんな昔からの仲間に金色の道を教えてもらって、次に行くべき場所がわかったの、エモいね」

ということで、佑一郎くんのアドバイスもあり、万太郎が尋ねたのは博物館。
「何の身分もない何の保証もない、小学校も出とらん」自分がどうしたら植物の研究者として世に認められるようになるか。相談しに行きます。
しかしそこで出会ったのは、田邊教授に自分たちの研究をとられたと怒る、伊藤孝光さんという青年だったのでした。

見るる「田邊教授のことあんなにあからさまに嫌ってるキャラクター、新鮮じゃない?」
姉さん「これまでは大学や政府のお仕事関係しか描かれてなかったもんね。田邊教授、植物学教室の中では一番えらいから、誰も逆らえないし」
見るる「でも手柄横取り事件か……戸隠草にそんな因縁があったとは。伊藤家、報われてほしい……でもそれと同じくらい、田邊教授にも何かしら救いがあってほしい〜〜……!」
姉さん「……今週の放送見てからの見るる、なんか田邊教授に甘い気がする……」

そ、そんなことないもん(目線を逸らしつつ)。
でも今週、やっぱり人間っていろんな側面を持っているんだなっていうのは思ったよね。

周囲にペコペコされている田邊教授と、泥棒とまで言われ蔑まれている田邊教授。
万太郎への高慢な態度と、聡子さんに見せる優しげな表情。

どっちも同じ人なんだけど、一つの視点にしか立たなかったら、その全ての顔を知ることはできない。
その意味では、いろんなところに出入りしてる、何者でもない万太郎は、広い視点で物事を見るって点で強いなって思いますね。いい意味での“根無草”って感じ?

姉さん「ところで里中先生なんだけど、見るるの世代の子はいとうせいこうさんが何者だか知ってるの?」
見るる「確か、わたしが子どもの頃、NHKの教育番組で『天才ビットくん』って番組やってたんだよね。正直、そのイメージがめちゃめちゃ強いかも。あとは、フリースタイルダンジョンの審査員……それで今回はドラマにも出てる。あれ? なんかすごいいろんな活動してない?」
姉さん「やっぱりね〜。いとうせいこうさんは、タレントであり、ラッパーであり、俳優でもあり……あと小説書いたりもしてる人なんだよ。いろんな顔持ってるんだよね。しかも、大の植物好き」

見るる「え、植物? そうなの?」
姉さん「そう。牧野富太郎博士についての本も出してるしね。だから今回の配役は、個人的にはなるほどね〜って感じだったよ」
見るる「そうだったんだ……じゃあもしかして、いとうせいこうさん自身もサボテン大好きだったりするのかな?」
姉さん「そこまではわかんないけど(苦笑)。気になるんだったら、エッセイも出てるから読んでみたら? 『ボタニカル・ライフ 植物生活』ってタイトルで、NHKの夜ドラの原作にもなってるんだよ。『植物男子ベランダー』ってやつ。『孤独のグルメ』の植物版みたいなノリの……」

何それ、面白そう……かなり気になるので、読んでみようかな。姉さんありがと! もし原作未読&ドラマ未視聴の方はぜひぜひチェックしてみてね。


議題その3>>新婚奮闘記!〜がんばれお寿恵ちゃん〜

見るる「ところで、お寿恵ちゃんと万太郎はあのクサ長屋で新婚生活を送っているんだよね……寿恵子さん、ちょっと不憫かも」
母さん「そう? 親元離れて初の暮らしが万太郎との二人暮らしなんてやっていけるのかと思っていたけど、私はむしろクサ長屋で安心したわ。女性も多いし、困ったことがあってもみんなにサポートしてもらえるじゃない」
見るる「それはそうだけど、新婚生活ってもっとこう……こう、キラキラしたもんじゃないの?」
母さん「見るる、あんたその年でまだ新婚生活に夢なんて見ているの? 現実を見なさいな」

えっ、何!? その言い草!? なんか非常に失礼だな……!
でも母さんの言うことも一理ありますよね。おりんさんにお買い物連れて行ってもらったり、朝はみんなでラジオ体操(なのか?)をしたり。
ステテコテコテコテコテコテコテコ……。
おりんさんの言っていた「圓遊のはやり歌」というのは、“すててこの圓遊”とも呼ばれた初代三遊亭圓遊が流行らせた、ステテコ踊りというもの。
倉木さんみたいな人までしっかり口ずさんでるんだから、相当流行ってたんだろうなあ。
何はともあれ、周囲にも支えられながらしっかり夫婦をやっている様子です。

母さん「支えられているといったら、竹雄よね。登場していないはずなのに、今週は竹雄の存在感をすごく感じたわ。いないからむしろ……なのかしら」
見るる「申し送り事項でしょ? 竹雄、若の取説と称してタウンワーク一冊分くらいの分厚い冊子作ってそうなイメージ。今回はその3までだったけど、来週以降も続きの申し送り事項出てくるのかな? ちょっと楽しみだったりする」
母さん「それがあるから、竹雄が大変だったことを寿恵子さんが繰り返さなくて済むんだものね。ちゃんと引き継ぎがされてるってことは、『そのいざこざはもう竹雄が乗り越えたのに』っていう状況が防がれてるってことでしょう? 視聴者としてもスムーズで助かるわ」
見るる「ほんと、さすが薫風亭の元エースボウイにして、大酒蔵・峰屋番頭の息子って感じ。仕事ができるなあ……」

しかし、申し送り事項だけではどうにもならないのが、万太郎のお財布問題。
峰屋は若の財布じゃない!はもはやお馴染みフレーズですが、綾ちゃんが万太郎のために持たせてくれたお金が、残り1000円。明治時代の1円は現代の約2万円程度らしいので、残金、2000万円……。

な〜〜んだ、かなりあるじゃん!って思っちゃうけど、万太郎は突然大金をポンっと使っちゃうし、当の本人は研究に夢中で全然話聞いてくれないし、寿恵子さん、不安だろうな。

夫婦のお金が今後どうなっていくのか、その辺も見どころ(?)ですね。いや、ハラハラしっぱなしではあるんだけど……。

母さん「ところで下世話な話なんだけど、万太郎と寿恵子さんの子どもはどうなのかしらね? 朝ドラあるあるの、子役再登場も待っているんだけど」
見るる「え〜〜? どうだろ……実際、牧野富太郎博士には奥さんとの間に13人もの子どもがいたらしいけど(多くない!?笑)。でも少なくとも今は、寿恵子さんの方はイチャコラを我慢してたみたいだよね」
母さん「お布団くっつけた男女の布団を見ながらニヤニヤするだなんて、男の人がやったらちょっといやらしい感じになっちゃいそうだけど、寿恵子さんがやるとかわいいんだからすてきよね」
見るる「万太郎はなあ……研究一直線だから……(呆)」
母さん「だけど、『夜は寝てください』って言った寿恵子さんに対して、邪魔!とか言わなかったのは素直に万太郎の成長だわ」
見るる「まあ、バカ!とは言ってたけど、邪魔に比べたらかわいいもんだよね(笑)」

寿恵子「体を壊してからでは遅いんです。ずっとずっと、私よりも長生きしてもらわないと困るのに…」

母さん「食べることももちろん大事だけど、睡眠も大事よ。見るるは寝てるの?」
見るる「寝てるよ! 仕事忙しすぎて夜遅くまで作業してる姉さんのこと、反面教師にしてるもん」
母さん「そう、ならいいわ。夜は寝る、朝は起きる、昼は働く。なんだかんだ。これが一番なのよね」

今回の万太郎の場合、寝るって言ってもお布団に入って寿恵子さん観察してただけ説もあるかも?(苦笑)

でもわかるよ、万太郎。超絶美少女・浜辺美波ちゃんの顔面が隣ですやすや寝てたら、そりゃ見たくもなるだろう。
あんなにイチャイチャしたがってたのに、いざ万太郎にかわいいかわいい言われて照れちゃうお寿恵ちゃん、本当に可愛い。
寿恵子さんは「人のことを草花みたいに観察しないでくださいよ〜!」って叫んでたけど、万太郎はそこまで悪くないに一票!


さて第15週、「ヤマトグサ」

自分の金色の道が、やはり植物図鑑作りに向かっているのだと悟った万太郎。
次回からは図鑑作り編になっていくのかな?
田邊教授と伊藤家の確執……戸隠草が誰のものになるのかも気になるし……う〜〜ん、一体どうなっちゃうんだろう!?

来週も楽しみにし〜よう!
それじゃ、今回はここまで。最近ほんと暑いから、みなさんも無理せず涼しく気をつけて過ごそうね。

今週の会議、終了!

文責:朝ドラ見るる